■RBA総裁の発言で豪ドルの動きに変化?
低ボラティリティの環境下、豪ドル/米ドルはじりじりと上昇し、7月1日には節目の0.9506ドルまで到達(前コラムを参照)。
【参考記事】
●2015年には4.25%に!? 低ボラティリティで注目集まる比較的高金利なオセアニア通貨(6月26日、西原宏一)
主要通貨が低ボラティリティに落ち込む中、出口政策に向かう通貨が買われ、緩和継続の通貨が売られるという展開が続き、英ポンド、豪ドルは、対円、対米ドルで底堅い展開が続いていました。
そうした利上げに向かう通貨の中から、本日一歩後退したのが豪ドル。
後退した要因は、本日、7月3日(木)に出された以下のようなRBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])スティーブンス総裁のコメントでした。
「投資家は豪ドル下落の可能性を過小評価している」
「需要下支えのため、政策はしばらく緩和的に」
「豪ドルは歴史的にみて依然として高水準」
そして、スティーブンス総裁は「なぜ米ドルやユーロが高くないのかが問題」とも述べています。
(出所:米国FXCM)
■豪ドルクロスの反落に警戒
ここでのポイントは、豪ドル/米ドルが、7月1日(月)に0.95ドル台まで上昇した後に、このコメントが出されているということ。
つまり、豪ドル/米ドルの0.9500ドルというレベルは容認し難いとのニュアンスを込めているとマーケットは判断。
金利先物市場でも、わずかですが、RBAの利下げを織り込みつつあり、スティーブンス総裁のコメントで、豪ドルの流れが変わりつつあります。
マーケットには依然として豪ドルのロング(買い建て)が残っており、豪ドル/米ドル、そして、ユーロ/豪ドルといった豪ドルクロス(米ドル以外の通貨と豪ドルとの通貨ペア)での豪ドル反落に警戒です。
(出所:米国FXCM)
(出所:米国FXCM)
本日、7月3日(木)はECB(欧州中央銀行)理事会と米雇用統計という2大イベントを控えていますが、前述のことから米ドル/円と、豪ドル/米ドル、そして、ユーロ/豪ドルといった豪ドルクロスの動向に注目です。
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