■ECBは3月か4月に政策転換のメッセージ!?
2つ目は、EU(欧州連合)です。
1月25日(木)に開催されたECB(欧州中央銀行)定例理事会の議事要旨が2月22日(木)に公表されましたが、その中に重要なことが書いてありました。
理事会メンバーの多くは、「必要ならば債券購入プログラムを延長・拡大する用意があるとの文言を削除してよい」という考え方でしたが、最終的に、「そのような変更はまだ妥当ではない」との結論に至りました。
今後は、「インフレの動向を見ながら、段階的に進めていく」としています。
つまり、今回は引き締めに向けての政策転換のメッセージを出すことはやめて、先送りしようと決めたということです。
今年(2018年)に入ってから、ECBが金融引き締めに転換するという観測からユーロ買いが進んだのですが、それに水を差す内容になっているということです。
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ただ、議事要旨をさらに読んでいくと、2018年の前半には、何らかの判断が出てくるようにも読めるので、こちらについては3月や4月に、政策転換のメッセージが出てくる可能性は高いということではないかと思います。
しばらく、ユーロは上昇していくような流れにはならないかもしれませんが、春先にはまた、ユーロ高に向かっていく可能性が十分にあるということではないかと考えています。
■しばらくは現状の円高水準。米ドル/円はレンジ入りか…
以上の新しい材料を加味しても、米ドル/円、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)とも、しばらくは現状の円高水準で低迷する可能性が高くなってきたと考えられます。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 日足)
米ドル/円も、106円台から108円台あたりのレンジに入ってきたのではないでしょうか。
(出所:Bloomberg)
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