■中国高官の訪米報道でマーケットは持ち直す
ただ、マーケットは、いったん持ち直しています。
先ほども紹介したトルコリラですが、米国人牧師の釈放も近いとの観測もあり、持ち直している状況です。
(出所:Bloomberg)
明けて、本日(8月16日)の東京市場で、日経平均は、大幅安で始まったものの、「中国商務次官が貿易交渉で8月末に訪米する」との報道で上昇。豪ドル/円中心に、クロス円は反発しています。
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中国商務次官、訪米へ 閣僚級貿易協議の再開探る
中国商務省は16日、王受文商務次官が8月下旬に訪米し、貿易摩擦を巡ってマルパス米財務次官(国際問題担当)と事務レベルで協議すると公表した。
出所:日経新聞
米中貿易戦争は、両国の株価(つまり、米国株の上昇と上海総合指数の急落)から考えれば、圧倒的に米国有利で進んでいるわけですが、こうした交渉では、両国のメンツも重要であり、中国商務次官の訪米は、米国の招待によるものと中国商務省は報じています。
つまり、米国に頭を下げるわけではないと言っているわけです。
これは、トルコのエルドアン大統領のスタンスも同じです。
■中期では、リスクオフ相場が静かに進行中
現状のマーケットは、銅価格が示すように、コモディティ(商品)や新興国通貨の下落に呼応して、クロス円が下落し、リスクオフマーケットが進行しているのですが、トルコや中国サイドからのヘッドラインにより、一時的ではあるものの、急激に値を戻す局面があるのが特徴。
こうした不安定なマーケット環境下、好調な米国株の動向とは裏腹に、米10年国債利回りは上げ渋りを見せ、じり安に…。
(出所:Bloomberg)
この米10年国債利回りのじり安が、米ドル/円の上値をさらに限定的にしています。
(出所:Bloomberg)
短期では、ヘッドラインにより調整局面もありますが、銅価格が示すように、中期ではリスクオフマーケットが静かに進行する中、下値余地が拡大している豪ドル/円、NZドル/円、そして、米ドル/円の動向に注目です。
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