■バイデン米大統領誕生。就任当日はご祝儀相場に
1月20日(水)、米国でバイデン氏が、第46代目の大統領に就任しました。
1月20日に米国の第46代大統領に就任したジョー・バイデン氏 (C)Scott Olson/Getty Images News
就任の当日(1月20日)は、いわゆるご祝儀相場となり、株価も上昇しました。
(出所:TradingView)
ここからは、彼の経済政策、新型コロナ対策への手腕に、世界中が注目することになると思います。
また、新しい財務長官に就任予定のイエレン氏は承認公聴会で、「米ドルおよび、その他の通貨の価値は、市場によって決定されるべき。米国は経済的利益のために米ドル安を求めない」との見解を示しましたが、引き続き、米国の為替政策について言及するときには、発言について注視しておく必要があります。
【参考記事】
●コロナバブルは2021年も継続。資源国通貨買いが有効。米ドル/円はバイデン政権次第(1月7日、今井雅人)
●米ドル押し目買い方針。ドル安を目指さない イエレン新財務長官の手腕にも注目!(1月19日、バカラ村)
財務長官の指名承認公聴会に臨んだイエレン前FRB議長は、米国は経済的利益のために米ドル安を求めないとの見解を表明。今井氏は、今後の発言も注視しておく必要があると指摘している (C) Bloomberg/Getty Images
■米ドル/円は、重そうだけど下げ切らないレンジ相場か
さて、外国為替相場ですが、ここにきて、レンジ相場の様相を呈してきています。そこで、いくつかの通貨ペアを取り上げてみたいと思います。
最初に米ドル/円です。米ドル/円は、ここ2~3カ月の動きを一目均衡表で見てみますと、おもしろいことがわかります。
まず、昨年(2020年)の11月に、105.68円まで上昇した局面がありましたが、このときは、一目均衡表の雲の上限に抑え込まれて、そこから頭打ちになって反落してきています。そして、その後は、非常に緩やかな右肩下がりの中でのレンジ相場に入り込んでいます。
【参考コンテンツ】
●FX初心者のための基礎知識入門:一目均衡表
(出所:TradingView)
直近2週間ほどの動きを見てみると、1月11日(月)に104.40円まで、一時的に上昇した局面がありましたが、結局、また一目均衡表の雲の下限に頭を抑えられて力尽き、その後は軟調な動きを見せています。
この1週間ほどは、さらにレンジの幅が狭くなり、1円すら動かなくなってきています。
(出所:TradingView)
この先を見ると、雲が全体的に下にずれてきているので、今までの傾向を参考にすると、やや上値のほうが重そうだけれども、下げ切らないレンジ相場の中に入ってくるのではないかと考えています。
【参考記事】
●豪ドル/円の下値は、かなり堅いと見る! 長期保有目的で買いポジションをキープ(1月15日、今井雅人)
■ユーロ/米ドルの1.20ドル台は買いのチャンス!
次にユーロ/米ドルですが、年初までは米ドル安の流れがジリジリと続いていましたが、今年(2021年)に入ってからは、米ドルの売り仕掛けをした投機筋がうまく下がらない(ユーロ/米ドルが上がらない)のを見て、すぐに切り返してユーロ/米ドルを売ってきたために、その後は調整相場となり、下落してきました。
【参考記事】
●米追加経済対策に絡むサプライズ報道で米ドル反発。 ユーロ/米ドルは戻り売りで(1月14日、西原宏一)
(出所:TradingView)
しかし、ユーロ/米ドルの一目均衡表を見てみますと、雲の上限に近づきつつありますので、そろそろ底に近づいているように見えます。1.20ドル台は、買いの良いチャンスなのではないしょうか。
(出所:TradingView)
■ユーロ/円は買い場か。ただし利食いの見極めが大事
ユーロ/円も、ユーロ/米ドルにつられるような動きを見せていますが、こちらも一目均衡表で見ると、ちょうど雲の上限にぶち当たっていますので、そろそろ、よい買い場ではないかと考えています。
(出所:TradingView)
ただ、ユーロ/米ドルもユーロ/円も、その後、上昇トレンドを作っていくような展開にはならないと思いますので、利食いの場をしっかり見極めることが重要だと思います。
■新興国通貨のクロス円には、まだまだ上昇の余地あり!
最後に、新興国通貨について、少し触れておきます。
世界的な金融緩和の影響が、株式市場などに好影響を与え、ワクチンの普及が広がりはじめる環境においては、メキシコペソなどの新興国通貨の買いを、長期的に金利を稼ぎながらキープするのが良いのではないかとお伝えしてきましたが、実際、ジリジリと上昇を続ける展開が続いています。
【参考記事】
●ワクチン普及で株高・円安の復活に期待! 引き続き資源国通貨や新興国通貨の買いで(2020年12月17日、今井雅人)
(出所:TradingView)
現在の、世界的な金融緩和による株価の上昇が、今後も続きそうな気配ですので、新興国通貨買い・円売りの、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)は、まだまだ上昇の余地があると言えそうです。
【参考記事】
●新興国通貨の相場見通し、為替チャート、スワップポイント比較などの情報集
●スワップポイントが魅力のメキシコペソ投資を徹底解説。為替チャートからわかる見通しは?
●メキシコペソ/円が取引できるFX会社を徹底比較! スワップポイントやスプレッドは?
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