■日米の金融政策イベント待ちで神経質な展開
みなさん、こんにちは。
今週(9月12日~)の為替市場は、9月21日(水)に結果が発表される、日米の金融政策決定会合待ちで、神経質な動きが続いています(日銀の動向については、9月13日(火)に公開した「FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議」を参照してください)。
【参考記事】
●FOMCと日銀会合のイベント待ち相場へ。米9月利上げの可能性は? 日銀はどう動く?(9月13日、西原宏一&大橋ひろこ)
■これまでの米利上げを織り込む動きを振り返る
今回のコラムのテーマは、米国の利上げについてです。
8月末にジャクソンホールで開催された経済シンポジウムまで、米国の利上げについて、マーケットではほとんど織り込まれていませんでした。
【参考記事】
●米国が新金融政策を模索!? イエレン講演次第で米利上げシナリオ修正、ドル急落も(8月25日、西原宏一)
金利の正常化を模索しているFRB(米連邦準備制度理事会)ですが、このところの軟調な米経済指標から少なくとも、12月までは利上げは行われないというのがコンセンサスになっていました。
そんな環境下、ジャクソンホールでのイエレン議長の講演当日、米ドル/円は一時、100.00円を割り込むレベルまで、売り込まれる展開に。
ところが、ジャクソンホールでのイエレン議長のコメントに呼応して、フィッシャー副議長が、利上げについて言及。
【参考記事】
●FRB副議長の発言により米金利急騰でドル上昇! 9月利上げは経済指標次第!(8月29日、西原宏一&大橋ひろこ)
マーケットは一気に米利上げを織り込む形で、米ドル高が進行。米ドル/円は一時、104.32円まで反発しました。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)
その後、各FRB理事が発言をするたびに、利上げの織り込み度は激しく変貌。
9月12日(月)には、注目のブレイナード理事がハト派のコメントをしたことで、米利上げ観測は大幅に後退。
【参考記事】
●FOMCと日銀会合のイベント待ち相場へ。米9月利上げの可能性は? 日銀はどう動く?(9月13日、西原宏一&大橋ひろこ)
しかし、彼女のハト派なコメントを受けても、米国株は安定さを取り戻せず、今週(9月12日~)の米国株は続落しています。

(出所:CQG)
NYダウもS&P500もTDシーケンシャル(※)では、反落のサインが点灯したままで、続落の可能性を示唆したままとなっています。
(※編集部注:「TDシーケンシャル」とは、トーマス・R・デマーク氏が開発したテクニカル指標の1つ)
■米利上げ見送りなら予想どおり、利上げ決行なら…!?
そして、FOMCの結果が発表される、9月21日(水)当日のマーケットの展開ですが、利上げ見送りでは、大方の予想どおりなので、米国株は高値安定でしょう。
一方、米利上げが決行された場合は、米国株が崩れ、リスクオフのマーケットとなり、豪ドルなどのリスクアセットが大きく値を崩す可能性が高いため、要注意です。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/米ドル 日足)
■米ドル/円は75日移動平均線の壁がどうしても破れない
米ドル/円に視点を移すと、日米の金融政策決定会合を控えて神経質な動きを続けているものの、101.50円~103.50円をコアとした狭いレンジでの乱高下を演じています。
ここで注目すべきはまず、75日移動平均線。
今年(2016年)は英ポンド/円を中心に、円高トレンド。米ドル/円も円高トレンドとなっています。
【参考記事】
●Brexitの影響により1年で約67円暴落したポンド/円が反発! 米ドル/円への影響は?(9月8日、西原宏一)

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 週足)
下落トレンドの中、米ドル/円は何度か反発する局面はあるのですが、必ず75日移動平均の壁が破れず、反落しています。
今週(9月12日~)の米ドル/円も、75日移動平均線が位置している103.30円を超えられず反落。

(出所:CQG)
■日足・一目均衡表の雲がどうしても超えられない
そして、もう1つのポイントは、日足・一目均衡表の雲の位置。今年(2016年)の米ドル/円はこの雲がどうしても超えられず、反落を繰り返しています。

(出所:CQG)
一方、米ドル/円の100円割れも一時的なものに止まり、サポートされています。
【参考記事】
●微妙な米雇用統計でも9月利上げは濃厚? 織り込み度低く米ドル/円に上昇余地アリ!?(9月5日、西原宏一&大橋ひろこ)
今年(2016年)最大のリスクと言われたBrexit(英国のEU離脱)決定時も、99.02円まで急落するも、時間をあけずに反発。
それ以降の米ドル/円は、安値圏でのレンジ取引を繰り広げています。
来週(9月19日~)、21日(水)に発表される日米の金融政策決定会合の結果により、センチメントは大きく変わるのでしょうが、決定を受けて、米ドル/円が75日移動平均線を超えてクローズするようであれば、2016年年初から続く円高トレンドに大きな修正が入る可能性があります。
年末の米ドル/円の動向を占う上で、重要なカギを握る日米の金融政策決定会合。
加えて、米ドル/円の75日移動平均線での攻防に注目です。
【ザイFX!編集部からのお知らせ】
ザイFX!で人気の西原宏一さんと、ザイFX!編集部がお届けする有料メルマガ、それが「トレード戦略指令!(月額:6600円・税込)」です。
「トレード戦略指令!」は10日間の無料体験期間がありますので、初心者にもわかりやすいタイムリーな為替予想をはじめ、実践的な売買アドバイスやチャートによる相場分析などを、ぜひ体験してください。















![ヒロセ通商[LION FX]](/mwimgs/9/7/-/img_975127cf2c6be2ac1a68a003ef3669c022946.gif)
![ゴールデンウェイ・ジャパン(旧FXトレード・フィナンシャル)[FXTF MT4]](/mwimgs/c/d/-/img_cd98e6e3c5536d82df488524d85d929d47416.gif)








株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)