RBAはYCC撤廃も、早期の利上げを否定。豪ドル/米ドルは下落
11月2日(火)にRBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])理事会が開催されました。
【参考記事】
●底打ちした豪ドル/米ドルは0.78ドルへの上昇に期待。RBA理事会で金融政策の変更はある?IMMポジションは、まだ売りに偏る(11月2日、バカラ村)
YCC(イールドカーブ・コントロール、長短金利操作)を撤廃し、豪ドルは瞬間的に上昇しました。
そして、利上げに関しては「2024年まで政策金利は現在の水準に留まる可能性は依然としてある」と早期の利上げを否定したことから、豪ドル/米ドルは0.7360ドルまで下がりました。
(出所:TradingView)
FOMCではテーパリング開始決定も、早期の利上げを否定。米ドルはトレンドに発展せず
11月3日(水)のFOMC(米連邦公開市場委員会)では、テーパリングを11月から開始することを決定。
こちらも予想されていたこともあり、米ドルは瞬間的に動いただけでトレンドには発展していません。
(出所:TradingView)
インフレの状況から早期の利上げ観測もありましたが、それは否定しています。
想定された内容だったこともあり、動いた値幅は狭く、イベントを通過しています。
BOEは政策金利を据え置き。利上げ予想もあったため、英ポンド/米ドルは下落
11月4日(木)のBOE(イングランド銀行[英国の中央銀行])の金融政策発表では、政策金利は据え置きとなりました。
ただ、利上げ予想もあったため、英ポンド/米ドルは1.3424ドルまで下がりました。
(出所:TradingView)
各中銀に共通しているのは利上げに消極的ということ。各国の長期金利は低下
各中銀の金融政策が発表されましたが、共通しているのは利上げに関して消極的、ということです。
それまでは各国の長期金利(10年債利回り)が上昇していましたが、利上げに消極的なことから、長期金利は下がってきました。
(出所:TradingView)
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パウエルFRB議長再任の可能性高まる。ブレイナード氏が次期FRB議長に選ばれても、政策が大きく変わることはなさそう
トレンドを作るような、そのような材料はなく、ポジション調整の動きは出てきますが、まだしばらくトレンドは期待しにくいように思います。
目先の材料としては、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の再任問題やインフレになると思います。
11月3日(水)のFOMCではテーパリングを行いましたが、米国株は崩れることもなく、反対にハト派だったこともあり、米国株は堅調に推移しています。
(出所:TradingView)
これはパウエルFRB議長の采配がうまかったことになり、再任される可能性が高まっています。
もし再任されなかった場合は、ブレイナード氏が次期FRB議長に選ばれる可能性がありますが、ハト派なため、FRBの政策が大きく変わることはなさそうです。米国株は瞬間的に下がるかもしれませんが、為替市場は米ドルが若干売られる程度で終わるのではないかと思います。
11月半ばは欧米勢のポジションの手仕舞いが出やすい時期。米ドル/円は戻り売りで回転させるトレードがよさそう
11月半ばは欧米勢のポジションの手仕舞いが出やすい時期になります。
そして、11月11日(木)は米国が祝日になります。そのため、ポジション調整の動きに注意するときだと思います。
また、IMM(国際通貨先物市場)ポジションを見てみると、円売りに偏っています。このポジション調整も出やすいように思います。
(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移)
米ドル/円は113円から114円半ばのもみ合いの中ですが、上がればポジションの手仕舞いによる売りが出てきやすいと思いますので、戻り売りがいいように思います。
ただ、米ドル/円と米長期金利との相関性はまだ強いものがあります。
米長期金利は1.43%台まで下がりましたが、ここから下はあまりないと思いますので、米ドル/円の下げもあまり続かないと思います。
そのため、戻り売りで回転させるような、そんなトレードがいいのではないかと思います。
(出所:TradingView)
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ニュージーランドドル/米ドルを押し目買い。まずは0.73ドル、長期的には0.74ドルまでの上昇を期待
もっとも、個人的には米ドル/円よりも、ニュージーランドドルや豪ドルの押し目買いの方をメインに考えています。
各中銀は利上げに否定的ですが、ニュージーランドは利上げサイクルに入っています。
そのため、ニュージーランドドルは相対的に強い状態が続いています。
FOMCなど大きなイベントも終わったことから、動きも素直になりやすいタイミングだと思いますので、ニュージーランドドル/米ドルは長期的には0.74ドルまでの上昇も期待できると思いますが、まずは今年(2021年)5月の高値0.73ドルへ上昇するのではないかと思います。
(出所:TradingView)
来週は休載させていただき、次回のコラム公開は11/24(水)になります。
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