■ユーロ/米ドルが底堅い2つの理由
みなさん、こんにちは。
先週(4月15日~)からユーロ圏の経済指標がかんばしくなく、ECB(欧州中央銀行)の利下げ観測が高まっています。
それに連れ、ユーロ/米ドルは1.3000ドルを割り込むステージもありましたが、下げ渋っており、4月25日(木)には、1.3000ドル台を回復。

(リアルタイムチャートはこちら →FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足)
ユーロ/米ドルの底堅い要因の1つは、イタリア政局の不透明感が徐々に払拭されつつあることなのですが、も1つの要因がユーロ/スイスフランの急反発です。
ロイターの調査によると、SNB(スイス国立銀行[スイスの中央銀行])は、ユーロ/スイスフランの下限レートを、少なくとも2013年いっぱい、恐らく2014年に入っても変更しないというのがマーケットのコンセンサス。
■SNBが下限レートを1.25フランに切り上げるとのウワサ
ただ、4月23日(火)の欧米市場で「SNBがユーロ/スイスフランの下限レートを1.25フランに切り上げる」とのウワサがマーケットに流れ、ユーロ/スイスフランは1.22フラン台後半まで急騰しました。
そのウワサの真偽が確認できないまま、4月24日(水)の欧米市場でも、ユーロ/スイスフランは続伸。
原稿執筆時点では1.2343フランまで急伸しています。

(リアルタイムチャートはこちら →FXチャート&レート:ユーロ/スイスフラン 4時間足)
対米ドルでも、スイスフランは軟調で、米ドル/スイスフランも一時0.95フラン台まで回復しています。

(リアルタイムチャートはこちら →FXチャート&レート:米ドル/スイスフラン 4時間足)
ユーロには利下げ懸念があるのですが、ユーロ/米ドルはこのユーロ/スイスフランの上昇によってサポートされているわけです。
加えて、避難通貨のスイスフランが軟調な展開のため、5月に向けてのリスクオフの懸念は、かなり緩和されています。
■米ドル/円は、99円台の「円安値圏」で推移
そして、スイスフラン同様の避難通貨である円ですが、引き続き米ドル/円は99円台という「円安値圏」での推移。
マーケットが一時的にリスクオフの展開となっても、米ドル/円は底堅い展開となっています。
今週(4月22日~)も一時98円台ミドルまで下落する局面もありましたが、円高局面は非常に短命で、99円台で推移する時間帯が目立ちます。

(リアルタイムチャートはこちら →FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足)
■100.00円の巨大バリアの影響も徐々に薄れてきている
米ドル/円は、巨大なバリアに阻まれて、なかなか100.00円を抜けてこないのですが、連日100.00円のオプションが行使期限を迎えています。
特に、本日のニューヨーク・カット(※)で、大口のオプションが満期を迎える模様で、100.00円のバリアの影響も徐々に薄れてきています。
ただ、今回の100.00円の攻防でオプションの売りサイドは相当、痛んでいる模様。
逆に、11月から一貫して円安のポートフォリオを組んでいるグローバルマクロのヘッジファンドは、オプショントレードでも相当、収益を上げているようです。
現状の米ドル/円は、オプションの影響を色濃く反映しており、仮に100.00円を超えても、100.50円を筆頭にヘッジファンドが節目節目にバリアを設定しているため、米ドル/円は急騰するのではなく、乱高下しながら次第に値を上げていく展開でしょうか。
(※編集部注:「ニューヨーク・カット」とは、通貨オプションの権利行使の最終的な締切時間のこと。ニューヨーク市場の10時(夏時間9時)=日本時間の24時(夏時間23時))
(出所:MetaQuotes Software社のメタトレーダー)
今週(4月22日~)は、スイスフランと円という両避難通貨、特にユーロ/スイスフランと米ドル/円の動向に注目です。
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