パウエルFRB議長のハト派な発言から、米ドル安が進んだ
先週(1月30日~)から今週(2月6日~)にかけて、重要な内容が多く出ています。
まず、2月1日(水)のFOMC(米連邦公開市場委員会)では、政策金利は市場予想どおりの0.25%の利上げ。
パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の会見内容は、主に以下のようでした。
「ディスインフレの過程が始まった」
「引き締め過ぎは望んでいない」
「あと2回ほど利上げを検討」
「停止後に再開する選択肢は検討していない」
ディスインフレや引き締め過ぎは望んでいないなど、ハト派な発言から米ドル安となり、ユーロ/米ドルでは1.1033ドルまで上昇、米ドル/円は128.08円まで下落しました。
(出所:TradingView)
(出所:TradingView)
★ザイFX!で人気のバカラ村さんの有料メルマガ「バカラ村のFXトレード日報!」では、実践的な売買アドバイスや相場分析などを、メルマガで配信!メルマガ登録後10日間は無料解約可能です。
米雇用統計が驚くほど強く、米ドル独歩高に
金曜日(2月3日)に発表された米雇用統計は、驚くほどの良い数字が出ました。
非農業部門雇用者数は51.7万人(予想値18.5万人)、前回(22.3万人)も26.0万人に上方修正され、失業率は53年ぶりの3.4%(予想値3.6%)と、かなり良い数字です。
これを受けて米ドル独歩高となり、その日には米ドル円は131.20円まで上昇、ユーロ/米ドルは1.0792ドルまで下がりました。
(出所:TradingView)
(出所:TradingView)
日経新聞が「日銀次期総裁、雨宮副総裁に打診」と報じ、月曜の米ドル/円はギャップアップから始まった
そして、月曜(2月6日)の午前2時頃に日経新聞が「日銀次期総裁、雨宮副総裁に打診」と報じたことで、月曜の米ドル/円はギャップアップ(窓開け)から始まっています。
(出所:TradingView)
【※関連記事はこちら!】
⇒米ドル/円は「雇用統計ショック」から「雨宮氏へ打診」で急騰! ボラが非常に高く、資金管理に注意。米ドル売りに反転の兆し。対ニュージーランドドルなどで米ドル買い(2月6日、西原宏一&大橋ひろこ)
鈴木財務相などは否定発言をしていますが、日経新聞が報じていることもあり、次期総裁は雨宮氏でほぼ確実ではないかと思います。
英国にはリセッション懸念があり、英ポンドは上値が重い状態が続いている
先週に発表されたIMF(国際通貨基金)の2023年のGDP成長率見通しでは、米国は1.4%、ユーロ圏は0.7%、日本は1.8%、中国は5.2%、英国に関してはマイナス0.6%とされています。
中国のゼロコロナ政策からの転換で、中国のGDP見通しが上方修正されており、米国やユーロ圏もリセッションになる可能性は低くなっています。
ただ、英国に関してはリセッション懸念があり、英ポンドは上値の重い状態が続いています。
(出所:TradingView)
★ザイFX!で人気のバカラ村さんの有料メルマガ「バカラ村のFXトレード日報!」では、実践的な売買アドバイスや相場分析などを、メルマガで配信!メルマガ登録後10日間は無料解約可能です。
ドルインデックスは100.82が当面の底に。105.00~105.79付近までの上昇が期待できる
為替市場は米ドル主導で動いているときが多く、ドルインディックスを見ると、2月2日(木)の安値100.82を底に上昇してきました。
この安値は当面の底になると考えています。
(出所:TradingView)
昨年(2022年)5月30日(月)の安値101.29をやや下回ったものの、101付近がサポートとなっていることもあり、ここからは上昇する可能性があると考えています。
短期的な上のターゲットとしては、昨年5月13日(金)の高値105.00や昨年6月15日(水)の高値105.79、そして今年(2023年)1月6日(金)の高値105.63付近が高値として複数重なっているためレジスタンスゾーンとなるように思います。その105.00~105.79付近までの上昇が期待できると考えています。
(出所:TradingView)
米ドル/円は、昨年10月からの下降トレンドの流れが変わったと考えてもいいような動き
米ドル/円も昨年10月から下降トレンドとなっていたものの、約3カ月ほど反発しても21日移動平均線で上値が抑えられていましたが、金曜日(2月3日)の上昇でそれを超えてきました。
さらに、131.50円のレンジ上限もギャップで超えてきています。
これまでの下降トレンドの流れが変わったと考えていいような動きです。
(出所:TradingView)
英ポンド/米ドルも売り方向でよさそう。短期的な下値目途1.1840~1.1900ドルを下抜ける可能性も
目先は米ドル高と考えているため、米ドル/円の買いでもいいとは思いますが、英ポンド/米ドルも売り方向でいいのではないかと考えています。
昨年12月から1.2450ドルがレジスタンスとなっており、さらに短い時間軸で見ると、1.2250~1.2450ドルのレンジを形成し、それを下抜けてから、次は1.2250ドルがレジスタンスに変わっています。
ファンダメンタル面も、英国はリセッションの可能性があり、英ポンドは軟調になりやすいと思います。
短期的な下値目途は1.1840~1.1900ドルとなりますが、ドルインディックスは105まで上昇する可能性があるため、英ポンド/米ドルはそれを下抜けて、さらに下がる可能性もあるように思います。
(出所:TradingView)
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)