■米ドルは相関関係の強い長期金利次第だが…
さて、こうした状況を受けて、市場はますます混沌としてくる可能性が高くなってきました。
米国の長期金利と米ドルの動きは、非常に相関関係が強いです。長期金利が上昇してこない限り、米ドル高の流れはできてきません。
【参考記事】
●米国株と米国債、米経済はどちらを反映? レイ・ダリオ氏の警告。米ドル急落に警戒!(6月8日、西原宏一)
最近、物価関連指標だけではなく、小売などの指標、あるいは企業や個人の景況感など、米国の経済指標は事前予想を下回る結果が相次いでいます。このような状況下では、長期金利の上昇は難しくなります。
では、米ドル安トレンドになるのでしょうか?
米国の政策金利が徐々に引き上げられていることは厳然たる事実です。他の国は、まだ利上げの兆候すら出てきていません。その環境下で、米ドル安トレンドができてくるというのも、あまり考えにくいです。
【参考記事】
●半年サイクルなら、6月のドル/円は安値に到達!? そのカギは「FANG」銘柄が握る?(6月12日、西原宏一&大橋ひろこ)
となれば、結局のところ、方向感のないレンジ相場になってしまう可能性がもっとも高いと考えてよいでしょう。
■米ドル/円は108.50円から111.50円のレンジを想定
ちなみにこういうときは、ポジションの傾きにも影響を受けやすくなります。
IMM(国際通貨先物市場)のポジションを見てみると、米ドル/円は相変わらずロング(円ショート)のままです。
一方、ユーロ/米ドルは、何年かぶりにユーロロング(ドルショート)に転換しました。
(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移)
そのことを、少し頭に入れておきたいです。
米ドル/円は108.50円~111.50円、ユーロ/米ドルは1.10ドル~1.13ドルのレンジを、当面は想定しておきたいと思います。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足)
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