■英国とEUがついに合意!
次に、ブレグジット(英国のEU離脱)の問題です。
英国のジョンソン首相は、10月末のEU(欧州連合)離脱期限を目前に控えて、EUとの離脱協定の修正案に合意をしたと発表しました。
EU側も、サミット(首脳会議)でEU加盟国の首脳が承認したことを発表しています。
この一連の報道を受けて、英ポンドは一時、急騰しました。
【参考記事】
●大きなヤマ場を迎えるブレグジット問題! 「合意あるEU離脱」期待で英ポンド上昇(10月17日、西原宏一)
●合意ある英国のEU離脱は実現するのか? 英ポンド/米ドルの押し目買いに妙味アリ!(10月14日、西原宏一&大橋ひろこ)
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もともと、IMM(国際通貨先物市場)のポジションを見ても、投機筋の米ドルに対する英ポンドのショート(=売り)ポジションが、長期間に渡って残っていたので、そのショートカバーが一気に噴出していることが、英ポンドの急騰につながっています。
【参考記事】
●英ポンドは目先調整も、押し目買い方針。今は市場が動意づくまで待つしかないか(9月24日、バカラ村)
※CFTCのデータをもとにザイFX!が作成
■英国議会で承認されるかは不透明
これで、長らく続いたEU離脱を巡るゴタゴタも終わりかというと、そうではありません。
これから、英国議会の承認が必要になるのですが、これがうまくいくのかは、まだ不透明です。
離脱協定の修正案でEU側と合意に至ったジョンソン英首相。しかし修正案が英国議会で承認されるかは、まだ不透明な状態だという (C)Justin Sullivan/Getty Images
ドイツ銀行のストラテジストも、今週末(10月19日)に英国議会で合意が承認される確率は45%として、合意が議会を通過しない可能性のほうが高いと予想しています。
カギを握っている北アイルランドのDUP(民主統一党)も、正式に反対を表明しています。
残された48時間で、説得ができるかどうか…。10月19日(土)に開催される予定の英下院での特別審議の行方を、よく注視しておく必要があるでしょう。
【参考記事】
●英ポンドは1.30ドル? それとも1.15ドル? ここからはオセアニア通貨もおもしろそう(10月15日、バカラ村)
■しばらくは2大テーマを注視する必要あり
現状は、この2つの大きなテーマに注目が集中しているために、他の材料がほとんど無視されているような状況にあります。
米国は、EUとも航空機に関してWTO(世界貿易機関)で争い、関税措置を実施することになりましたが、こちらも今のところ、それほど話題にはなっていません。
しばらくは、上記の2つのテーマをよく見ておくことが大切です。
【参考記事】
●米中が部分合意へ!? トランプ大統領が米中貿易摩擦のヤバさに気づいた!?(10月11日、今井雅人)
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