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仮想通貨交換業者の行政処分と住所に
関係あり!? マウントゴックスの呪いとは!?

2018年03月12日(月)20:45公開 (2018年03月12日(月)20:45更新)
ザイFX!編集部

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■金融庁が行政処分! 顧客資産の私的流用もあった

 2018年3月8日(木)、金融庁は、金融庁登録済みの仮想通貨交換業者2社と金融庁に登録申請中の、みなし仮想通貨交換業者5社に対し、行政処分を行った。これは当コーナーですでにお伝えしたとおりだ。

【参考記事】
金融庁がみなし業者含む7社に行政処分。コインチェックの月間取引高は約4兆円!?

 2018年1月のコインチェックが起こした仮想通貨流出事件以降、金融庁は仮想通貨交換業者に対する監視の目を強めていることがうかがわれたが、ついにそれが一挙7社の行政処分という形になって表れたのだ。

 これで、みなし仮想通貨交換業者であるコインチェックには2回目となる行政処分が下された。その他の会社では経営管理態勢が不十分、システム障害が多発、利用者財産の不適切な分別管理といったことが行政処分の理由として挙げられていたが、なかには顧客資産の私的流用をしていた会社もあった。

 FX業界の黎明期などにも、顧客資産の私的流用を行ってしまうFX会社は見られたところで、どこでもそういうことをやる会社は存在する、ということだろうか。

 仮想通貨がいくら先進的で信頼性の高いプロトコルを採用していても、自分が使っている仮想通貨交換業者が顧客資産の私的流用を行っていては元も子もない。

いくらブロックチェーンがすばらしい技術であったとしても、仮想通貨を取引するなら、いったいどの業者を信頼したら良いのかという実に素朴な問題と無関係ではいられないのだ。

 しかし、これを判断するのがなかなか難しい。

【参考記事】
なぜ、仮想通貨の盗難はあとを絶たない? 仮想通貨はどうやって管理するのが安全か?

■行政処分と住所に関係あり!?

 みなし仮想通貨交換業者とは、改正資金決済法(通称・仮想通貨法)の施行時の経過措置として設けられたもの。仮想通貨交換業者は2017年9月30日までに金融庁へ登録申請を行えば、正式に登録が完了しなくても、登録の可否が出るまでは営業ができる。これがみなし仮想通貨交換業者だ。

【参考記事】
資本金わずか1000万円。金融庁登録がある仮想通貨交換業者は100%安全なのか?

 先ほど述べたとおり、今回金融庁から行政処分を受けたみなし仮想通貨交換業者は5社あった。そのすべての会社に業務改善命令が出されているが、うち2社にはより厳しい業務停止命令も出されている。

 また、金融庁の厳しい追及に恐れをなしたのか(?)、今回、金融庁への登録申請を取り下げたと報じられた会社も3社あった。うち1社は行政処分を下された上で、登録申請を取り下げたようだ。

 結局、行政処分、登録申請取り下げのどちらかの対象となったみなし仮想通貨交換業者は計7社ということになる。

 この7社には単純なある傾向があった。

 筆者は先ほど「仮想通貨交換業者はいったいどの業者を信頼したら良いのか、なかなか難しい」ということを書いたが、もしかしたら、その判断のヒントになるような傾向があったのである。

 それは住所だ。

■「行政処分など」は「住所が東京都以外」の会社に多い

 以下は全みなし仮想通貨交換業者の一覧表だ。社名、資本金、住所、そして、一番右の「行政処分など」という項目には、行政処分の内容もしくは申請取り下げを記載している。

<みなし仮想通貨交換業者一覧>
仮想通貨
交換業者名
資本金 住所 行政処分など
(日付)
株式会社
CAMPFIRE
11億6000万円 東京都渋谷区
渋谷2-22-3
渋谷東口ビル5階
コインチェック
株式会社
9200万円 東京都渋谷区
渋谷3-28-13
渋谷新南口ビル3階
業務改善命令
(1/29・3/8)
株式会社
エターナルリンク
7500万円 東京都中央区
日本橋茅場町2-7-6
晴花ビル6階
株式会社
LastRoots
6000万円
(クラウドファンディングで
6.3億円調達)
東京都港区
六本木5-5-1
六本木共同ビル7階
みんなのビットコイン
株式会社
3000万円 東京都港区
浜松町1-10-14
住友東新橋ビル
3号館7階
バイクリメンツ
株式会社
3000万円 東京都港区
六本木2-2-6
六本木福吉町ビル
202
業務改善命令
(3/8)
Payward Japan
株式会社
3000万円 東京都千代田区
麹町3-5-2
株式会社
deBit
2000万円 東京都渋谷区
道玄坂1-22-9
AD-O渋谷道玄坂
10階
株式会社BMEX 1000万円 東京都港区
西新橋2-4-3プロス
西新橋ビル6階-602
東京ゲートウェイ 
株式会社
不明
(ウェブサイトに
記載なし)
東京都新宿区
高田馬場3-12-2
高田馬場OCビル4階
FSHO
株式会社
3000万円 神奈川県横浜市西区
高島2-10-13
業務停止命令/
業務改善命令
(3/8)
ビットステーション
株式会社
不明
(ウェブサイトに
記載なし)
愛知県名古屋市中区
丸の内1-17-31
清原名古屋ビル8階
業務停止命令/
業務改善命令/
申請取り下げ
(3/8)
ブルードリーム
ジャパン株式会社
1500万円 岐阜県岐阜市
長住町9-11
TANAKAビル2階
株式会社
来夢
1000万円 三重県鈴鹿市
住吉町5769-9
申請取り下げ
(3/8)
株式会社ミスター
エクスチェンジ
1000万円 福岡県福岡市博多区
博多駅前4-2-20
博多駅前C-9ビル
8F-C
業務改善命令
(3/8)
株式会社
bitExpress 
4000万円 沖縄県那覇市
辻2-4-10
申請取り下げ
(3/8)

※金融庁のウェブサイトや各仮想通貨交換業者のウェブサイトに記載された情報を基にザイFX!が作成(2018年3月12日現在)

 この一覧表を見ると、「行政処分など」が下の方に行くほど多いことがわかるだろう。

 では、この表の上下はどのような順番に並べているかというと、まず、上の方には住所が東京都の会社を10社並べた。そして、この10社は資本金の多い順に記載している。

 そして、下の方には住所が東京都以外の会社を6社並べた。こちらはおおよそ北から順に並べている。

 そして、住所が東京都か東京都以外かで分類して、この表の「行政処分など」の項目に記載のある会社の割合を算出すると、以下のとおりとなる。

・住所が東京都…全10社中2社。割合は20%
・住所が東京都以外…全6社中5社。割合は83%

 明らかに住所が東京都以外の会社の方が非常に高い確率で行政処分が下されたか、登録申請を取り下げているのだ。

■仮想通貨交換業者は東京にある必要があるのか?

 仮想通貨に国境はない。

 日本の首都・東京から仮想通貨を送金すれば、アフリカ大陸最南端の喜望峰であろうが、南米アマゾン川の源流であろうが、世界最高峰エベレストの頂上であろうが、世界最深・マリアナ海溝の最深部であろうが、世界中どこにいる人の元でも短時間のうちにその仮想通貨は届くはずである(そこにインターネットがあれば。さらに送金詰まりがなければ)。

 ならば、仮想通貨交換業者が東京にある必要はないのかもしれない。たとえば、イケダハヤト(イケハヤ)さんの住む高知県にあったっていいはずである。

 とはいえ、実際問題として、仮想通貨交換業を本気で拡大させていこうとしたら、人材を獲得するにしても、広告代理店などと打ち合わせるにしても、東京を中心とした都会の方が何かと便利ではないかと想像される。

 FX業界でも東京都以外にある有力FX会社というと、大阪府にあるヒロセ通商ぐらいしか現在は思い浮かばない(※)。残りのほとんどすべてのFX会社はおそらく東京都にあるのではないだろうか。

(※念のために書いておくと、ヒロセ通商は東京都にないからダメというわけではない。ヒロセ通商は上場もしているし、ファンの多い立派なFX会社だ)

■住所も仮想通貨交換業者の信頼性を推し測る材料になるかも

 今回の金融庁発表より前に、筆者はみなし仮想通貨交換業者などについて取り上げた記事の中で、以下のように書いていた。

 このようにみなし仮想通貨交換業者の中には筆者も「知っている顔」が含まれてはいるものの、「ナゾ」と感じられる会社が多いのも事実(あくまで個人の感想にすぎないが…)。

 みなし仮想通貨交換業者には三重県、愛知県、岐阜県、福岡県、沖縄県など首都圏以外に位置する会社が結構あるのも目を引いた(別に仮想通貨交換業者が首都圏に位置しなければならないという法律があるわけではないが…)。

【参考記事】
資本金わずか1000万円。金融庁登録がある仮想通貨交換業者は100%安全なのか?

 みなし仮想通貨交換業者に首都圏以外の会社が結構あることが、以前記事を書いた時点でも気になっていたのだが、それは筆者が感じていた以上に、重要なポイントだったのかもしれない。

 さらにこの住所を見ると、末尾が「202」とか「602」といったようにマンションの一室なのでは?と思わせるようなものがある。現場で確認したわけではないので正確にはわからないが、個人の感想を述べれば、このような業者に口座を開くことには不安を感じる。

住所という単純な情報も、仮想通貨業界においては、その業者の信頼性を推し測る材料の1つになるかもしれないのだ。

■正式に登録された仮想通貨交換業者の住所は?

 では、金融庁に正式に登録された仮想通貨交換業者の住所はどうなっているだろう?

 それをまとめたのが以下の一覧表だ。

 こちらは先ほどの、みなし仮想通貨交換業者の一覧表と同じように、最初は住所が東京都の会社を資本金順に並べた。そして、その下に住所が東京都以外の会社を北から並べた(同じ都道府県の会社は資本金順に並べた)。

<仮想通貨交換業者一覧>
登録
番号
仮想通貨
交換業者名
資本金 住所 行政処分など
(日付)
関東
財務局長
第00009号
株式会社ビット
ポイントジャパン
44億
3000万円
東京都港区
六本木3-2-1
住友不動産六本木
グランドタワー36階
関東
財務局長
第00003号
株式会社
bitFlyer
41億
238万円
東京都港区
赤坂9-7-1
ミッドタウン・タワー8階
関東
財務局長
第00001号
株式会社
マネーパート
ナーズ
31億円 東京都港区
六本木3-2-1
住友不動産六本木
グランドタワー33階
関東
財務局長
第00002号
QUOINE
株式会社
約20億円 東京都千代田区
平河町2-7-3
PMO平河町2階
関東
財務局長
第00006号
GMOコイン
株式会社
17億
5800万円
東京都渋谷区
桜丘町20-1
渋谷インフォスタワー
業務改善
命令
(3/8)
関東
財務局長
第00010号
株式会社
DMM Bitcon
12億
9000万円
東京都中央区
日本橋2-7-1
東京日本橋タワー10階
関東
財務局長
第00004号
ビットバンク
株式会社
11億
3100万円
東京都品川区
五反田7-20-9
KDX西五反田ビル7階
関東
財務局長
第00005号
SBIバーチャル・
カレンシーズ
株式会社
9億
8000万円
東京都港区
六本木1-6-1
泉ガーデンタワー
関東
財務局長
第00008号
BTCボックス
株式会社
1億
6516万円
東京都中央区
日本橋茅場町
2-8-1BRICK 
GATE茅場町5階
関東
財務局長
第00007号
ビットトレード
株式会社
1億
100万円
東京都港区
三田2-11-15
三田川崎ビル4階
関東
財務局長
第00011号
株式会社ビット
アルゴ取引所東京
1000万円 東京都渋谷区
千駄ヶ谷1-3-2
東京エステートビル4階
関東
財務局長
第00013号
株式会社BIT
OCEAN
1000万円 東京都墨田区両国
2-20-12-507号
LSP両国
関東
財務局長
第00012号
エフ・ティ・ティ
株式会社
1000万円 神奈川県横浜市中区
常盤町2-11
KY常盤町ビル4階
近畿
財務局長
第00002号
テックビューロ
株式会社
(取引所の名称は
「Zaif(ザイフ)」)
27億
5513万円
大阪府大阪市西区
西本町1-4-1
オリックス本町ビル4階
業務改善
命令
(3/8)
近畿
財務局長
第00001号
株式会社フィスコ
仮想通貨取引所
3億
8706万円
大阪府岸和田市
荒木町2-18-15
近畿
財務局長
第00003号
株式会社Xtheta 6000万円 大阪府大阪市中央区
南船場3-11-18
郵政福祉心斎橋ビル204

※金融庁のウェブサイトや各仮想通貨交換業者のウェブサイトに記載された情報を基にザイFX!が作成(2018年3月12日現在)

 そして、金融庁登録のある仮想通貨交換業者で今回、行政処分を受けたのは東京都渋谷区にあるGMOコインと大阪府大阪市西区にあるテックビューロ(取引所名はZaif)の2社。

 これで先ほどの、みなし仮想通貨交換業者と同じように「行政処分など」の項目に記載のある会社の割合を住所が東京都か東京都以外かで分けて算出してみると、以下のとおりになる。

・住所が東京都…全12社中1社。割合は8%
・住所が東京都以外…全4社中1社。割合は25%

 行政処分を受けたのは2社だけと少ないので、このような数字を算出することにどれだけ意味があるかわからないが、とはいえ、やはり東京都以外の住所の方が「行政処分など」を受けた割合は高いという結果になった(ただ、みなし仮想通貨交換業者ほど際だった違いにはならなかった)。

 ちなみに、以前書いた記事で、筆者は資本金もその業者の信頼性を推し測る参考になるのではないかといった感じのことを書いたが、今回行政処分を受けたGMOコインとテックビューロは現状、仮想通貨交換業者の中では資本金が多い方であり、この一覧表の中では、行政処分と資本金にそれほど明確な傾向があるとは言えなさそうだ。

【参考記事】
資本金わずか1000万円。金融庁登録がある仮想通貨交換業者は100%安全なのか?

 ただ、先ほど挙げたみなし仮想通貨交換業者の一覧表では、資本金が少なかったり、不明だったりする会社ほど「行政処分など」を受けやすいといった傾向がある程度、見られるように思える。

■東京都渋谷区にはマウントゴックスの呪いがある!?

 ここまで仮想通貨交換業者の「住所が東京都以外」であることをネガティブに書いてきてしまったが、「住所が東京都」の会社にもちょっと不思議な傾向がある。

 それは東京都渋谷区に問題の起こった会社が多いということだ(ここからはややオカルティックな話になることをお断りしておく)。

仮想通貨流出事件を起こし、2回に渡る行政処分を受けたコインチェックは東京都渋谷区にある。そして、今回行政処分を受けたGMOコインも東京都渋谷区にあるのだ。

渋谷は仮想通貨交換業に限らず、IT系企業の多い街であり、有名なIT系企業がたくさんある。単に会社が多いから、行政処分を受けた会社も多くなった、というだけのことかもしれない。

 けれど…

 以下の一覧表には仮想通貨交換業者、みなし仮想通貨交換業者、そして、2014年に破綻した、あのマウントゴックス(株式会社MTGOX)も入れてある。マウントゴックスは東京都渋谷区に位置していたのだ。

<東京都渋谷区にある仮想通貨交換業者一覧>
登録
番号等
仮想通貨
交換業者名
資本金 住所 行政処分など
(日付)
関東
財務局長
第00006号
GMOコイン
株式会社
17億
5800万円
東京都渋谷区
桜丘町20-1
渋谷インフォスタワー
業務改善
命令
(3/8)
関東
財務局長
第00011号
株式会社ビット
アルゴ取引所東京
1000万円 東京都渋谷区
千駄ヶ谷1-3-2
東京エステートビル4階
みなし
業者
株式会社
CAMPFIRE
11億
6000万円
東京都渋谷区
渋谷2-22-3
渋谷東口ビル5階
みなし
業者
コインチェック
株式会社
9200万円 東京都渋谷区
渋谷3-28-13
渋谷新南口ビル3階
業務改善命令
(1/29・3/8)
みなし
業者
株式会社
deBit
2000万円 東京都渋谷区
道玄坂1-22-9
AD-O渋谷道玄坂
10階
  株式会社
MTGOX
- 東京都渋谷区
渋谷2-11-6
破綻

※金融庁のウェブサイトや各仮想通貨交換業者のウェブサイトに記載された情報などを基にザイFX!が作成(2018年3月12日現在)

 大規模な仮想通貨流出事件を巻き起こしたマウントゴックスは東京都渋谷区渋谷2丁目にあった。そして、同様に大規模な仮想通貨流出事件を巻き起こしたコインチェックは東京都渋谷区渋谷3丁目にある。マウントゴックスの近くだ。そして、今回、行政処分を受けたGMOコインも結構近いところにある。

 いずれも国道246号線(ニー・ヨン・ロク)より南の位置、渋谷の街の南寄りにあるのだ。

渋谷付近にある(あった)仮想通貨交換業者3社(クリックで拡大)
渋谷付近にある仮想通貨交換業者3社

※Google マップを使用して作成

 先ほどと同じようにこの表の「行政処分など」の項目に記載のある会社の割合を東京都渋谷区について算出してみると以下のとおりになる。

・住所が東京都渋谷区…全6社中3社。割合は50%

 これは単なる偶然なのか? それともマウントゴックスの呪い(?)なのか!? 最後は単なるネタになってしまったが、仮想通貨交換業者の住所からも、見えてくるものはあるということだ。

 東京都渋谷区のことをアレコレ書いたが、じつはザイFX!編集部も東京都渋谷区にある。ただし、国道246号線よりは北に位置している。

(文/ザイFX!編集長・井口稔 編集協力/庄司正高&堀之内智)

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