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西原宏一_メルマガ取材記事
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実はチャイナショック時以上にひたひたと
進んでいる中国人民元安。その理由は?

2016年11月25日(金)12:10公開 (2016年11月25日(金)12:10更新)
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実は、対米ドルで中国人民元安が進んでいる

 まさかのトランプ氏勝利で終えた米大統領選があったせいで、いろんなことが吹っ飛んでしまった感じがしますが、2016年11月冒頭に、当コーナーで大手ネット証券の一角、楽天証券「楽天FX」が中国人民元/円の取り扱いがスタートしたという話題をお届けしました。覚えているでしょうか?

【参考記事】
楽天証券が中国人民元/円を新たに追加。中国人民元相場でも注目は米大統領選!

 その際、「中国人民元は、2016年10月24日(月)に、対米ドルで2015年8月のチャイナショック時や2016年1月の中国株暴落時の安値を更新するなど急速な中国人民元安が進んでいる」という点に触れ、この話題については別の機会にお伝えするとしていました。

 当記事が、その別の機会です。ここでは、昨今進んでいる対米ドルでの中国人民元安について、あれこれ掘り下げてみたいと思います。

チャイナショックや中国株暴落時の安値も更新! なぜ?

 まずは、米ドル/中国人民元の月足チャートを見てみましょう。

 お伝えした2015年8月のチャイナショックや2016年1月の中国株暴落時の安値を飛び越えて、中国人民元安が進んでいるのがおわかりいただけると思います。中国人民元安は、2016年11月現在も進行形です。

 いったいどうして、ここまで中国人民元安が進んでいるのでしょうか?

米ドル/中国人民元 週足
米ドル/中国人民元 週足

(出所:CQG)

2016年11月の上昇は、トランプ勝利の余波によるもの

 まず、米大統領選を終えた2016年11月9日(水)以降は、トランプ氏がまさかの勝利を収めたことで、マーケットでは米長期金利が上昇し、米ドル全面高の様相となっていますので、中国人民元が対米ドルで下落幅を広げているのも、このことが大きく影響しているのだと考えられます。

【参考記事】
トランプ勝利で狼狽は禁物! イエレンはお払い箱! バラマキ政策で景気は良くなる

米長期金利 日足
米長期金利 日足

(出所:CQG)

 米長期金利上昇(=米10年物国債価格の下落)の理由が、トランプ次期大統領の経済政策による景気回復を期待したポジティブな反応によるものなのか? 逆にトランプ氏の経済政策によって米国財政が悪化し、米国債のリスクが増すとみるネガティブな反応によるものなのか? 定かではありませんが、どっちにしろ、米長期金利の上昇は単純に米ドル高要因になります。

中国人民元も全体的な米ドル高の流れに乗って、対米ドルでの下落が進んだと考えるのが自然ではないでしょうか?

中国との間に、最大45%の高い関税の壁を築く!?

 また、あれこれ物議を醸しまくってきたトランプ発言ですが、その中には中国に影響を与えるものもあります。まさか中国と米国の間に物理的な壁をブチ建てることはできませんが(トランプ次期大統領は、メキシコとの国境に壁を作ると主張している)、対中国では、貿易において最大45%という高い関税の壁を築くと主張しているのです。

【参考記事】
4.75%の高金利!カギはトランプ氏が握る!? 今、メキシコペソが注目されるのはなぜ?

ドナルド・トランプ次期大統領

大統領選挙中は、過激な発言で物議を醸してきたトランプ次期大統領。「メキシコに壁を作るゾ!」発言も衝撃的でしたが、中国に最大45%の関税を課すという考え方も、ある意味、貿易の壁を作るってことですよね…?(C)Win McNamee/Getty Images

 これは、中国を為替操作国に認定し、そのペナルティとして高い関税を課そうというもの…。もし、そんなに高い関税がかけられたら中国は貿易黒字を減らすことになりますし、コストパフォーマンスを求めて中国に進出している各国の企業も撤退することになりかねません。

 これは、中国経済にとってはマイナス材料となり、ひいては中国人民元安要因となります。

中国人民元安の根本原因は、国外への資金流出か

 このように、米大統領選以降の中国人民元安は、トランプ氏勝利の余波による影響が色濃いと考えられるのですが、冒頭でお伝えしたとおり、中国人民元の対米ドルでの下落が特に顕著になったのは、米大統領選の少し前、2016年10月頃のこと。いったい何がありましたっけ…?

米ドル/中国人民元 日足
米ドル/中国人民元 日足

(出所:CQG)

 2016年12月の米国利上げ期待の背景に、マーケットは相対的な米ドル高が進みやすい環境下にあったとか、10月1日(土)付で行われた中国人民元のSDR(特別引出権)構成通貨入りが影響しているとか、それっぽい理由はいくつか挙げられますが、それより何より、もっとも根本的な原因となっているのは、「中国からの資金流出」ではないかと言われています。

 2016年の中国のGDP成長率を見ると6.7%と、あるかないかわからないような先進国のGDP成長率に比べると、うんと高い経済成長率を誇っていますが、10%を超えていたような時期にくらべると鈍化しているのはたしか。

 2015年8月には、チャイナショックなんてトンデモ事件も起こり、「中国経済はヤバイ!」とか「バブル崩壊!?」とか、過度に騒ぎ立てられた感もありますが、事実、鈍化しているとお伝えしたGDP成長率をはじめ、今の中国経済を見ると、右肩上がり一色というワケではないようです。

【参考記事】
中国発のリスク回避強まり世界同時株安! 南アランド/円は乱高下、一時10%超暴落!
田代尚機氏に聞く中国経済(1)上海株の暴落は中国経済減速が原因ではない!

 株価もチャイナショック以降、ぱっとしない状況が続いていますしね…。

上海総合指数 週足
上海総合指数 月足

(出所:CQG)

資金流出加速で中国人民元安が進む「負のスパイラル」

 経済が減速…株価も戻りが弱い…こうなると、中国国内で事業を行ったり、資産運用するよりも、国外に資金を出した方が儲かるでしょう! ということで、企業や投資家などのお金が中国国外へ流出し始めます。

 資金流出は、そのまま通貨安要因となりますので、中国人民元は下落…。その結果、さらに資金流出が加速し、中国人民元はさらにさらに下落するという負のスパイラルができあがるのです。

 今、中国人民元は、まさにこの負のスパイラルの真っ只中にいると考えられます。

経済減速が資金流出を生み、それが通貨安となってさらなる資金流出につながっているという負のスパイラル

資金流出額は、過去最大規模!? ビットコインで持ち出し?

 中国国家外為管理局(SAFE)発表の中国本土外へ流出した中国人民元の金額は、2016年9月は447億ドル(約4.6兆円)相当だったとされていますが、これは公表されているデータの中では過去最大の流出規模だったようです。

中国からの資金流出入状況・月次推移

※中国国家外為管理局(SAFE)発表データよりザイFX!が作成

 さらに一部では、違法な送金やビットコインなどの仮想通貨を使って資産の持ち出しが行われているなんてウワサも耳にします。真偽は不明ですが、ありそうな気がする…。

【参考記事】
ビットコインチャート公開記念コラム(1) ビットコイン相場は何によって動くのか?

 そう言えば、ビットコインってこのところ、かなりキレイな上昇トレンドを描いているんですよね。以下は、ビットコインの対円、対米ドル、対ユーロでの日足チャートです。

ビットコインVS主要通貨 日足
ビットコインVS主要通貨 日足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ビットコイン VS 主要通貨 日足

 どうです? ビットコインは、トランプ氏の米大統領選勝利を受けて全体的に強い米ドルに対しても、力強い上昇トレンドです。仮想通貨ではありますが、今一番強い通貨ってビットコインなのでは…? お伝えした中国からの資金流出も、資産持ち出しの手段としてのビットコイン需要を高め、価格上昇に一役買っているのかもしれません。

 ちょっと脱線しましたが、そんなワケで、止まらない中国国外への資金流出の波は、中国人民元安の大きな要因になっていると考えられます。

米ドル/中国人民元 日足
米ドル/中国人民元 日足

(出所:CQG)

管理変動相場制なのに介入しない? 背景にある思惑

 それにしても中国の為替相場って、たしか管理変動相場制を採用していて、ある程度、中国当局が為替レートをコントロールしているんじゃなかったでしたっけ? ここまで中国人民元安が進んでいたら、大規模な為替介入でもありそうなものですが、いったいどうなっているのでしょうか?

【参考記事】
楽天証券が中国人民元/円を新たに追加。中国人民元相場でも注目は米大統領選!
固定相場制(ペッグ制)が招いた悲劇!?香港ドルなどの取扱い停止はなぜ増えた?

 この点については、実は、中国当局のある思惑が絡んでいるのではないか?と言われています。

 お伝えしたとおり、近年、中国経済は減速傾向にあります。輸出入の金額もここのところ、前年同月などと比べると、低迷気味…。

中国の総輸出額と輸入額の月次推移(2013年11月~2016年9月)

※中国国家統計局公表データより、ザイFX!編集部が作成

 このような情勢からウワサされているのが、中国当局が輸出を促進し、経済の底上げを図るために、あえて中国人民元安を容認しているのではないか? というものです。あえて容認しているなら、いくら中国人民元安が進んでも、そこまで積極的に介入してこないのもうなずけます。

ちょっとずつ介入して、中国人民元安をコントロール

 ただ、中国の外貨準備高を見てみると、最近も緩やかな減少傾向が続いていることがわかります。

中国外貨準備高の月次推移

※中国人民銀行公表データより、ザイFX!編集部が作成

 外貨準備高は、自国の為替の安定を図るために為替介入用資金として各国中央銀行が準備しているものですので、これが減少しているということは、ある程度の介入は行われているということを表します。

 でも、中国人民元安の流れはちっとも変わらず、むしろ加速している状況ですよね?

 あくまで推測ではありますが、これは、米国の利上げ期待や資金流出を背景とした中国人民元安が続く中、輸出促進のために容認姿勢はとっているものの、あまりにも急激な中国人民元安が進んでしまわないよう、米ドル売り・中国人民元買いの介入を適宜行い、当局が値動きをコントロールしようとしている、ということを表しているのかも。

 中国当局の思惑をまとめると、こんな感じではないでしょうか?

<中国当局の思惑>

米ドル高の影響で中国人民元安になりやすい市況だし、これを受け入れて、輸出を促進して経済の底上げを図ろう。だけど、行き過ぎは良くないから、ちょこちょこっと為替介入して米ドル高・中国人民元安の勢いを抑制すればいいか!

中国人民元のSDR入りを機に、介入は控え気味に?

 もう1つ、中国当局が大々的に為替介入をしない理由としては、当記事前半でも少し触れた10月1日(土)付で行われた中国人民元のSDR(特別引出権)構成通貨入りが挙げられそうです。

 SDRは、IMF(国際通貨基金)が加盟国の準備資産を補完する目的で創設した制度。2016年11月現在、米ドル・ユーロ・中国人民元・日本円・英ポンドの5通貨で一定の比率に基づいた通貨バスケットが構成され、SDR価格が決まっています。

 IMF加盟国には、一定の割合でSDRが配分されており、危機などで準備資金が不足した時には、仮想の準備通貨であるSDRと引き換えに、他の加盟国から外貨などを融通してもらうことができるのです。

 SDR構成通貨への加入には、「輸出額の大きさ」や「通貨を自由に取引できる」などの要件をクリアする必要があります。ある程度、中国当局が為替レートを管理する管理変動相場制を採用している中国人民元ですが、IMFは、2015年のSDR見直しの際に、中国人民元もこれらの要件を満たすと判断し、SDRの構成通貨入りを認めました。そして、2016年10月1日(日)の正式加入となったのです。

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国際通貨の仲間入り! 自由変動相場制への過渡期か

 SDR入りは、中国人民元がある種、国際通貨の仲間入りを果たしたことを意味します。「自由に取引できる」通貨ということは、当局が為替介入をしまくって為替レートをガッチガチにコントロールするワケにはいきません

 中国当局も、SDRの構成通貨入りを機に、できるだけ市場の動きに為替レートの変動を任せようとしているのではないでしょうか? その結果、今回の件で言うと、全体的に米ドル高に向かいやすい環境下で、必然的に中国人民元安が進んだとみることもできそうです。

 中国の為替市場は、今まさに管理変動相場制から米ドルや日本円などと同じ自由変動相場制へ、生まれ変わろうとしている真っ最中なのでしょう。

 直接的な要因ではないものの、中国人民元のSDR構成通貨入りという出来事も、中国当局の為替介入を控えさせ、市場の流れに沿った中国人民元安をさらに進める材料となったのではないでしょうか?

実は、2014年初頭から中国人民元安は続いている

 ここまで、2016年10月頃からスピードが急になった中国人民元安の原因についてあれこれ推察してきましたが、そもそも対米ドルでの中国人民元安が始まったのは、もっと前の2014年初頭でした。

 それまでは長い間、中国人民元高・米ドル安傾向が続いていたのですが、ここで明らかにトレンド転換しています。2014年初頭に何が起こったのでしょうか?

米ドル/中国人民元 月足
米ドル/中国人民元 月足

(出所:CQG)

 この頃は、2014年1月のアルゼンチンペソの大暴落に代表されるように、米国のテーパリング開始に伴う新興国通貨の急落が話題になっていた時期です。

 実際には、2013年5月のバーナンキFRB議長(当時)の「テーパリング始めます」宣言以降、米利上げを目前にした資金流出懸念から新興国通貨は下落基調にあり、マーケットでは全体的に米ドル高が進みました。

【参考記事】
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トルコが政策金利を4.25%上げて12%に! 暴落していたトルコリラが一転、急上昇!
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米ドル高につられて中国人民元上昇! ついに切り下げへ

 米ドルの上昇に伴い、管理変動相場制で、ほぼ米ドルに連動するような格好で管理されている中国人民元は、日本円など米ドル以外の通貨に対してグイグイ上昇していきました。

中国人民元/円 月足
中国人民元/円 月足

(出所:CQG)

 結果的に、中国人民元高は輸出で不利に働き、中国経済を圧迫…。その後、2015年8月には、中国人民銀行は中国人民元の実質的な切り下げを行いました。これは中国の輸出テコ入れ策として行われたという見方が多いようです。そして、そこから米ドルを含め、主要通貨に対して本格的な中国人民元安が始まったのです。

【参考記事】
中国人民銀行はなぜ人民元安に誘導したのか? 人民元を取引できるFX会社はどこ?
田代尚機氏に聞く中国経済(2) 世界同時株安の背景に中国の米国債大量売り懸念

 中国国内からの資金流出が顕著になってきたのも、この頃から。そして、マーケットの中国市場に対する警戒感が高まり、あのチャイナショックにつながったワケです…。

【参考記事】
中国発のリスク回避強まり世界同時株安! 南アランド/円は乱高下、一時10%超暴落!
田代尚機氏に聞く中国経済(1)上海株の暴落は中国経済減速が原因ではない!

 2016年10月頃から対米ドルでの中国人民元安が加速しているのは事実ですが、長期的なトレンドで見ても、ここ3年弱は中国人民元安トレンドが続いてきたことが確認できましたね。そう、傾向自体は今に始まったことではないのです…。

これからも中国人民元安は続くと考えるのが素直か

 ということで、長々とお伝えしてきましたが、始めの方の話なんてもう忘れちゃった! という方のために、ここまでの話のポイントをざっくりまとめておきましょう。

<米ドル/中国人民元相場のポイント>

・ 2016年10月頃から、米ドル/中国人民元で米ドル高・中国人民元安が加速している

・ 対米ドルでの中国人民元安が始まったのは2014年初頭からで、2015年8月の実質的切り下げ以降、チャイナショックを経て本格化した

・ 直近は、米利上げ期待に加え、米大統領選でのトランプ氏勝利に伴って全体的な米ドル高に拍車がかかっている。さらに、最大45%の関税をかけるという過激なトランプ発言は、中国人民元安方向へ動く要因に

・ 中国では経済の減速を懸念した国外への資金流出が続いており、最近は、さらに増加している。これが中国人民元安の根本原因ではないか?

・ 中国当局は、景気対策のため輸出を促進するべく、中国人民元安をある程度容認しているっぽい。これも、中国人民元安を後押しする材料に

・ 中国当局はSDR入りを機に、市場の自然な値動きに為替レートの変動をある程度任せようとしているっぽい。これも、中国人民元安を後押しする材料に

・ 中国当局は、米ドル高・中国人民元安が行き過ぎないよう介入し、適宜コントロールを図っているっぽい

 推測の部分も多々ありましたが、今回取り上げたことが事実だとしたら、これから先もしばらくは、中国人民元安傾向が続く可能性はありそうです。

 しかも、行き過ぎないように為替介入でコントロールしてくれるなんて、米ドル買い・中国人民元売りの取引をすれば、結構、安定した運用益が望めるかも!?なんて思ってしまう…。もちろん、どんなものでも相場の先行きに絶対はありませんが…。

米ドル/中国人民元を取引できるのは、この会社!

 ということで、最後に、当記事で掘り下げてきた米ドル/中国人民元の取引ができるFX会社をチェックしておきましょう。

 中国人民元/円なら、楽天証券外為どっとコムを始め、わりと国内のFX会社でも取り扱っているところがあるのですが、対米ドルとなると一気に少なくなります。対円の取引ができるFX会社は、以下の【参考コンテンツ】でチェックしてくださいね。

【参考コンテンツ】
FX会社おすすめ比較:中国人民元/円が取引できる会社

 米ドル/中国人民元の取引ができるFX会社については、国内の有名どころだと、サクソバンク証券IG証券デューカスコピー・ジャパン、あとはゲインキャピタル・ジャパンアヴァトレード・ジャパンなどの外資系FX会社が挙げられます。

米ドル/中国人民元の取引ができるFX会社

(※)スプレッドはすべて、例外あり。各の社ウェブサイトやデモ取引画面、本番取引画面などにてザイFX!が調査

独自ECNのあのFX会社のスプレッドが良い感じ?

 メジャーな通貨ペアではありませんので、米ドル/円などと比べるとスプレッドが広いのは想像がつきますが、比べてみると各社で結構、差がありますね。外枠の手数料が別途かかってはくるものの、スプレッドが一番狭そうなのは、デューカスコピー・ジャパンでしょうか。

デューカスコピー・ジャパン新規注文画面
デューカスコピー・ジャパン新規注文画面

 スイスの金融機関、デューカスコピー・バンクを親会社に持つデューカスコピー・ジャパン。高い流動性を誇る独自の「ECN」(電子商取引ネットワーク)で取引ができるということで、以前から大口トレーダーやスキャルピングが得意な上級者などの間では、ちょっと知られたFX会社だったそう。

 原則固定スプレッドではありませんが、主要通貨ペアのスプレッドも結構良い水準ですので、まだ口座をお持ちでない方は、この機会にチェックしてみてください。

【参考記事】
FX超上級者は以前から知っていたらしい!大口取引もスイスイできる独自ECNの会社

デューカスコピー・ジャパンのウェブサイト
デューカスコピー・ジャパンのウェブサイト

 なお、米ドル/中国人民元のスワップ金利についても各社で状況に結構、差がありますが、ご紹介したデューカスコピー・ジャパンのスワップ金利は、比較的、「売りポジションで受け取り・買いポジションで支払い」というところで安定していそうです。

 米ドル/中国人民元は特殊な通貨ペアだけに、取扱い会社によっては、売り買いどちらも支払いとなっているケースもありますので、取引の際は注意してください。

 米ドル/中国人民元を取引できるFX会社は限られていますし、スプレッドやスワップ金利の水準をきちんと確認しておいた方が良いという注意事項はありますが、それでも取引できるFX会社は数社あります。興味が湧いた方は、各社のウェブサイトでスペックなどの詳細を確認してみてくださいね。

(ザイFX!編集部・向井友代)

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