■為替市場は全体的な米ドル安
この1週間、為替市場では全体的に米ドル安が進行しました。
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特に、一時、114円台まで上昇していた米ドル/円は、111円台前半まで下落しました。
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■米ドル/円が下落した2つの要因とは?
その原因の1つとなっているのが、日本株の伸び悩みです。日経平均は一時、2万3000円を上回る展開となった後、上昇トレンドが終わり、現在は2万2000円台半ばの推移となっています。
【参考記事】
●上抜けたはずのドル/円が失速した理由は? 難しい局面はポジティブキャリーで対処を!(11月9日、今井雅人)
(出所:Bloomberg)
日経平均が高値圏で乱高下したことを嫌気して、米ドル/円も反落したという面がありました。
さらにもう1つの理由は、米国の長期金利がなかなか上昇しないことです。米国債の10年物利回りも、2.3%台で膠着してしまいました。
【参考記事】
●米ドル安は投機的な動き?構造的な問題? 米ドルの運命を左右するものとは…!?(11月24日、陳満咲杜)
(出所:Bloomberg)
■来年の米利上げペースはかなり緩慢になるかも…
そんな中、11月22日(水)に、10月31日(火)~11月1日(水)開催分のFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録が発表されました。
その議事録の中では、「今後入手する情報で中期的な見通しがおおむね変らなければ、FF(フェデラル・ファンド)金利誘導目標レンジのもう一段の引き上げが近い将来に正当化される可能性が高いと、多くの参加者は判断した」と書かれており、12月の利上げはほぼ確実なことが確認されました。
しかし、それ自体は、ほぼ市場に織り込み済みであったために、市場への影響は、ほとんどなかったといってよいと考えています。
一方、議事録の中にあった「多くの参加者は低インフレについて一過性の要因だけではなく、より持続性のある状況の影響を反映している可能性がある」という表現は、来年以降の利上げのペースがかなり緩慢になるのではないかという印象を市場関係者に与えました。
ほぼ時期を同じくして、イエレンFRB(米連邦準備制度理事会)議長が講演の中で同様の発言をしたことが、より印象を強くさせる要因となりました。
その結果、市場は米ドル安という反応をし、米ドル/円は直近のサポートレベルを下に抜けて、一気に111円台前半まで下落。ユーロ/米ドルは、一気に1.18ドル台に上昇し、ユーロ高・米ドル安が進行しました。
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実は、米ドル/円に関しては、112.00円から…
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