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今年最後の勝負どころ!FOMC・日銀会合迫る!
12月18日(水)FOMC(米連邦公開市場委員会)の結果が発表されます。そして、翌19日(木)には、日銀政策決定会合の結果が発表されます。
FOMCは日本時間で言えば19日(木)午前4時の発表、日銀の発表時間は決まっていませんが、おおよそ正午前後であることを考えれば、わずか8時間ほどの間に大きな政策発表が続くことになります。
現時点の市場予想では、FOMCでは0.25%の利下げが決定され、日銀は政策変更なし。しかしながら、直前に市場予想とは異なる決定になりそうな場合には、米国側においてはウォール・ストリート・ジャーナル紙ニック・ティミラオス氏の記事が、日本の場合は直前の各紙報道、特に日本経済新聞による午前2時の速報が警告してくれることになるでしょう。
こうしたコミュニケーションには極めて違和感がありますが、市場にショックを与えたくない中央銀行の常套手段と化しております。
それでは、FOMC、日銀会合、それぞれどのような内容になりそうか、検討してみたいと思います。
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FOMCのタカ派シフトを想定!マーケットの反応は?
FOMCでは0.25%利下げがほぼ決定的です。それは、CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)提供の「FedWatchツール」において、現時点で0.25%利下げ確率が97.1%と、ほぼ100%に近い水準にいるからです。
しかし、パウエル議長の会見においてはやや「タカ派」的な内容になりそうです。おそらくパウエル議長は、今後の利下げスピードを減速させる意向を示すでしょう。
来年(2025年)1月の会合における利下げパスまでははっきりと言及はしないでしょうが、匂わせはあるかもしれません。
パウエル議長は12月4日(水)のイベントで「米国景気が9月に想定していたよりも強い」と発言しました。12月18日(水)の会見でも同じ様なトーンになるものと思われます。
そして注目のドット・プロットですが、9月時点よりも上方シフトするでしょう。
(※筆者提供・FRB)
それは、過去のCME提供FedWatchを見ても明確です。
(※筆者提供・CME)
上に示したのが9月16日、FOMC直前のFedWatchの予想であり、下は現時点(12月16日)の予想ですが、2025年半ば辺りの政策金利予想が9月16日時点で2.75%だったのに対し、現時点では3.75%となっています。1%も市場予想が上昇しているのだから、FOMCの判断もかなり上方にシフトすることになるでしょう。
では、FOMC後のマーケットはどう動くのか?
予想は難しいですが、タカ派シフトも織り込まれているので、さらに米ドルが上昇するかどうかは、パウエル議長会見のニュアンス次第になるでしょうか。
株価や仮想通貨(暗号資産)の上昇を見ると、インフレ再上昇のリスクも完全に否定できません。市場の織り込みより少しタカ派の会見を予想したいですが、そこは実際に見てみないとわからない。
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日銀政策決定会合は?植田総裁会見はタカ派シフトとなるか
前回のコラムでは、もしかすると円高にシフトする可能性が出てきたのではないかと書きました。それは筆者に入ってくる海外勢からもたらされる情報を色濃く反映したものです。
【※関連記事はこちら!】
⇒米ドル/円は150円割れまで下落!為替相場の流れは変わったのか?トランプトレードからベッセントトレードへの変化で見えてきた円高への道筋とは?(11月29日、志摩力男)
次期米財務長官となるベッセント氏は大手ヘッジファンドマネージャーですが、ソロスという気難しい巨人を相手に上手く対応してきた人です。
トランプ大統領に対しても、意向を忠実に反映しつつも、現実解を提供できる有能な財務長官になることでしょう。
かつてトランプ氏は、米ドル/円と米ドル/人民元が高すぎるとブルームバーグにおけるインタビューでぶちまけましたが、これは本音でしょう。
製造業を米国に回帰させ、米労働者が夢を持って働くことができる環境を取り戻す、これがトランプ氏のやりたいことです。
「それは現実的ではない」と、オバマ元大統領のような人は言うでしょうが、その結果民心は民主党から離れました。トランプ氏はかならずどこかで、プラザ合意2.0的なことを行うでしょう。
そこに、植田総裁が「経済物価見通しはオントラック」で、利上げが近いことを示唆しました。米大手ヘッジファンドはかなり円ロング(買い)に賭けている状況だと思われます。
それはIMM(国際通貨先物市場)通貨先物市場でも現れています。米ドル/円の反発にもかかわらず、IMMはドル/円ショート(売り)に転じています。
(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移)
しかし、この1~2週間ほど、連日のように12月の金融政策決定会合において日銀は政策を変更しないという報道が流れています。ここまで毎日リーク報道があるのも珍しいです。日銀は利上げ否定に躍起になっています。
直前の日経報道に注意しつつも、ここまで毎日「利上げなし」とリーク報道されれば、今週(12月15日~)の利上げはほぼないと考えざるをえません。結果、米ドル/円はショートカバーで154円近辺まで反発しています。
(出所:Tradingview)
おそらく……「政策変更なし+タカ派の植田総裁会見」という組み合わせでしょう。
少しは植田さんもタカ派にシフトしないと、「騙された」という思いから、とんでもない円安投機になる可能性もはらんでいると思います。しかし、実際に会見を見てみないことには何とも言えません。
会見は政策発表と違い15時半きっかりに始まります。市場が期待するほどタカ派に振れるのか、そこは疑問に感じますが、今年(2024年)最後の会見です。
昨年(2023年)の今頃は「チャレンジング」発言で盛り上がっていました。今回も何か飛び出すかもしれません。要注目でしょう。
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