■英ポンド/円は節目の148円をブレイクし、上値余地が急拡大
今月(9月)初旬から、じわじわと値を下げていたユーロ/英ポンドですが、先週(9月11日~)後半に0.9000ポンドを割り込んで急落。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/英ポンド 4時間足)
きっかけになったのが、9月14日(木)のBOE(イングランド銀行[英国の中央銀行])の金融政策委員会がタカ派だったこと。
声明文で「今後数カ月で金融緩和の巻き戻しが適切になると判断している」と言明したことから、ユーロ/英ポンドは急落しました。
【参考記事】
●10月解散総選挙とトランプ来日で円安へ!? 英ポンド急騰! でもまだ上昇余地あり?(9月18日、西原宏一&大橋ひろこ)
このユーロ/英ポンドの急落が、ユーロ/円の上昇を緩和。
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逆に、英ポンド/円が急騰しました。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/円 4時間足)
以下は、英ポンド/円の週足チャートです。
(出所:Bloomberg)
英ポンド/円は148円台ミドル(148.46円=2016年12月15日高値)が重要なレジスタンスだったのですが、それが決壊すると、あっさり150円台を回復。一時152.18円まで急騰しています。
加えて注目すべきは、週足・一目均衡表の雲の位置。
今年(2017年)の春先から英ポンド/円は、クローズベースでは週足の雲の中におさえこまれていました。
ところが、先週(9月11日~)の急騰で、雲の上限をクリアに突破したことから上値余地が大幅に拡大。
ハードBrexit(英国のEU離脱)懸念を背景に、マーケットには、まだ英ポンドショートが多数残存していると見られており、英ポンド/円は160円に向けて続伸中。
(出所:Bloomberg)
■英ポンド/円の動向が米ドル/円続伸のカギを握る…
このコラムで何度かご紹介させていただいたとおり、2015年から2016年にかけてBrexitという歴史的イベントを材料に、英ポンド/円は195円から121円と約75円大暴落。
この影響は米ドル/円にも大きな影響を与え、125円から99円まで急落しています。
【参考記事】
●EU離脱ショックで英ポンド暴落! 米7月利下げ観測も浮上! ドル/円、次は95円へ(2016年6月24日、西原宏一)
●英中銀が利下げ予告!英不動産ファンドの解約増でポンド/円は120円への下落過程(2016年7月7日、西原宏一)
今回148円をブレイクした英ポンド/円が160円に向けて上昇を続けるとすれば、108円でボトムアウトした米ドル/円の上昇を押し上げる要因になる公算は大きい。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
重要なレジスタンスである148円を上抜けて続伸する英ポンド/円と、108円でボトムアウトした米ドル/円の行方に注目です。
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