利上げ期待高まって上昇した米ドル/円。
けれど、115円手前で失速した理由とは？

2017年02月16日(木)15:19公開 (2017年02月16日(木)15:19更新)

今井雅人

■経済指標も早期利上げ期待を後押し

15日（水）も、重要な経済指標が発表されました。まず、１月の米国の消費者物価指数は前月比0.6％、前年同月比2.5％の上昇となりました。前月比としては、３年11カ月ぶりの高水準、前年同月比としては、約５年ぶりの高水準となっています。

米消費者物価指数・前月比（単位：％）

米消費者物価指数・前年同月比（単位：％）

２つ目は１月の米国の小売売上高ですが、前月比0.4％の増加、前年同月比では5.6％の増加と、強い数字になりました。

米小売売上高・前月比（単位：％）

物価、小売が両方とも強かったことで、さらに早期利上げ期待が高まりました。実際、この数字を受けて、ＪＰモルガン・チェースやゴールドマン・サックスなどの大手金融機関も、利上げ予想を前倒し修正しました。

15日（水）のＮＹ市場では、これで米ドルがもっと上昇しても良かったのですが、米ドル/円は114.958円まで上昇したものの、115円手前で失速。その後、113円台後半まで下落する展開になってしまったのは、少し意外感がありました。

どうやら、115.00円に大量のオプションがあって、短期筋が買い仕掛けをしたのをブロックしてしまい、買い手が投げさせられてしまったということのようです。

米ドル/円 15分足

（リアルタイムチャートはこちら → FXチャート＆レート：米ドル/円 15分足）

今週末２月17日（金）には、このオプションもかなり行使期限が来るようですので、その後、米ドルが上昇する可能性は高いのかなと考えています。

ただ、最初に申し上げたとおり、日米の為替政策については先送りされただけであるので、今後、突然米国サイドから円安についての牽制発言があるかもしれないという懸念は消えてはいません。

米ドル/円の上昇も、ゆっくりになるのではないかと思っていますが、いずれ、120円を目指すようになる展開、という見方は維持しておきます。

米ドル/円日足

（出所：Bloomberg）

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