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陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」

5年サイクルで見て今は円安トレンド。
人民元弾力化による円高進行は続かない

2010年06月25日(金)19:20公開 (2010年06月25日(金)19:20更新)
陳満咲杜

今井雅人は資金5倍トレード達成!米ドル/円の攻めトレードが成功したのには理由があった!

 以下のチャートのように、米ドル/円相場は1995年以降、基本的には5年サイクルで動いている。
米ドル/円 週足(クリックで拡大)
(出所:米国FXCM

 1999年12月安値を起点とし、2002年1月高値をトップとした5年サイクルは2005年1月安値をもって終了したばかりだった。

 2005年1月から少なくとも2年間程度の上昇トレンドが決まっていたわけだから、人民元の切り上げといった大材料でもトレンドは修正できなかったわけだ。

 では、今回はどうなるか?

■今は円安トレンドに位置している可能性が高い

 2005年1月安値を起点とし、2年半の上昇で2007年6月に高値をつけた5年サイクルが2009年11月安値をもって完了したのだとすれば、現在は2009年11月安値を起点とした円安トレンドに位置しているのではないかと基本的には思われる。

 そうなると、やはり人民元の改革があるかないかに関わらず、円高には限界がある。

 もちろん、この5年サイクルがまだ完成していないとすれば、これからも円高・ドル安が進み、昨年の安値を更新して新たな安値を形成してから、5年サイクルは終焉を迎えることになる。

 その可能性は完全に否定はできないものの、仮にそうだったとしても、基本的には人民元問題はその決定要素にならないだろう。

■ファンダメンタルズで相場の真実は語れない

 以上の例でおわかりのとおり——それは為替相場のみならず、金融マーケット全般がそうなのだが——世間の「常識」と違い、ファンダメンタルズでは、相場の真実は語れないことが実に多い「陳 満咲杜さんに聞く(2)~相場はファンダメンタルズによって動くのではない!」参照)

 現状では、多くのエコノミストとアナリストがファンダメンタルズの分析と解釈をもってユーロ安の蓋然性を力説しているが(それも格付け会社といっしょで後づけになりがちだが)、恐らく同じ過ちを犯すことになるだろう。

 本稿執筆日の朝、ブルームバーグのサイトで「ユーロはさらに20%下落も。長期金利は年末1.0%目指す展開−RBS」という記事を読んだ。

 同銀行のチーフエコノミストはEUの財政再建に伴い、「GDPは伸びにくく、デフレ議論も表面化してくる」と分析。ユーロ/米ドル相場は「金利差とインフレ格差、経常収支から推計した適正水準より、なお割高だ。さらに20%下落しても、まだ割安とは言えない」と指摘していたようだ。

■息子をトレーダーにしたいなら経済学部には入れるな!

 このような高度な経済学的分析の結果を筆者が論じるべき立場にはない(恥ずかしながら、筆者も一応経済学部出身ではあるが…)。ただ、一般人としても、少なくとも以下の疑問を呈することができるだろう。

 すなわち、「これから低成長とデフレ傾向がユーロ安の背景になるといった分析が行われるなら、同じ低成長とデフレ傾向にある日本の円のパフォーマンスをどう説明するか」ということだ。

 バブル崩壊以降、同じ問題に悩まされた日本の円はメイントレンドとしては円安ではなく円高であったことは日本人なら誰でも肌で感じていることだろう。

 だから、筆者はいつも友人に冗談を言っている。

「息子をトレーダーに育成したいなら、絶対経済学部には入れるな」である。

(2010年6月25日 14時執筆)
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