■マーケットに波乱を呼んだイタリア総選挙!
みなさん、こんにちは。
先日(2013年2月24日、25日)、実施されたイタリアの総選挙は、なかなかの波乱を呼ぶものとなりました。
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下院では、現在の政権を支える緊縮政策支持派が勝利したものの、上院で過半数を得ることができなかったことが混乱を生じさせる一因となっています。
特にイタリアは、上院と下院が同等の権限を持っているため、「ねじれ国会」は、ほかの国より問題視されがちです。物事が決まっていかないリスクが非常に高まっています。
【参考記事】
●イタリア総選挙が大接戦で相場大荒れ! 米ドル/円は一時、90円台まで急落!!;
■モンティ首相への金融市場の評価は高かったが…
イタリアのモンティ首相は、ギリシャショックに端を発した一連の金融危機に対して、増税や年金改革などで財政赤字の削減を図り、労働市場に柔軟性を持たせる法改正などの構造改革にも着手してきました。
市場の反応を見る限り、モンティ首相への金融市場の評価は高かったと言えます。
しかし、緊縮財政を実施すると当面は景気回復が難しくなり、増税が実施されることで、国民負担は増加します。
一般的に大衆は、自身の現在の生活がどうであるかという点に心理的な影響を受けやすいので、景気が悪くなり、負担も増えるということになれば、理屈より感情が優先してしまうということでしょう。
まさに今回のイタリアの総選挙は、こうした大衆心理が如実に反映されたものであったと思います。
■欧州危機は根本的に解決はしていないが…
こうした混乱に対して、今後は当面の間、連立工作が行われると思いますが、緊縮財政支持派と反対派の間の溝は深く、状況は極めて不透明です。
連立工作がうまくいかない場合、首相任命権と議会解散権を持つ大統領が再選挙を決断する可能性も出てくるかもしれません。そして、実はこういうリスクは欧州各国どこもが抱えている問題であることを頭に入れておかなければいけません。
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繰り返しお伝えしてきたように、欧州金融危機問題は、根本的には解決されてはいないということです。
【参考記事】
●2013年の注目ポイントは? 日銀会合、米財政問題、独伊選挙。今年も材料満載!(1月10日、今井雅人)
ただ、私個人的には…
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