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今井雅人の「どうする? どうなる? 日本経済、世界経済」

イタリア選挙で波乱! 米国経済は回復へ。
ドル/円95円、日経1万2000円の壁は厚い

2013年02月28日(木)19:46公開 (2013年02月28日(木)19:46更新)
今井雅人

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■マーケットに波乱を呼んだイタリア総選挙!

 みなさん、こんにちは。

 先日(2013年2月24日、25日)、実施されたイタリアの総選挙は、なかなかの波乱を呼ぶものとなりました。

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 下院では、現在の政権を支える緊縮政策支持派が勝利したものの、上院で過半数を得ることができなかったことが混乱を生じさせる一因となっています。

 特にイタリアは、上院と下院が同等の権限を持っているため、「ねじれ国会」は、ほかの国より問題視されがちです。物事が決まっていかないリスクが非常に高まっています。

【参考記事】
イタリア総選挙が大接戦で相場大荒れ! 米ドル/円は一時、90円台まで急落!!;

■モンティ首相への金融市場の評価は高かったが…

 イタリアのモンティ首相は、ギリシャショックに端を発した一連の金融危機に対して、増税や年金改革などで財政赤字の削減を図り、労働市場に柔軟性を持たせる法改正などの構造改革にも着手してきました。

 市場の反応を見る限り、モンティ首相への金融市場の評価は高かったと言えます。

 しかし、緊縮財政を実施すると当面は景気回復が難しくなり、増税が実施されることで、国民負担は増加します。

 一般的に大衆は、自身の現在の生活がどうであるかという点に心理的な影響を受けやすいので、景気が悪くなり、負担も増えるということになれば、理屈より感情が優先してしまうということでしょう。

 まさに今回のイタリアの総選挙は、こうした大衆心理が如実に反映されたものであったと思います。

■欧州危機は根本的に解決はしていないが…

 こうした混乱に対して、今後は当面の間、連立工作が行われると思いますが、緊縮財政支持派と反対派の間の溝は深く、状況は極めて不透明です。

 連立工作がうまくいかない場合、首相任命権と議会解散権を持つ大統領が再選挙を決断する可能性も出てくるかもしれません。そして、実はこういうリスクは欧州各国どこもが抱えている問題であることを頭に入れておかなければいけません。

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 繰り返しお伝えしてきたように、欧州金融危機問題は、根本的には解決されてはいないということです。

【参考記事】
2013年の注目ポイントは? 日銀会合、米財政問題、独伊選挙。今年も材料満載!(1月10日、今井雅人)

 ただ、私個人的には、この問題が今後大きく波及していくとは考えていません。ギリシャでもそうでしたが、どこかで政治家も落ち着きどころを探ってくるからです。

■住宅市場の強さが目立つ、米国景気は上向きに!

 一方、米国の景気状況が少しずつ上向いてきていることが象徴的です。先日発表されたS&Pケースシラー住宅価格指数12月分では、総合20の前年比が6.84%と大幅な上昇を見せています。

 さらに、住宅販売保留指数は、予想2.0%に対して、結果4.5%となりました。住宅市場の強さが、いろいろなところで確認できます。

 これまでも米住宅価格の推移の重要性をお伝えしてきましたが、まさにそれが好転してきていることがわかります。

【参考記事】
市場は円安方向へ! 豪ドル/円は79.50円あたりのサポートラインをバックに買い!(10月18日、今井雅人)
米雇用統計が好調なら追加緩和見送りか。米ドル/円、豪ドル/円は少し買ってOK!(9月6日、今井雅人)
米ドル安・円高傾向だが、米国株は上昇。米国株が強い3つの理由とは?(8月9日、今井雅人)
行き過ぎで戻すも、売り圧力強いユーロ!米住宅市場は回復の兆しが見え始めた?(8月2日、今井雅人)
米景気回復のカギは雇用環境と住宅市場。住宅着工が弱く、米ドルは戻り売り継続!(2011年5月26日、今井雅人)

■米ドル/円95円、日経平均1万2000円の壁は厚いか

 実体経済の支えがあれば、米国株式市場など金融市場がある程度安定を保つことが期待されます。

 ただ、2012年11月以降、世界の投資家は潜在的なリスクに対して鈍感になって強気相場に乗ってきた感がありましたから、今回のイタリアの総選挙で冷や水をかけられたと思います。

 そうした点も考慮すると、今後、無条件に強気相場が続くというイメージも持ちにくいです。安定するものの、積極的に上値を更新していくのではなく、当面は踊り場の相場展開になると考えています。

米ドル/円は95円、日経平均も1万2000円の壁は、かなり厚いのではないでしょうか。

米ドル/円 日足

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日経平均株価 日足

(出所:株マップ.com


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