■政策金利の引き上げは、本当に米ドル高要因になるの?
現在も、ここから反転して米ドル高になっていくと予想している専門家の意見を聞いてみると、米国の景気状況は良好で、政策金利を徐々に引き上げてくるということを米ドル高の要因と見ている人が、ほとんどです。
これは正しいのでしょうか?
3月15日(水)、FOMC(米連邦公開市場委員会)は、政策金利を0.25%引き上げました。その時点で、2017年は、あと2回、政策金利の引き上げが行われるという見通しがコンセンサスになっています。
【参考記事】
●米利上げ実施。なのにドルは全面安に!神経質な動きの原因は、トランプ大統領?(3月16日、今井雅人)
ということは、今、この時点において、市場は、あと2回の利上げをほぼ織り込んでいると考えることができます。
FOMCの利上げペースが、さらに速まるような展開となってくれば状況は変わってきますが、そうでなければ、この材料をもって米ドルが上昇するというのは、少し無理があるような気がします。
そう考えると、当面、米ドルの反転・上昇はかなり難しいのではなかと考えています。
現状は、もみ合いに入っていますが、どちらかと言えば、米ドルの下値リスクは、まだ高いのではないでしょうか。とりあえず、1米ドル=105円台もあり得るとの見方を維持しておきたいと思います。
【参考記事】
●北朝鮮有事への懸念と米ドル安政策表明でドル/円は105円程度まで下落の可能性十分(4月13日、今井雅人)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
■6月総選挙で急上昇! でも、英ポンド高は一時的か…
また、2017年6月に英国で総選挙が行われることになりました。
突然の解散を受けて、ここで与党が勝利すれば、EU(欧州連合)離脱交渉に弾みがつくという期待感で英ポンドが買われています。
しかし、英国がEUを抜けることは、決して英ポンドにとってプラスに働くわけではないと思います。この英ポンド高は、一時的なものだと考えておきたいと思います。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/米ドル 4時間足)
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