■「株安、円高」のリスクオフ相場も展開されている
通常、「米ドル高、円高」は、株安と並走します。
そこで、グローバルに株高を牽引してきたナスダックの動きをチェックすると、ナスダックが高値である1万2074ポイントに到達したのが9月2日(水)。
これは、主要なクロス円が高値をつけたのと、ほぼ同日で、その後、大きく値を下げています。
(出所:TradingView)
結果、ナスダックの動きも先月(8月)までとは、様変わり。
9月1日(火)から本稿執筆時点(9月24日)まで、「株安、円高」のリスクオフ相場が展開されている流れとなります。
■豪利下げの噂も。ゴールドとともに豪ドル/米ドルも調整へ
前述のように、9月に入ってからの「株安、円高」は、3月からのリスクオンの調整局面であると想定しています。
先週のコラムでピックアップしたユーロ/円も調整局面入りしたままで、120円を目指し、じわじわと値を下げています。
【参考記事】
●ユーロ/円は120円へ向けて下落か。FOMCでゼロ金利維持が示唆され、円高圧力高まる(9月17日、西原宏一)
(出所:TradingView)
調整といえば、3月から40%もの急騰を見せていたゴールドはどうなっているのか、ここで確認します。
(出所:TradingView)
ゴールドは、8月7日(金)に2075ドルの高値をつけて調整局面入りしており、為替や株と比較すると短期間に急騰した後、1カ月強、もみ合いの展開となっていましたが、ここにきて再び下落しています。
ゴールドが調整局面入りしていることで、主要通貨の中でもっとも影響を受けるのが、ゴールドとともに上昇してきた豪ドル/米ドル。
【参考記事】
●豪ドル/米ドルを押し目買い! 米ドル安は続く。「菅首相」誕生なら市場の反応は?(8月31日、西原宏一&大橋ひろこ)
●豪ドル/米ドルは、ゴールドとともに上昇! 金鉱株急騰の裏にウォーレン・バフェット(8月20日、西原宏一)
●豪ドル/米ドルを押し目買い! バフェットも注目のゴールドより先に、豪ドルが動き出す(8月17日、西原宏一&大橋ひろこ)
豪ドル/米ドルは、9月初日に0.7414ドルの高値に到達してから、高値圏内でもみ合っていましたが、ゴールドが軟調なこともあり、0.7250ドルに位置している200週移動平均線をクリアに抜けてから下落が明白に。
加えて、豪州の大手銀行であるウェストパック銀行が、「RBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])が10月6日(火)に開催予定の金融政策決定会合において、政策金利を0.25%から0.10%へ引き下げるのではないか?」とのレポートを出しているようで、そうした思惑もあって、豪ドル/米ドルの上値がさらに重くなっています。
(出所:TradingView)
■下値余地が拡大している豪ドルの動向に注目
先週のコラムから紹介してきたように、9月1日(火)より、ユーロ/米ドル、ユーロ/円は高値到達後、調整局面入り。
【参考記事】
●ユーロ/円は120円へ向けて下落か。FOMCでゼロ金利維持が示唆され、円高圧力高まる(9月17日、西原宏一)
そして、豪ドル/米ドル、豪ドル/円も、9月1日(火)、8月31日(月)の高値より反落しています。
軟調なゴールドの動き、さらに、RBAの利下げの噂も重なり、3月以降、対米ドルで33%も急騰していた豪ドルも、調整局面入りした公算が高くなってきました。
ゴールドの反落をきっかけとし、英ポンド/米ドルやユーロ/米ドルに追随する形で、下値余地が拡大している豪ドル/米ドル、そして、豪ドル/円の動向に注目です。
(出所:TradingView)
(出所:TradingView)
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