■好材料があっても、米ドル/円は値を下げている
さて、ワクチン開発以外の材料に視線を移すと、今月(11月)に入っての米ドル/円は、好材料が多い中、値を下げているのが特徴。
NYダウが3万ドル近くまで上昇し、日経平均が2万6000円台に乗せるというリスクオンの環境でも、米ドル/円は上昇せず。
米10年国債利回りが一時0.97%と、1.00%近くまで上昇しても上値を伸ばすことはできませんでした。
(出所:TradingView)
前述のように、ワクチン開発報道を受けての反発も、単に「売り場」提供で終わっています。
■米感謝祭に向けた調整で、米ドル/円は100円へ下落か
今年(2020年)に入って、ずっと米ドル/円を支えてきた、本邦の年金と思われる巨額の米ドル買い注文も104.00円を支えきれず、割り込んできました。
これは、株式市場が米ドル/円同様、ワクチン報道をプライスに織り込み、値を下げてきたことが影響しています。
来週(11月23日~)、米国は感謝祭で休場。
多くのマーケット参加者は、さらに株を買い進めるよりも、いったん利益確定に動く可能性が高く、米国株や日本株は調整局面入りする可能性が高いと想定しています。
(出所:TradingView)
(出所:TradingView)
仮に、株が調整モードに入れば、多くの好材料にも関わらず104円を割り込んでいる米ドル/円は下げが加速し、100円へと下落する可能性が濃厚。
(出所:TradingView)
日米の株高、米金利高、そして新型コロナウイルスのワクチン開発進展報道と、好材料満載にも関わらず、104円台を割り込んできた米ドル/円。
米国の感謝祭に向け、株の調整の可能性も高まり、100円へ向けて値を下げる米ドル/円の動向に注目です。
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