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西原宏一の「ヘッジファンドの思惑」

2016年は英国のEU離脱懸念が高まる!?
英ポンド/円は下落余地拡大で170円へ

2015年12月24日(木)17:15公開 (2015年12月24日(木)17:15更新)
西原宏一

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 2015年も残すところ、あとわずかとなりました。

 本年も大変、お世話になりました。来年もよろしくお願いします。

■2015年の米ドル/円は「黒田ライン」で伸び悩む

前回のコラムでも取り上げましたが、今年(2015年)は、9年半ぶりの米利上げがテーマとなり、米ドルが底堅く推移するも、米ドル/円は上値が125円台で抑えられ、115~125円台という狭いレンジで終了。

【参考記事】
米国が約9年半ぶりに利上げを実施! でも、なぜ米ドルは急騰しなかったのか?(12月17日、西原宏一)

 結局、米国の利上げの行方に関わらず、米ドル/円は「黒田ライン」として意識された125円近辺で上値を抑えられた展開に終始しました。

【参考記事】
ザイFX!で2015年を振り返ろう!(2) 「黒田ライン」意識で伸び悩んだ米ドル/円

米ドル/円 週足
米ドル/円 週足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 週足

 振り返ってみれば、今年(2015年)の米ドル/円の始値は、119.73円ですので、9年半ぶりの米利上げがテーマであったにもかかわらず、米ドルは対円で、ほとんど上昇していないことになります。

 アベノミクスを背景に、2012年~2014年と続伸してきた米ドル/円ですが、今年(2015年)は伸びきらず…。

【参考記事】
【2013年相場見通し】日経平均とドル/円が注目の的。ドル/円の上値メドは90円に!(2012年12月27日、西原宏一)
アベノミクス第2章の2014年は緩やかな円安相場となり、ドル/円は年末に115円へ(2013年12月26日、西原宏一)
米ドル高継続でドル/円は130円が目標! でも2015年1月のトレードは慎重に入るべき(2014年12月25日、西原宏一)

 米ドル/円は、昨年(2014年)10月からのサポートラインである120.00円レベルを割り込むと、反落懸念が高まりますので要注意です。

【参考記事】
米国が約9年半ぶりに利上げを実施! でも、なぜ米ドルは急騰しなかったのか?(12月17日、西原宏一)

米ドル/円 週足
米ドル/円 週足

(出所:CQG)

■2016年は米ドル高と円高がともに進行か

 一方、中期的見通しでは、ユーロを筆頭に他通貨では、米追加利上げを背景に米ドルが緩やかに上昇するというマーケットのコンセンサスは変わらないため、2016年は米ドル高、円高という予測も増えてきています。

 そうなると、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)のボラティリティが上がりそうです。

世界の通貨VS円 週足
世界の通貨VS円 週足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 週足

■利上げ予測で上昇し、利上げ予測後退で下落した英ポンド

 前述のように、市場参加者の視点がクロス円取引に移行する中、注目が集まってきているのが英ポンド/円。

 今年(2015年)前半の英ポンドは、BOE(イングランド銀行[英国の中央銀行])の利上げ予測の高まりを背景に上昇しました。

英ポンド/円 週足 
英ポンド/円 週足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/円 週足

 6月24日(水)の英ポンド/円は一時、195.89円と200円に迫る勢いで急騰しました。

 しかし、カーニーBOE総裁への「頼りにならない彼氏(unreliable boyfriend)」と揶揄された発言などもあり、BOEの利上げ予測は急速に低下。結果、英ポンドは対ユーロ、対米ドルともに反落しました。

ユーロ/英ポンド 週足
ユーロ/英ポンド 週足

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英ポンド/米ドル 週足
英ポンド/米ドル 週足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/米ドル 週足

 そして、英ポンド/円も急落し、サポートであった週足・一目均衡表の雲の下限(182.00円)と突破すると下落に拍車がかかり、12月22日(火)には、一時、179.04円まで急反落しています。

英ポンド/円 週足
英ポンド/円 週足

(出所:CQG)

■英ポンド下落の背景に、英国のEU離脱懸念あり

 この英ポンドの下落に拍車がかかった要因の1つが「Brexit(英国のEU離脱)」懸念

 2015年5月のイギリス総選挙では、混戦との事前予想を覆して、与党保守党が大勝し、単独過半数を獲得しました。

 そしてキャメロン政権は、公約として掲げてきたBrexitを問う国民投票を2017年に実施せざるを得なくなります。

 このBrexit懸念が2016年の英ポンドの下落を誘引するため、2016年は英ポンドの下落予測が拡大しています。

英ポンド/米ドル 週足
英ポンド/米ドル 週足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/米ドル 週足

 前述のように、英ポンド/円は、週足・一目均衡表の雲の下限である182.00円を突破。

 さらに、75週移動平均線(182.87円)を割り込んでいることから、英ポンド/円の下落余地が拡大。170円をめざす動きとなっています。

英ポンド/円 週足
英ポンド/円 週足

(出所:CQG)

 2015年後半はBrexit懸念を背景に下落に転じた英ポンド/円。

 米国の大手金融機関のモルガンスタンレーは、2016年の推奨トレードの1つとして、英ポンド/円のショートを取り上げているようです。

 2015年はGrexit(ギリシャのユーロ圏離脱)が注目され、ユーロが脚光を浴びましたが、2016年はBrexitを背景に英ポンド/円の行方に注目です。


 次回のコラムは2016年1月7日(木)の予定です。

 来年もよろしくお願いいたします。


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