■米長期金利が継続的に上昇すれば、米ドル高の可能性も
先週(8月10日~)は、米国で過去最高額の四半期定例入札があり、その影響で米30年物国債の価格が下がった結果、米長期金利(10年物国債利回り)は上昇しました。

(出所:TradingView)
金利の上昇は、あくまでも一時的な動きだと思いますが、これが継続的に上昇するようであれば、米ドル売りポジションが巻き戻されて、米ドル高になる可能性が出てきます。
長期金利の上昇がさらに続けば、悪いインフレとして米ドル売りにもなりますが、今は米ドル売りポジションに偏っているため、米長期金利の上昇で米ドル高に反応することになるのではないかと思います。
■バフェット氏の金鉱株購入、長期的な米ドル安を想定!?
市場では、著名投資家のウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイが、金鉱山大手の株式を購入したことが話題となっています。
バークシャー・ハサウェイの規模からすると、購入金額は大きな金額ではないようですが、これまでバフェット氏は、ゴールド(=金)への投資に対して否定的だったにも関わらず、金鉱株を購入したということは、ゴールドの上昇を見越しているとも取れる動きです。

写真は著名投資家のウォーレン・バフェット氏。バフェット氏はこれまで金への投資に否定的な見方をしていたが、同氏が率いるバークシャー・ハサウェイが金鉱山大手の株式を購入したため、市場では大きな話題になっている (C)Bloomberg/Getty Images
ゴールドの上昇と米ドル安には正の相関性があるため、長期的には為替市場で米ドル安が続く可能性もあると、考えられているのではないかと思います。
バフェット氏の相場観が絶対に当たるというわけではないですが、財政出動や緩和的な金融政策を考えると、長期で米ドル安になる可能性があると考えるのが、素直ではないかと思います。
【参考記事】
●ゴールドやユーロ/ドルの調整はどの程度? 浅ければ再びゴールド買い、米ドル売りか(8月13日、西原宏一)
●金が崩れたなら、ユーロ/米ドルも調整か。目先は1.15~1.20ドル程度のレンジ相場へ(8月12日、志摩力男)
●バフェット氏が「世界は変わる」と発言!ポストコロナはユーロが主役になる相場(5月7日、西原宏一)
■豪ドル/米ドルも押し目買いで
そして、ゴールドと相関性が高い通貨ペアは、豪ドル/米ドルになります。
特に、2~3月以降のコロナ相場からは相関性が高くなっており、直近半年間の相関係数からも、かなり相関性が高い状態になっています。

(出所:TradingView)
市場のポジションが米ドル売りに偏っているため、豪ドル/米ドルもユーロ/米ドル同様に、高いところで買わずに、押し目買いが良いと思います。
【参考記事】
●豪ドル/米ドルを押し目買い! バフェットも注目のゴールドより先に、豪ドルが動き出す(8月17日、西原宏一&大橋ひろこ)
米ドル高に反転するのは、株式市場が崩れたときや、米長期金利が上昇したときなどになりますが、今はまだ、米ドルは戻り売りで良いのではないかと考えています。
【参考記事】
●緩やかに米ドル安。米ドル高より米ドル安材料の方が多く、大きな流れに変化なし!(7月21日、バカラ村)
●ドルインデックスがダブルトップ形成! 大きな流れとしての米ドル安に変化なし(7月7日、バカラ村)
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