■調整後の米ドル/円のステージは100円へ
ここで、米ドル/円の推移をテクニカルで確認しておきます。以下は、米ドル/円の週足チャートです。
(出所:Bloomberg)
アベノミクスによりマーケットが活況を呈していた2015年6月に、米ドル/円は125.86円という高値に到達。
その後、この高値とトランプラリーの高値である118.66円を結んだ抵抗ラインを形成しており、これが強烈なレジスタンスとなって機能しています。
2017年の米ドル/円相場は、再三にわたり、このレジスタンスブレイクにトライするものの、すべて失敗しています。
一方、2016年11月の米大統領選当日の安値から引いたラインがサポートとしてワークしており、2017年の米ドル/円はこのレジスタンスとサポートラインに阻まれた形で、じわじわと狭いレンジへと押し込まれていきます。
それが2018年1月、このサポートラインが決壊して、米ドル/円は急落。
昨年(2017年)安値の107.32円をあっさりブレイクした米ドル/円は、2月16日(金)には、一時105.55円まで急落しています。
繰り返しになりますが、米ドル/円の105円台というのは、筆者も含め、多くのマーケット参加者が米ドル安の節目として意識してきたレベルで、日足ベースではボトムアウトしています。
(出所:Bloomberg)
ただ、この週足ベースでのチャートでは、長期間にわたって米ドル/円をサポートしてきたラインをブレイクしており、上値が限定的であることを示唆しています。
調整後、仮に105.00円を割り込むと、次のサポートは100.00円となります。
【参考記事】
●米ドル/円はターゲットの105円に急接近! 米長期金利上昇、株安継続なら100円も!?(2月15日、西原宏一)
(出所:Bloomberg)
他の市場に視点を移すと、今回の「株安・円高」を牽引してきた米10年債利回りですが、2月21日(水)には、一時2.95%と続伸中。
(出所:Bloomberg)
つまり、債券バブルはすでに終了しており、「米金利の上昇は止まらず、呼応して株安、円高が続く」可能性が高いと想定しています。
2018年に入り、米ドル/円は一気に105円台まで急落。現在は、いったん調整に入るも、ボラティリティが高まってきた米ドル/円は、105円割れを示現する可能性が濃厚。
ボラティリティの高まりにより、昨年(2017年)の膠着相場から解き放たれ、値動きが良くなった米ドル/円相場に注目です。
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