■米ドル/円の動きが鈍い原因は?
米ドル/円は、すっかり動きが鈍くなってきています。
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新しい材料がなくなってしまったことやある程度、米ドル/円のロングポジションが整理されてきたことなどが、動きが鈍くなってきた原因であると考えられています。
その上で、今後どうなっていくかを、今回は少し考えてみたいと思います。
■米ドルが上昇したのは、経済対策への期待感が原因
まず、2016年からの流れを振り返って考えてみましょう。
2016年11月、トランプ氏が米国の大統領選挙で勝利した際、一気に米ドル高が進みました。その原因は、トランプ大統領が掲げるさまざまな経済対策に対して、期待感が高まっていたことにあります。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 週足)
具体的に言えば、まず、大規模な財政出動による道路などのインフラ整備、それと大幅な減税です。特に、時限的措置として、海外にある内部留保金を米国内に還元することに対する減税措置が挙げられます。
米ドル高の原因は、こうした政策に対する期待でした。
【参考記事】
●トランプ大統領誕生で暴落後に株高・円安へ!だが、トレンドを作ると考えるのは早計!?(2016年11月10日、今井雅人)
●トランプ相場で「米国買い」状態だがすべて憶測による値動き。崩れる局面あるかも…(2016年11月17日、今井雅人)
■トランプ政権の経済対策への期待感は、剥げ落ちている
しかし、現在ではイスラム教圏の国からの入国制限の失敗、オバマケア廃止の失敗などからトランプ政権に対する信頼感が急速に低下し、経済対策についても、実現性を危ぶむ声が挙がってきているということです。
【参考記事】
●トランプ政権への不安がドル/円の重し!?たとえ戻りがあっても、頭は重くなりそう(3月23日、今井雅人)
●利上げでも米ドル安の衝撃。自慢はするがトランプ政権は結局、何も前に進んでいない(3月30日、今井雅人)
実際問題、ムニューシン米財務長官は、最近、税制改正などの一連の経済対策が、かなり遅れる可能性があると言及しています。
もはや、トランプ政権の経済対策に対する期待感は、剥げ落ちてしまっているということを忘れてはいけません。そうであるとすれば、再び米ドルが上昇し始めるには、別の理由が必要になってくるということです。
現在も、ここから反転して米ドル高に…
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