スペースX上場!時価総額2兆ドル超の企業誕生
西原宏一(以下、トレーダー西原) 叶内文子(以下、MC叶内) みなさん、こんにちは。
トレーダー西原 では叶内さん、さっそく先週(6月8日~)の株の振り返りからお願いします。
MC叶内 神経質でボラタイルな1週間で、日経平均株価はザラ場で6万2000円台から6万7000円台、値幅約4700円に達するという展開でした。
中東情勢を巡って悲観と楽観を繰り返し、原油価格、インフレ見通しが左右されました。6月5日(金)の米雇用統計などの強い経済指標で高まった米利上げ観測も、ハイテク株に逆風となりました。
6月12日(金)に新規株式公開(IPO)したスペースXを買うための資金捻出売りが出たとの指摘も聞かれました。
ただ、同日にトランプ米大統領がイランとの戦闘終結に関し早ければ週末にも合意文書に署名する可能性に言及したことをきっかけに投資家心理が改善、S&P500も日経平均も長い下ヒゲをたぐる週足形成となりました。
S&P500種株価指数は前週末比0.65%高と前週の急落から小反発。NYダウは0.7%高、ナスダック総合指数も0.7%高と反発。半導体株指数SOXは9.4%高と大きく反発しました。
日経平均株価は戻しきれず、前週末比568円(0.9%)安の6万6020円と4週ぶりの下落。TOPIXは1.7%安と続落です。
米国では、小型株指数ラッセル2000が3.9%と大きく上昇し、史上最高値を更新したのが目を引きました。
そして最大の話題だったイーロン・マスク氏率いるスペースXのナスダック上場。初値150ドル、その後一時176ドル台まで買われる好スタートでした。
伸び悩んで終わっていますが、一気に時価総額2兆ドルを超える上場企業の誕生です。
宇宙・AI関連としての期待で個人の人気が高く、浮動株の少なさも株価の支えになると言われています。アナリストの投資判断はまちまちです。早速スペースXの株価3倍に連動するETF(ティッカー:ELON)が上場されています。今後の株価動向は全体相場への影響も大きそうです。

(出所:TradingView)
日本市場では金曜日、キオクシアHDがトヨタ自動車の時価総額を抜いて日本企業トップになったことがニュースでした。先日1位になったソフトバンクGは第3位です。
為替市場はいかがでしたか。
トレーダー西原 先週(6月7日~)の注目はECB(欧州中央銀行)理事会。
ECBの誘導目標金利は0.25%引き上げられ、2.25%となりました。
米国とイスラエルによる今年(2026年)2月末のイラン攻撃以降、日米欧の主要中銀で利上げは初めてです。
ただ、これは100%織り込まれていたため、ユーロに大きな動きはありません。
このところの為替相場は、主要通貨のユーロに加え、米ドル/円も神経質なもみ合いが続いている展開。
その要因はマーケットが下記の3つの要因に動きがあるのを待っているからだと想定しています。
(1)米国とイランの和平が合意
(2)日銀の金融政策決定会合
(3)FOMC
そして本日(日本時間15日)未明、米国とイランが和平で合意したと報道されました。
本当に合意するのかどうかもわからないといった報道が飛び交っていましたが、今回は和平が合意される模様です。
スペースXの上場を受けて関連銘柄の動きも注目される中、和平合意もあり、本日(6月15日)は日本株の急騰が期待されます。そして、為替相場は円安基調が続いています。
その要因は、まず原油価格。
やっと和平で合意となりましたが、原油価格は戦争前の60~65ドルに戻ったわけでもなく81ドルレベル(本稿執筆時点)で推移しています。
これで中東からの原油輸入が再開しても、戦争前より高い原油を購入することになり、これは円安要因です。
もうひとつの要因は、原油備蓄の放出です。
イラン戦争勃発以降、原油が急騰しても備蓄放出を通じて貿易収支の赤字が抑制されてきましたが、これは将来的なインフレ圧力と円売り圧力の拡大につながると懸念しています。
日銀とFOMC(米連邦公開市場委員会)については展望で触れますね。
では、叶内さん、今週のイベントと株の注目点をお願いします。
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米国とイランの最終合意を見届けたいムードが市場で醸成されるか?
MC叶内 日本時間15日(月)早朝、米国とイランとの間で和平合意が成立したと伝わり、週明けの東京市場はリスクオンで始まっています。
次第に19日(金)の最終合意を見届けたい、合意内容を精査したいムードも出るかもしれません。そのほか、上述のスペースXの株価動向が気になるところです。
今週(6月15日~)は中銀ウィークです。日銀は15~16日の金融政策決定会合で0.25%の利上げを行う見込み、16~17日開催のFOMCは政策金利を据え置く見通しで、金融市場での織り込みが進んでおり、波乱の可能性は少ないとみられます。
ただ、ECB(欧州中央銀行)は先週(6月8日~)約3年ぶりに政策金利の引き上げを決めましたし、世界的に緩和から引き締めに流れが変わったと改めて意識されるかもしれません。
また、今回のFOMCでは新議長に就任したケビン・ウォーシュ氏の発言、議会運営にも注目が集まります。これまでの持論をどう修正するのか、しないのか。このインフレを「一過性」と見るのかどうか。場合によっては市場の変動率を大きくすると思っています。
日銀は植田総裁不在で、内田副総裁が記者会見を行います。方針を明確には打ち出しにくそうです。
なお、18日にBOE(イングランド銀行[英国の中央銀行])の金融政策委員会も予定されています。スイス、豪州、ブラジル、スウェーデン、ノルウェーなどでも会合が開催されます。
経済指標では、国内では17日の4月機械受注、5月貿易収支、19日の5月全国CPIが注目です。
米国では15日の5月鉱工業生産、17日の5月小売売上高、18日の4月コンファレンスボード景気先行指数が重要です。
19日(金)がジューンティーンスの祝日で休場、18日に米国クアドラプル・ウィッチング(SQにあたる)になります。16日発表の中国の5月鉱工業生産と小売売上高にも注目です。
また、15~17日フランス・エビアンでG7サミットが開かれます。昨年(2025年)カナダで開かれた際、トランプ大統領が途中退席する事態となりました。欧州と米国の関係改善はみられるのでしょうか。中東情勢、ロシア・ウクライナ問題、中国への対応、重要鉱物などが議題になります。
そして、今回のG7には、OpenAIのサム・アルトマンCEO、Anthropicのダリオ・アモデイCEOらが参加するそうで、AIもテーマになります。AI関連銘柄が株式市場でも大きな存在となっているのも当然、という気がします。
為替市場の見通しはいかがですか?
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米ドル/円は時間をかけてゆっくり円安が進む展開か
トレーダー西原 叶内さんが取り上げてくれたスペースXのIPOは為替関係者でも注目の的。多くのトレーダーがこのIPOに参加しています。日本の多くの個人投資家も、このIPOに参入しているようです。
今年(2026年)はOpenAI、そして大注目のAnthropicのIPOも控えており、こうした展開は当然、米ドル買いを発生させるため、米ドル/円の下支えになると想定しています。
今週(6月15日~)の展望ですが、まず日銀金融政策決定会合について(16日)。
OIS(オーバーナイト・インデックス・スワップ)では、0.25%の利上げを97%も織り込んでいるため、日銀は利上げせざるを得ない状況に追い込まれているともいえます。
仮に利上げが見送りになると円安が加速してしまうからです。
利上げされれば誘導目標金利は1.00%になります。
そして注目が集まったのがロイターの下記の記事。
日銀の国債買い入れ、27年4月以降は減額一時停止を検討=関係筋
(出所:ロイター)
これをQT(量的引き締め)の停止という報道もありますが、国債買入の減額を停止しても保有国債の大量償還によって今後数年にわたってバランスシートの縮小は続くのでQT停止というわけではありません。
ただ長期金利の上昇を嫌い、国債買入の規模を現状継続するということになるため
ややQE(量的緩和)的な意味合いになります。
これは金融緩和の継続ともいえ、投機筋の円売りを招くリスクがあります。
こうした見方が円安要因となり、米ドル/円が底堅く推移しています。
もうひとつの注目はFOMC。
誘導目標金利は現行の3.50~3.75%で据え置きがほぼ確定。OISでは98~99%の確率でホールド(据え置き)を織り込んでいます。
注目されるのは新議長に就任したケビン・ウォーシュ氏にとって初めてのFOMCであること。
JPモルガンは「2026年を通じて据え置きが続く」と予想し、「イージングバイアス(利下げ方向)からニュートラル(中立)への明示的なシフトが起きるだろう」と指摘しています。
緩和からニュートラルへのシフトなので、金利面から捉えれば、米ドル買い。
こうした流れから連想させるのは、全体的にじわじわと米ドル高に振れる要素が強いと考えています。
その中でも底堅いのが米ドル/円です。
繰り返しになりますが、イラン戦争勃発以降、原油が急騰しても備蓄放出を通じて貿易収支赤字が抑制されてきましたが、これは将来的なインフレ圧力と円売り圧力の拡大につながると懸念しています。
為替介入への警戒感が強いため、米ドル/円は急騰するわけではありませんが、時間をかけて円安が進行すると考えています。162.00円はバリアオプションがあるため要注意です。

(出所:TradingView)
トレーダー西原 MC叶内 それでは、今週(6月15日~)も株と為替のトレードを楽しんでいきましょう!
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