■トランプ大統領が米ドル押し下げの方策検討を指示?
米ドルに関しては、一部のマーケットで話題になったのが以下のブルームバーグの記事。
トランプ氏、ドル押し下げの方策検討指示と関係者-再選への影響懸念
クドロー国家経済会議(NEC)委員長とムニューシン米財務長官は、ドル押し下げを意図するいかなる介入にも反対だと関係者らは語った。
出所:Bloomberg
貿易赤字の縮小を狙っているトランプ政権にとって、米ドル安が有利であることは明白なので、とくに目新しいことが報道されているわけでありませんが、介入という言葉が使われていることが刺激的。
米ドル安に誘導したいということは明白ですが、では、「どうやって米ドル安に誘導するのか?」が問題になります。
トランプ大統領が毎日、米ドル安が望ましいとツイートしても、米ドルが落ちるわけではありません。
前述の記事の中にもあるように、「介入」という手段を使って米ドル安にするわけにはいきません。
結果、米金利を低めに誘導することで米ドル安に誘導することになります。つまり、FRBが連続利下げをすれば米ドル安に誘導することができます。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 週足)
それが、トランプ大統領が散々利下げをせよとツイートしている意味にもなります。
トランプ大統領の思惑がうまくいっているのか(?)、現在のFRBは当初の利上げどころか、いつの間にか利下げへと舵を切っています。
【参考記事】
●G20サミット後のリスクオン相場は一時的! ECB総裁にラガルド氏指名でユーロ/円は?(7月4日、西原宏一)
■米ドル/円は下落余地が拡大中! 目先の下値メドは104円台
米金利先物市場によれば、FRBは今年(2019年)、3回の利下げを織り込み始めています。モルガン・スタンレーの予測によれば、今月(7月)、一気に0.50%の利下げが決定されるかもしれません。
こうした米金利先物市場の動きを為替はまだ十分に織り込んでおらず、米ドル/円の下値余地は拡大中。
米ドル/円の下値メドは短期では104円台。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 週足)
米ドル/円の下落により、日本株の下落を誘発すれば、中期では100円への下落の過程に。パウエル議長の議会証言により、下値余地が拡大している米ドル/円の動向に注目です。
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