今回は、2つのことについてお話をしようと思います。
■米ドル/円は下落局面を終えた。再び120円を超える展開に
まず、1点目は米ドル/円に関してです。
前回のコラムで、「米ドル/円は下値固めに入ってくる」というお話をしました。
【参考記事】
●セリングクライマックスで底値固め突入!?調整あれどユーロ/米ドルの下落は続くか(1月15日、今井雅人)
その後、いったん115円台にまで下落する局面もありましたが、そこでもしっかりと買いが入ってきて持ちこたえ、すぐに反転する展開となりました。
それ以降、だんだんと下値が切り上がってきています。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)
こうした値動きを見ていると、やはり米ドル/円は下落局面を終えたという感じを受けています。
ただ、まだ投資家の中に、やや疑心暗鬼なところもあって、高値を積極的に買って行く動きにはなっておらず、恐る恐る買っている様子が市場の雰囲気から伝わってくるので、まだ本格的な上げ相場に向かっているわけではないようです。
しかし、この間も日本の年金などの円売りが確実に出てきているので、これがボディブローのように効いてきて、そんなに遠くないうちに120円を再び超える展開がやってくると思っています。
もう少しの辛抱ではないかと思います。
■1月に入ってからは細かく売買。ここのところ上向きに
私自身も、2014年11月、12月は米ドル/円のロングを持ちっぱなしでありましたが、2015年1月に入ってからは、細かく売り買いをしています。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
ただ、レンジの決め打ちに少し苦しんでおり、勝ったり負けたりしていますが、ここのところ、また上向いてきました。これからの相場に期待したいと思います。
■消えたユーロ/スイスフランのレート。一瞬で30%の下落…
2点目は、ユーロに関するさまざまな動きです。
先週1月15日(木)、SNB(スイス国立銀行[スイスの中央銀行])が3年間以上守り続けていた「ユーロ/スイスフランの為替レートを1.2000フランの水準で下限維持する政策」を放棄しました。
すでにいろいろなところで話題になっていると思いますが、市場からユーロ/スイスフランのレートが消え、一瞬にして30%近くも下落しました。
【参考記事】
●ユーロ/スイスフランが約3800pips大暴落! スイス中銀が防衛ラインの撤廃を発表!
●プライスが消えた…。現役インターバンクディーラーが語ったスイスショックの瞬間

(出所:米国FXCM)
どれぐらいすごいのか、感覚がわからない人は、一瞬で米ドル/円が30円下落したことを想像してみるとよいでしょう。それぐらいの歴史的な衝撃が起きたわけです。
■SNBの決断はECBの緩和政策打ち出しを知ってのことか
SNBはこれまで、この水準を守るためにユーロ買い・スイスフラン売りを続けてきましたが、それが限界にきたということでしょう。今月、ECB(欧州中央銀行)が大幅な量的緩和政策を打ち出すことを知って、SNBはこういう決断をしたのだと思っています。
さらにデンマークが緊急に利下げを実施しました。これもECBの利下げを見込んでのことです。
当コラムをみなさんがご覧になる前後には、ECBの緩和政策が発表されていると思います。
短期的に市場がどういう反応をしているかは、予測が難しいのですが、中期的にはユーロの下落要因であるので、やはり、ユーロ/米ドルの売りを推奨しておきたいと思います。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 週足)
■週末はギリシャの総選挙。ユーロの下落傾向は変わらない
この週末、1月25日(日)には、ギリシャの総選挙が予定されています。
野党が勝利するとの見方が強いようですが、この結果の影響については次回のコラムで考えてみたいと思います。
ただ、どういう方向になったとしても、ユーロの下落傾向は変わらないと考えています。
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