■市場関係者の間でもがっぷり四つ! 米利上げはいつ?
本日9月17日(木)、日本時間でいえば18日(金)午前3時に米国のFOMC(米連邦公開市場委員会)の結果が発表になります。
1カ月ほど前までは、私は9月に一度利上げをすると考えていましたが、現段階では、今回は見送りになり、10月か12月に持ち越しになるのではないかと考えています。
【参考記事】
●9月米利上げの可能性は、まだ五分五分!この先、イケイケ相場にならない理由とは?(9月3日、今井雅人)
●FOMC議事録受け、米9月利上げ期待後退!ポイントとなった3つのキーワードとは?(8月20日、今井雅人)
市場関係者の中でも、見方が分かれています。
実際、市場のアナリスト113名中、利上げ予想が59名、据え置き予想が54名と、がっぷり四つの状況です。
そこで、今回の会合で利上げを実施した場合と見送られた場合に、市場がどういうふうに反応するのかという点について、少し考えてみたいと思います。
■利上げが「実施された」場合のマーケットの動き
まず、利上げをした場合でありますが、米ドルは一時的に上昇するのではないかと思います。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 1時間足)
しかし、その後の定例記者会見で、おそらくイエレンFRB(米連邦準備制度理事会)議長は、これで当面利上げはしないというようなメッセージを出すのではないかと推測されます。
そうなると、逆に材料出尽し感が出てきて、それ以上、米ドル高には向かわなくなるのではないかとイメージしています。
株式市場の反応ですが、最近の動きを見ていると、かなり理屈に合わない動きをする時があるので、予想するのが難しい状態です。

(出所:米国FXCM)
ただ、一般的に考えれば、利上げが発表された直後は下落するものの、その後は持ち直してくるという動きになるということではないでしょうか。
■利上げが「実施されなかった」場合のマーケットの動き
では逆に利上げをしなかった場合はどうでしょうか?
現在は、利上げをすると予想している人の方が若干多いので、こちらの場合は、市場の反応は鈍いかもしれません。
しかし、若干は米ドル安に反応するのではないかと思います。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 1時間足)
ただ、10月から12月には利上げをするのではないかという見方が次第に市場に影響を与えて、米ドルが買い戻されていくという展開になる可能性が高いのではないかと思っています。
あくまでもざっくりとした予想であるので、そのとおりに反応するかどうか、わかりませんが、一応のイメージングだけはしておきたいと思います。
ただ、今回のFOMCの決定がどちらになったとしても、大きなトレンドを作るような動きになる可能性はあまり高くないと思っています。
市場の変動幅は、それほど大きなものとならないと考えておきたいと思います。
■これまでの円安、株高トレンドは続かない可能性高い
ところで、9月17日(木)に、日銀が「資金循環統計」を発表しました。
その中身を見ると、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)やその他の公的年金では、4-6月期に、日本株は4068億円程度の売り越しとなっています。
一方、外貨資産に関しては、海外の債券や株式は、2兆1500億円程度買い越しています。
この動きを見る限り、若干の円売り圧力はあったものの、全体的には大きなポートフォリオの変更は、ほぼ終わっていることが改めて確認できます。
【参考記事】
●9月米利上げの可能性は、まだ五分五分!この先、イケイケ相場にならない理由とは?(9月3日、今井雅人)
●驚きのGPIF資産残高構成。もう、玉切れで株高・円安の流れが変わる可能性も…(4月2日、今井雅人)
●金融市場に衝撃が走った3つの要因とは?ドル/円は年内に120円まで上昇の可能性(2014年11月6日)
●GPIF運用委員長大胆発言と海外勢の買い?株高の影響で円安トレンド形成の流れへ(2014年6月5日、今井雅人)
そうなると、これまでの円安、株高のトレンドが続かなくなってくる可能性が高いということが、数字上でも確認できると思います。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)

(出所:株マップ.com)
■中国株の大きな下落局面は終了!
なお、中国株式に関してですが、これは前から申し上げているとおり、すでに大きな下落局面は終わったと思っています。
【参考記事】
●中国がバブル崩壊を認めたことの意味は? レンジ入りの米ドル/円はFOMC待ち!(9月10日、今井雅人)
これから当面は、低位でのもみ合いの展開に移ってきたということでしょう。
そういう意味では、中国株の動きの影響で日本の株式市場や円相場が大きく動くという状況にもないと思っています。
これらの市場環境を全体的に鑑みれば、相場のレンジが狭くなってきたという認識でトレードに臨む時期ではないでしょうか。
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