■材料難で金利差が効いてくる展開へ
米中貿易交渉も期限が延長され、その影響で、日米貿易交渉もかなり、後ずれしそうな気配となってきました。
注目された英国のEU(欧州連合)離脱問題も、先送りとなる可能性が、非常に濃くなってきました。
市場のかく乱要因が、当面、先送りになったことで、相場を動かす変動要因が目先、見当たらなくなってきています。
【参考記事】
●いくつもの不確定要因に変化! 緩やかな株高・円安へ。米ドル/円は買い方針継続!(2月28日、今井雅人)
こうなると、なかなか相場は動きづらいです。こういうときは、金利差が効いてくるというのは、これまで何度も紹介してきました。おそらく今回も、そういう展開になってくるでしょう。
【参考記事】
●ドル堅調でも米ドル/円はエネルギー不足。金利狙いのトルコリラ買いチャンスが到来!?(2月7日、今井雅人)
●利上げ方針変更のFOMCで米ドル全面安! でも、米ドル安は長く続かないかも…?(1月31日、今井雅人)
●米ドル/円は短期的に買われ過ぎている! でも、当面は米ドル高。押し目買い方針で(2018年10月4日、今井雅人)
■ECB理事会のポイントは?
一応の注目材料としては、3月7日(木)のECB(欧州中央銀行)理事会と、8日(金)のパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の講演あたりでしょう。
現在、EU諸国の景気状況も、やや低迷してきています。ECB理事会において、それに対する懸念が強く示された場合、ユーロはさらに、売られる可能性が出てくるでしょう。
【参考記事】
●米ドル/円は強い! 調整しても大崩れ回避!? ECB理事会でTLTROの導入はあるのか?(3月5日、バカラ村)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロVS世界の通貨 日足)
パウエルFRB議長の講演に関しては、最近、「政策金利の調整には辛抱強く様子見」などの発言が、何度も取り上げられていることから、何か新たな内容が出てくるとは考えづらく、相場への影響はそれほどないだろうと思っています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 日足)
■2018年の米ドル/円相場に手がかりが!?
そんな材料難の状況であるため、今回のコラムでは、米ドル/円相場に関して、昨年(2018年)の動きと比べて、今後の展開を考えてみたいと思います。
まず、昨年(2018年)の米ドル/円相場を振り返ってみましょう。
(出所:Bloomberg)
年初、113円台で始まった米ドル/円ですが、その後は特に大きな材料もない中、円高傾向が鮮明となり、3月には104円台まで、米ドル安・円高が進みました。
しかし、その後、相場は反転し、米ドル高・円安基調が始まりました。
そもそも、なぜ最初に円高になったのか、明確な理由もなかったので、その反動が起きたということであったと思います。
反転を始めた米ドル/円は、その後、多少の…
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