ECBフォーラムで、主要4カ国の中銀総裁のパネルディスカッションが行われたが、影響はほどんどなかった
先週(6月26日~)はECB(欧州中央銀行)フォーラムが開催され、植田日銀総裁、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長、ラガルドECB総裁、ベイリーBOE(イングランド銀行[英国の中央銀行])総裁のパネルディスカッションが行われました。
この主要な4つの国の総裁が集まるパネルディスカッションは、珍しいと思います。
内容に関しては、市場が事前に予想していたとおりの内容でした。
パウエル議長、ラガルド総裁、ベイリー総裁はタカ派、それに対して植田総裁だけがハト派となり、日本と他の金融政策の違いがはっきりとしました。
事前に予想されていた内容だったこともあり、為替市場への影響はほとんどない状態です。
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米雇用統計が良い数字なら、素直に米ドル高になりそう
最近の米国の経済指標は、ISM製造業は弱かったものの、住宅指標やGDPなど、良いものが多くあります。
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FRBメンバーは年2回の利上げ見通しとしているため、今週(7月3日~)の米雇用統計も重要となってきます。
市場はまだ、利上げを1回しか織り込んでいないため、良い数字が出るようであれば、素直に米ドル高になると思います。
米長期金利(米10年債利回り)も、約1カ月続いたレンジ上限を超えてきているため、米金利のチャートからも米ドル高になりやすい状態です。
(出所:TradingView)
米ドル/円が1日で2円近く上昇したり、もしくは、もっと水準が高くならないと、実弾介入は出なさそう
ただ、米ドル/円は介入警戒感が高まっています。
昨年(2022年)に145円台で実弾介入をしたことに加え、先週末(6月30日)にイエレン米財務長官が「日本の当局者と連絡を取り合っている」と、介入への理解を示しています。
そのため、145円より上では積極的に買いにくく、ただ、下がれば買い意欲が強いため、すぐに反発してきます。
実弾介入が出れば、昨年の動きから考えると、約5円ほど下落すると思いますが、神田財務官は実弾介入を行う理由として、ボラティリティが高まり、それを抑えるために介入している、としています。
そのため、今のように値動きが小さく、ジワジワと上昇してくるような相場では、実弾介入は出にくいと思います。
1日で2円近く上昇したり、もしくは、もっと水準が高くならないと、実弾介入は出ないように思います。
(出所:TradingView)
ユーロ/円は、日足は買われすぎの状態が続いており、調整の可能性は残ったまま
ユーロ/円は、日足は買われすぎの状態が続いています。
先週は首吊り線が出ましたが、翌日も下ヒゲの足となり、2日連続で下ヒゲとなれば、反転ではなく底堅い状態となります。
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(出所:TradingView)
トレンドが変わるときは、短い時間軸の足から反転していきますが、4時間足では堅調な形が続いていたため、先週は売るタイミングないままでした。
(出所:TradingView)
ただ、日足のMACDなどは、まだ買われすぎが続いていることもあり、調整する可能性は残ったままです。
(出所:TradingView)
ユーロ/米ドルは、1.08~1.10ドルのレンジ上限付近で戻り売り
米金利が上昇していることから、米ドル高で考えているため、ユーロ/米ドルは戻り売りでいいと思います。
1.08~1.10ドルを中心としたレンジが続いているため、このレンジ上限付近での売りを考えています。
(出所:TradingView)
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米ドル/円が145円台に乗れば、レートチェックが出て、それにAIが反応して1円程度下がりそう。そのような場面を待って買えばいい
米ドル/円に関しては、米金利と相関しやすいため、米ドル/円もまだ上昇すると思いますが、介入警戒や、口先介入も多くなってきているため、その下がったところで買うのがいいと思います。
145円台に乗れば、レートチェックも出てくると思いますが、それにAIが反応して1円程度は下がると思います。
そのような場面を待って、買えばいいのではないかと思います。
(出所:TradingView)
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