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田向宏行
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バカラ村の「FX専業トレーダーの相場観」

米ドルは戻り売りで!バフェット氏の金鉱株
購入は、長期的な米ドル安を見越した動き!?

2020年08月18日(火)12:23公開 (2020年08月18日(火)12:23更新)
バカラ村

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■ロシアのワクチン承認でクロス円が上昇

 8月11日(火)に、ロシアが新型コロナウイルスのワクチンを承認したと発表しました。

 これは、リスク選好の材料となるため、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)は上昇しました。

世界の通貨VS円 4時間足
世界の通貨VS円 4時間足チャート

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 4時間足

 ただ、最終の臨床試験が終わっていないとの報道もあり、専門家からは信頼性に欠けるとの発言が出ています。

 ロシアのワクチン承認でリスク選好になったことから、今後、米国などでもワクチンが承認されれば、リスク選好へ大きく動きそうです。

 また、8月17日(月)には、日本の4~6月期GDP(国内総生産)・一次速報が発表されました。前期比年率換算でマイナス27.8%となり、戦後最大の落ち込みとなりました。

日本のGDPの推移(前期比年率)
日本のGDPの推移

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:各国GDP成長率の推移

 しかし、これは予想されていたこともあって、市場への影響は軽微でした。

■IMMのユーロ買い越しが過去最大に

 CFTC(全米先物取引委員会)が発表しているIMM(国際通貨先物市場)のポジション動向では、投機筋の米ドルに対するユーロの買い越しが、約20万枚まで偏っています。

IMM(国際通貨先物市場)のポジション状況(ユーロ/米ドル) 8月11日時点
IMM(国際通貨先物市場)のポジション状況(ユーロ/米ドル) 8月11日時点

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移

 これは、過去最大規模の偏りとなり、米ドル売りにも偏っているため、ユーロ/米ドルは、かなり買いに偏っていることになります。

【参考記事】
急上昇後に下がっているユーロ/米ドルは買いか?売りか?IMMポジションをどう読む?(8月4日、バカラ村)

■ユーロ/米ドル、上がったところは利食いすべき!

 新型コロナウイルスの影響で、1930年代以来の景気後退とも言われているため、発表される経済指標やデータなどは、過去最大の悪化や過去最小の伸びなど、いろいろなもので記録が更新されており、あまり驚きもなくなってきましたが、IMMポジションの過去最大規模の偏りは気になるところです。

大きな流れとして、米ドル売りだという考えはそのままですが、ユーロ/米ドルはさすがに、高いところで買いにくくなってきました。

 基本的に押し目買いで考えていますが、いつ調整が入っても不思議ではないため、上がったところでは利食いしていくべきかと思います。

【参考記事】
目先のユーロ/米ドルは、1.15~1.19ドルのレンジか。買いも売りも利食いを忘れずに!(8月11日、バカラ村)
米ドル安の材料豊富で短期的には過熱感も。戻り局面に注意だが長期的な米ドル安は継続(7月28日、バカラ村)

ユーロ/米ドル 日足
ユーロ/米ドル 日足チャート

(出所:TradingView

■米長期金利が継続的に上昇すれば、米ドル高の可能性も

 先週(8月10日~)は、米国で過去最高額の四半期定例入札があり、その影響で米30年物国債の価格が下がった結果、米長期金利(10年物国債利回り)は上昇しました。

米長期金利(10年物国債利回り) 日足
米長期金利(10年物国債利回り) 日足チャート

(出所:TradingView

 金利の上昇は、あくまでも一時的な動きだと思いますが、これが継続的に上昇するようであれば、米ドル売りポジションが巻き戻されて、米ドル高になる可能性が出てきます。

 長期金利の上昇がさらに続けば、悪いインフレとして米ドル売りにもなりますが、今は米ドル売りポジションに偏っているため、米長期金利の上昇で米ドル高に反応することになるのではないかと思います。

■バフェット氏の金鉱株購入、長期的な米ドル安を想定!?

 市場では、著名投資家のウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイが、金鉱山大手の株式を購入したことが話題となっています。

 バークシャー・ハサウェイの規模からすると、購入金額は大きな金額ではないようですが、これまでバフェット氏は、ゴールド(=金)への投資に対して否定的だったにも関わらず、金鉱株を購入したということは、ゴールドの上昇を見越しているとも取れる動きです。

ウォーレン・バフェット氏

写真は著名投資家のウォーレン・バフェット氏。バフェット氏はこれまで金への投資に否定的な見方をしていたが、同氏が率いるバークシャー・ハサウェイが金鉱山大手の株式を購入したため、市場では大きな話題になっている (C)Bloomberg/Getty Images

ゴールドの上昇と米ドル安には正の相関性があるため、長期的には為替市場で米ドル安が続く可能性もあると、考えられているのではないかと思います。

 バフェット氏の相場観が絶対に当たるというわけではないですが、財政出動や緩和的な金融政策を考えると、長期で米ドル安になる可能性があると考えるのが、素直ではないかと思います。

【参考記事】
ゴールドやユーロ/ドルの調整はどの程度? 浅ければ再びゴールド買い、米ドル売りか(8月13日、西原宏一)
金が崩れたなら、ユーロ/米ドルも調整か。目先は1.15~1.20ドル程度のレンジ相場へ(8月12日、志摩力男)
バフェット氏が「世界は変わる」と発言!ポストコロナはユーロが主役になる相場(5月7日、西原宏一)

■豪ドル/米ドルも押し目買いで

 そして、ゴールドと相関性が高い通貨ペアは、豪ドル/米ドルになります。

 特に、2~3月以降のコロナ相場からは相関性が高くなっており、直近半年間の相関係数からも、かなり相関性が高い状態になっています。

豪ドル/米ドル(右軸)とNY金(左軸) 日足(下段は相関係数)
豪ドル/米ドルとNY金の日足チャートと相関係数

(出所:TradingView

 市場のポジションが米ドル売りに偏っているため、豪ドル/米ドルもユーロ/米ドル同様に、高いところで買わずに、押し目買いが良いと思います。

【参考記事】
豪ドル/米ドルを押し目買い! バフェットも注目のゴールドより先に、豪ドルが動き出す(8月17日、西原宏一&大橋ひろこ)

 米ドル高に反転するのは、株式市場が崩れたときや、米長期金利が上昇したときなどになりますが、今はまだ、米ドルは戻り売りで良いのではないかと考えています。

【参考記事】
緩やかに米ドル安。米ドル高より米ドル安材料の方が多く、大きな流れに変化なし!(7月21日、バカラ村)
ドルインデックスがダブルトップ形成! 大きな流れとしての米ドル安に変化なし(7月7日、バカラ村)

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