■米利上げで「バイ・ザ・ファクト」、米ドル下落トレンド終焉か
このところ、米経済指標が示す景気状況はまだら模様だが、今週(6月12日~)のFOMC(米連邦公開市場委員会)直前に発表された指標は予想を下回る内容だった。
しかし、これは「塞翁が馬」で、結果的に米ドルの反転をもたらしたとみる。
前回の本コラムの指摘どおり、3月利上げ後の米ドルのパフォーマンスが典型的な「セル・ザ・ファクト」だったから、今回は直前まで米ドルが下落していたことが逆に「バイ・ザ・ファクト」をもたらし、米ドルの反転を促したわけだ。
【参考記事】
●過去2回の米利上げ後は米ドル安に…。でも今回は違うとみる! それはなぜか?(2017年6月9日、陳満咲杜)
ドルインデックスから考えてみると、一昨日(6月14日)の安値トライは2017年年初来の安値更新を果たしたものの、高く大引けして、同日の安値更新が「ダマシ」である可能性を示唆した。
(出所:Bloomberg)
昨日(6月15日)大きく反騰し、6月9日(金)高値のブレイクをもって一昨日(6月14日)のチャートの意味合いを明確化した。
すなわち、一昨日(6月14日)のチャートは「フェイクセットアップ」のサインを点灯、ショート筋が「わな」に引っ掛かったことで、一転して上昇方向へ「セットアップ」されたわけで、これから続伸する公算が高い。
反騰トレンドの継続は、5月30日(火)高値のブレイクがあれば、一段と強まる見通しで、同高値はベア(下落)トレンドの終焉を意味する「転換点」として位置づけられる。
■米ドル/円は6月2日高値111.70円のブレイクをめざすだろう
同じように、米利上げ直前の安値更新が米ドル/円でも見られたが、昨日(6月15日)の大幅反騰をもって同安値が「ダマシ」であったことを示し、また、6月9日(金)高値のブレイクをもって、昨日(6月15日)のチャートが「フェイクセットアップ」のサインだったとして認定された。
このサインは、5月高値を起点とした調整子波の終焉を告げる重要なサインであり、これから6月2日(金)高値のブレイクをめざすだろう。
(出所:FXブロードネット)
同高値を「転換点」と見なし、ブレイクがあれば、4月安値を起点とする上昇波に復帰するわけで、5月高値114.36円の再打診につながる見通しだ。
ちなみに、6月2日(金)高値111.70円のブレイクがあれば、米ドル/円日足におけるGMMAチャートが再び「トビウオ」(短期移動平均線グループと長期移動平均線グループのゴールデンクロス)のサインを点灯する見込みであるから、米ドルのブル(上昇)基調は一段と証左されるだろう。
ドルインデックスと米ドル/円の値動きから考えると…
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