■ドラギ総裁への期待後退でユーロクロスは反落
高値圏でもみあっていたユーロクロスですが、マーケットの次の注目は来週(8月21日~)、24日(木)~25日(金)に開催される、ジャクソンホールでの経済シンポジウム。
8月24日(木)には、ECB(欧州中央銀行)のドラギ総裁の講演も予定されており、マーケットの注目を集めていました。
ところが、16日(水)の欧州市場では、以下のロイターの報道で、ユーロクロスは調整色を深めます。
ECB総裁、ジャクソンホールで政策の手掛かり示さず=関係筋
欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は、米ワイオミング州ジャクソンホールで開かれる米カンザスシティー連銀主催の年次シンポジウムでの25日の講演で、金融政策に関する新たなメッセージは打ち出さない。関係筋が明らかにした。
ECBの報道官は、ダイナミックなグローバル経済の促進というシンポジウムのテーマに焦点を当てると説明した。
関係筋は、7月のECB理事会での合意に沿って総裁は政策に関する議論は秋まで控えたい意向と明らかにした。
ドラギ総裁のジャクソンホールでの発言がECBの資産買い入れ縮小に関する議論の実質的なスタートになるとの期待がここ数週間、市場で高まっていた。
しかし関係筋は「金融政策に関する重要な講演になるとの期待は間違いだ」と指摘した。
出所:ロイター
一部のマーケット参加者は来週、8月24日(木)のジャクソンホールでのドラギ総裁のコメントがかなりタカ派なものになるという期待をもっていたのですが、それを打ち消すコメント。
8月16日(水)のマーケットでは、再び130.40円まで上昇していたユーロ/円ですが、一気に129.52円まで下落。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 1時間足)
ユーロ/英ポンド、ユーロ/スイスフランも反落。
ユーロ/豪ドルは、あっという間に150pips超急落。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロVS世界の通貨 1時間足)
この報道により、マーケットはユーロ/円の130~131円という強烈なレジスタンスをブレイクするのがさらに困難となり、ユーロ/円を筆頭とするユーロクロスは調整局面入り。
このところの短期筋のポジションは、ユーロロングと円ショートが目立っており、このポジションの巻き戻しを想定すると、ユーロ/円の調整幅は深くなりそう。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 日足)
ドルインデックスの反発とジャクソンホールへの期待後退で、反落に転じたユーロ/円の動向に注目です。
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