■2021年は米ドル安予想多いが、目線は低め
みなさん、こんにちは。
12月に入り、大手金融機関から順次2021年の相場予測が出されています。
まだ大手金融機関の予測は出揃っていませんが、為替市場に関しては総じて、米ドル安。
米ドル/円は、100~108円。目線が低いところで95円レベル。
ユーロ/米ドルは、1.2500ドルといったところ。
豪ドル/米ドルは、筆者の見方と同じで、まず、0.7500ドル、そして、0.8000ドルに上昇といったところです。
【参考記事】
●新型コロナ感染者が少ない豪州に注目!豪ドル/米ドルは0.75ドルを目指す展開に(11月5日、西原宏一)
このように、米ドルの弱気派が増えてくると、来年(2021年)を待たず、12月にそれを織り込みに行く傾向があります。
その傾向のとおり、12月に入ると、ユーロ/米ドルが節目の1.2000ドルをブレイクし、1.2100ドルへと上昇。
(出所:TradingView)
豪ドル/米ドルも、0.7400ドル台を回復し、再び0.7500ドルに迫ってきました。
(出所:TradingView)
しかし、対主要通貨での米ドル安予測も、その目線は、あまり低くありません。
ユーロ/米ドルに関しては、仮にターゲットが1.2500ドルだとすれば、本稿執筆時点でのユーロ/米ドルは1.2120レベルで推移していますので、あと400pips弱しかないことになります。
■ボラティリティがあり、トレンドが明確な通貨ペアは?
そうした予測とは裏腹に、来年(2021年)は米ドル/円、ユーロ/米ドル、ユーロ/円などの主要通貨が大きな動意を見せてくれれば、我々トレーダーにとってはありがたい事なのですが、過去4年間、つまりトランプ政権時代、米ドル/円、ユーロ/米ドルは大きな動きを見せませんでした。
そのため、トレーダーは生き残りをかけ、ボラティリティがあり、トレンドが明確なものを探す必要があります。
たとえば、2019年12月までの英ポンド/米ドルの急騰。今年(2020年)であれば、3月からの豪ドル/米ドルの30%もの急騰が挙げられます。
前回のコラムでは、新型コロナウイルス対策がうまくワークしている豪州と、感染者が増加し、ブレグジット(英国のEU離脱)問題でも揺れる欧州を比較しながら、来年(2021年)、大きな値動きを見せる可能性がある通貨ペアということで、ユーロ/豪ドルの動向についてピックアップさせていただきました。
【参考記事】
●2021年はユーロ/豪ドルの動向に熱視線!? 欧米と豪州で新型コロナの感染状況に差(11月26日、西原宏一)
■豪ドルの快進撃は継続。対NZドルの動向に注目!
そして、今回ご紹介させていただくのが豪ドル/NZドル。
ニュージーランドも、新型コロナウイルス対策はうまくいっています。
そんな中、対円や対米ドルではなく、なぜ、対NZドルなのか?というご指摘はごもっともですが、実は、豪ドル/NZドルは、今年(2020年)も割とトレンドを形成している通貨ペアです。
豪ドル/NZドルは、8月に1.1044NZドルの高値に到達して以降、12月1日(火)の1.0418NZドルまで626pipsも急落しています。
(出所:TradingView)
この下落の背景には、いろいろと要因があるのですが、RBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])のマイナス金利導入の可能性も指摘されていました。
ただ、豪州は住宅価格も上昇していますので、マイナス金利の可能性は低いと判断しており、豪ドル/NZドルは早晩反発すると想定しています。
(出所:TradingView)
そして、もうひとつの材料は、豪ドル/米ドルとNZドル/米ドルの現在の価格水準について。
下のチャートは、豪ドル/米ドルの月足です。
(出所:TradingView)
3月からの豪ドル/米ドルの反発を予測した理由は、過去のコラムでご紹介させていただいたとおり、その価格動向にもあります。
【参考記事】
●「株安・米ドル高」の流れは早晩反転か? 豪ドルは悪材料出尽くしで中期的に反発へ(3月26日、西原宏一)
豪ドル/米ドルは、2011年の7月に1.1081ドルの高値に到達して以降、下落を続け、今年(2020年)の3月には0.5510ドルの安値に到達しました。
これは約9年間で、法定通貨である豪ドルの価値が対米ドルで半分になっていることを意味し、さすがにこの相場はオーバーシュートであり、反発すると判断しました。
そして、RBAが利下げをした日に、豪ドル/米ドルは0.5510ドルの安値から反発を開始し、現在まで約34%も急騰しています。
ただ、月足で見れば、半分価値を取り戻したとしても0.8296ドルであるため、まだ豪ドル/米ドルの上値余地は大きいといえます。
(出所:TradingView)
一方、次のチャートは…
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