米ドル/円は137円を超えられず失速したが
みなさん、こんにちは。
先週のコラムで、米ドル/円は137円あたりまでの上昇余地はありそうだが、「日銀ピボット(政策転換)」が上値を押さえるか、とご紹介させていただきました。
実際今週の米ドル/円は続伸するも節目の137円が超えられず、高値は136.92円で失速。
3月1日のマーケットではいったん135.25円まで急落しています。
(出所:TradingView)
では、いったん米ドル/円は137円でトップアウトしたのでしょうか?
総裁候補・植田氏の政策スタンスは黒田総裁と変わらず!?
米ドル/円のドライバーは米金利と日銀ピボット。まず最初に米ドル/円の上値を抑える日銀ピボットについてチェックします。
米ドル/円の上値を抑えていた日銀人事報道ですが、衆議院で行われた日銀総裁候補の植田和男氏の所信聴取において、同氏の政策スタンスが現在の日銀の政策とほとんど変わらないことが確認できたことから日銀ピボットも大きく後退しました。
これで先週金曜日(2月24日)から、米系中心に米ドル/円の買いが断続的にマーケットに投入されています。
では、次に1月の米ドル/円の上値を抑えていた「FRB(米連邦準備制度理事会)ピボット」も確認してみましょう。
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米国の年内の利下げ予測はほぼ消滅した
米金利は先週に引き続き、今週も続伸。
3月に入るとついに米10年債利回りは一時4%台に上昇し、本稿執筆時点でも4.00%を超えてきています。
そして米ドル/円との相関性が高い米2年債利回りですが、こちらも続伸しており、昨年の高値を抜いて一時4.9014%まで急伸しました。
下図はFF金利先物のインプライド金利の推移。
(※編集部注:「FF金利」とは、フェデラルファンド金利のことで、FFレートとも呼ばれる。米国の政策金利)
これを見ると、FRBのターミナルレート(利上げの最終着地点)はおよそ5.50%まで上がっています。
そして年内の利下げ予測もほぼ消滅。
2024年の3月頃からは利下げが予測されていますが、急速な利下げ予測は大きく後退しています。
結果、2年債利回りは5.20%程度まで上昇するのではないかと想定しています。
(出所:TradingView)
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140円へと続伸する可能性が高まった米ドル/円
前述の日銀ピボットが後退したと仮定すれば、米ドル/円は米2年債利回りの上昇につれ140円を超える可能性が高まっていると考えています。
米ドル/円の上値を抑えていた「FRBピボットと日銀ピボット」が大きく後退したことで、米ドル/円は再び上昇開始。
5.20%へと上昇する米2年債利回りに連れ、140円へと続伸する可能性が高まった米ドル/円の動向に注目です。
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