次期日銀総裁候補の植田氏の所信聴取は、金融市場にショックを与えないような発言に終始していた
次期日銀総裁候補の植田氏の所信聴取が、2月24日(金)と2月27日(月)に行われました。
植田氏がどのような金融政策の方針を持っているのか、市場は注目していましたが、発言内容としては、これまでの金融緩和策を継続することが示唆されました。
質疑応答を見ていても、金融市場にショックを与えないような発言に終始していたように思います。
それもあって、2月24日(金)の衆議院での所信聴取時の米ドル/円は、134円台を上下するだけの無難な動きで終わりました。
(出所:TradingView)
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0.50%の大幅利上げの可能性が低いとすれば、米ドルを追いかけて買うと高値掴みになる可能性も
最近の米国の経済指標は強いものが多く、PCEデフレーターも予想値5.0%のところ5.4%となり、前回も5.0%が5.3%へ上方修正されています。
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インフレは収まっておらず、米ドル/円は136.55円まで上昇、ユーロ/米ドルは1.0532ドルまで下がりました。
(出所:TradingView)
(出所:TradingView)
金融機関には、次回の会合で0.50%の利上げと予想するところも出てきています。
ただ、これまでの利上げの効果はすぐに出てこないこともあり、今はこれまでの利上げの効果を見る段階にきているように思います。
もし、3月14日(火)の米CPI(消費者物価指数)も強い内容であれば、0.50%の大幅利上げになる可能性もあると思いますが、予想値程度であれば、3月会合は0.25%の利上げになると思います。
CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)のFEDウォッチも、先週のコラム執筆時点で、3月FOMC(米連邦公開市場委員会)の0.50%の利上げ確率は18%でしたが、今の執筆時点では24%と、小幅に上昇している程度です。
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0.25%の利上げに関して3回は織り込まれていることもあり、0.50%の大幅利上げの可能性が低いとすれば、米ドルを追いかけて買うと高値掴みになる可能性があると思います。
ドルインディックスも、ターゲットと考えていたレジスタンスゾーンまで上昇しており、ここからは突っ込んで買うのはリスクが高くなる水準だと思います。
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⇒米ドル/円は買いでいい! 昨年10月からの下降トレンドが変わったと考えてもいい動き。英ポンド/米ドルも売り方向。英リセッション懸念やドルインデックスの上昇で(2月7日、バカラ村)
(出所:TradingView)
米ドルを押し目買い。大幅利上げが米国株にマイナスなら、為替市場では豪ドル/米ドルの戻り売りがいい
ただ、米ドルを売るとは考えておらず、押し目を待って買うようなトレードをする必要があると思います。
今週は重要なイベントが少なく、直近のもっとも重要なイベントとしては、来週(3月6日~)の日銀会合(日銀金融政策決定会合)になります。
今はまだ、米ドルの押し目買いでいいとは考えていますが、米ドル/円に関しては、日銀会合前はポジションを持ちたくないと考えています。
米ドル買いで考えていますが、もしFOMCで大幅利上げが続くようであれば、米国株にとってはマイナスの材料となり、その思惑も出てくる可能性があると思うため、為替市場では豪ドル/米ドルの売りがいいのではないかと考えています。
昨年(2022年)11月15日(火)の高値と、今年(2023年)1月26日(木)の高値を軸にした上昇チャネルと考えた場合、その上昇トレンドライン(上昇チャネルの下限ライン)は0.68ドル台前半あたりにあり、そこも下抜けています。
(出所:TradingView)
昨年10月からの上昇トレンドは、どのようにラインを引いても、すでに終わっている状態です。
今月(2月)の高値からの下降トレンドラインは、0.68ドル台半ばあたりで推移しており、その水準付近は過去に高値や安値が複数あり、節目となっている水準でもあります。
そこを戻りの目処として、戻り売りの相場ではないかと考えています。
(出所:TradingView)
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米ドル/円は高いところで買いたくないが、135円台で底堅い推移が続けば、高いところで買う必要も
米ドル/円も、高いところで買うのはリスクが高く、来週は日銀会合があるため、そのときにはポジションは手仕舞いする方がいいと思いますが、基本的には押し目買いの相場だと思います。
高いところで買いたいと考えていませんが、先週前半は134円付近がサポートされており、底堅さがあるため、今週(2月27日~)も135円台で底堅い推移が続くようであれば、高いところで買う必要が出てくるように思います。
(出所:TradingView)
基本的には米ドル買いのままで考えていますが、米ドルの押し目を待っての買いで考えています。
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