米国が今後、利上げを急速に進めざるを得ない状況に変わりはなく、米金利の上昇は続くだろう。足もとの相場は米ドル一強で、米ドルを売るのは避けたいところだ。米ドル/円は押し目買いで良いだろう。米ドル/円は、1998年に147円で天井をつけたあとの戻り高値が135円になる。135円近辺ではいったん止まるだろうが、やがて140円方向へ向かうだろう。

「米ドル/円の130円、米10年債利回りの3％」という、大きな節目を今回のステージでは超えられなかった。米株下落によるリスクオフの米ドル買い、米金利の反転、中国経済の失速、さらに、第1四半期最大のテーマだった南半球＆資源国通貨買いの調整……、こうしたことを考えると、今週は豪ドル/米ドルの売りが良いのではないだろうか。

米ドル/円と米10年債利回りの相関が非常に高まっている。米10年債利回りが3％を超えてくると、米ドル/円も130円を超えてくるのではないか。今週も米ドル/円の押し目買い方針を継続で、米国の金利以外の要因で下げたところは買い場と考えて良いだろう。ただし、5月6日が相場に転換日となる可能性がある。

米ドル/円は、チャート的にはどこかで崩れそうだが、短期的には上に行きたそうな形となっており、黒田シーリングの125.86円を目指してもおかしくなさそうだ。ユーロ/円は、チャート的にも月足レベルの大きな三角持ち合いを上に抜けており、大相場になるかもしれない。

「2022年はFXの年になる」との声が高まっている。米ドル/円は、123.50円にかなり大きな金額のオプションが設定されているため、このオプションが消滅するまで、123.50円より下では買って、上では売る短期トレードが狙えそうでだ。中長期的には、下がったところをていねいに拾っていくのが良さそうで、100円を目指しそうな豪ドル/円の押し目買いも検討したい。

市場では1米ドル＝130円どころか150円との声も出てきた。日本国内から海外へ売るものがなく、海外から買う一方となれば、為替市場は円安になって当然との見方もできる。日銀総裁後任人事が取りざたされて利上げムードが高まりそうな夏、秋くらいまでに、1米ドル＝130円という可能性は十分ある。円安トレンドが続くなら、調整幅は１円から1.5円程度だろうから、買い指値を並べておき、落ちたところを丁寧に拾っていくのがよさそうだ。

今週も豪ドル/円の押し目買いがよさそうだ。ウクライナ危機により、南半球の通貨、資源国の通貨が買われる流れが強まり、豪ドルが買われている。一方、米ドル/円は「第2のクジラ」とも呼ばれる大学ファンドが買い支えしたことで、ダブルトップを形成していた116.35円を上抜けて底堅さを増している。この2つを合わせた豪ドル/円は中期的には90円、さらに上を目指していくのではないだろうか。

今週は豪ドル/米ドルの押し目買い継続がいいだろう。欧米がロシア産原油の禁輸を検討との報道をきっかけに、WTI原油が一時130ドルまで急騰。資源国通貨の豪ドルはまだ強そうだ。一方で、気になるのが米ドルだ。3月16日（水）のFOMCでは一時、0.5％利上げの可能性も高まっていたが、その線はほぼ消滅。0.25％の利上げにとどまり、毎会合利上げの雰囲気が後退している。

ロシアのウクライナ侵攻で核の恐怖が現実的なものとなり「北半球から南半球へ」という資金のシフトが起きつつある。南半球のオセアニア通貨が買われるのでないか。現時点の材料から考えれば、トレードは先週からスタンスを変え、豪ドル/米ドル、あるいは豪ドル/円の押し目買いが良いのではないだろうか。

ウクライナで戦闘が始まれば、有事懸念から売り込まれていた株式などには買い戻しが入る局面もあるかもしれない。ただ、株式市場はウクライナ問題だけで売られているわけではない。根底にあるのは米国の金融政策の転換で、３月16日のFOMCで始まる利上げを嫌気して、株式市場が大きく調整してリスクオフへ向かうという基本的シナリオは変わっていない。米ドル/円と豪ドル/円の戻り売りを継続したい。

米国では「7月までに1％の利上げを支持する」としたブラード米セントルイス連銀総裁の発言が波紋を呼んだ。今は臨時FOMC開催の噂も飛び交うほどの異常事態だ。米長期金利が大規模な上昇となれば株価は崩れるし、北京五輪が閉幕すれば中国の不動産バブル崩壊が露呈する可能性もある。こうしたことから、豪ドル/円の戻り売り継続でいいのではないか。

ユーロが為替市場の主役に躍り出た。利上げが織り込まれていたBOEと違い、ECBは「よもや」のタカ派転換だったため、サプライズがあった。以前なら、ユーロ高になると、ECB高官が牽制発言で市場を冷ましていたが、インフレ抑制のためならば、あえてユーロ高を誘導する可能性すらあるのかもしれない。年内の利上げを明言するまで、ユーロの買われやすい地合いが続きそうだ。

先週のFOMCによって、株価急落への懸念はさらに高まったと考えている。米国の利上げによる米ドル高と、リスクオフの円高が入れ替わりながら、今年は進むのかもしれない。今すぐではないが、日本銀行も、いずれ利上げへと動く可能性が出てきたことも円高材料だ。米国株の下落によるリスクオフは続くと思われ、クロス円、特に反発余地の限られたニュージーランドドル/円の売りが良さそうだ。

先週は、米国株が大きく下落した。米国でテーパリングの終了、3月の利上げ、近い将来のQT（量的引き締め）が行なわれる中、米国株は多少戻す場面もあっても、大きく浮上することは考えづらい。株価の下落とともに、米ドル/円は下がりやすいだろう。米ドル/円の、売りトレードが良さそうだ。

米国の小売売上高が予想を大きく下回り、ミシガン大学消費者マインド指数も10年ぶりの低水準となった。ただ、インフレで利上げはせざるを得ず、市場が織り込む年内4回の利上げが行なわれれば、株価も下がらざるを得ないだろう。株価下落に相関するのは豪ドル/円で、過去の例を見ると米ドル/円も米国の利上げの初動で売られやすい傾向がある。目先は、豪ドル/円か米ドル/円の戻り売りで良いのではないか。

2022年に注目したい通貨のひとつがユーロだ。インフレ圧力により、ECBがタカ派に転換するサプライズが起きれば、ユーロは大きく上昇するだろう。来年は1.18ドル、2025年は1.30ドルをターゲットにする予想も出ている。来年のどこかでユーロ買いとなる場面が出てくるだろう。大手銀行などは、米ドル/カナダドルの売りに注目しており、1.20カナダドルを大きく割り込んで、カナダドル高が進むと見ているようだ。

タカ派だった12月のFOMCを受けても、米国債の利回りが低下している。マネーが債券へと逃げているのであれば、リスクオフの兆候だろう。日本のFX投資家による円売りが過去最大に積み上がっているようで、IMMでも円が5万枚ほど売り越されている。年末から年初の米ドル/円は、2019年1月のようなフラッシュ・クラッシュに注意が必要だろう。今週は、米ドル/円かNZドル/円の売りが良さそうだ。

オミクロン株への警戒が薄れ、先週の為替市場はリスクオン的な動きとなった。今週は12月15日のFOMCを筆頭に、中央銀行の政策会合が続くが、事前の織り込みや発言によっても変わるため、決め打ちせず慎重に判断していきたい。トレードは、基本的にはリスクオンに期待した、豪ドル/円やカナダドル/円の押し目買いを中心に考えたい。

今週はオセアニア通貨、とくに豪ドル売りがよさそうだ。IMM（国際通貨先物市場）で、豪ドルの売りが積み上がっているが、豪ドルを売りたいというより、リスクオフに備えている可能性がありそうだ。豪ドル/円の売りか、ユーロ/豪ドルの買いがいいだろう。

11月26日は、南アフリカで新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン」が拡大したことでリスクオフとなった。米ドル/円は、チャート的には深めの押しが入りそうな形になっており、オミクロン株に関する続報が出るまでは、無理に取引せず、様子見がよさそうだ。