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ザイFX!で2017年を振り返ろう!(1)
為替相場よ、トランプ・ラリーは何処へ?

2017年12月15日(金)14:00公開 (2017年12月15日(金)14:00更新)
ザイFX!編集部

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 クリスマスのイルミネーションが街を彩る今日このごろ。2017年も残すところ、あとわずかですね。

 ということで、年末恒例、ザイFX!ならではの視点から振り返る2017年を、いくつかのシリーズに分けてお届けしていきたいと思います。トップバッターは【相場編】です。2017年のマーケットはどんな展開だったのか、さっそく振り返っていきましょう。

■トランプ・ラリーはどこへやら!?

 まず、思い起こせば昨年、2016年の終盤は、米大統領選挙でドナルド・トランプ氏が当選。過激な言動が話題となってきただけに、選挙前はトランプ氏が大統領になれば、「トランプ・ショック」で金融市場はリスクオフになると予想されていました。

 しかし、蓋を開けてみるとリスクオフはあっという間に終わり、まさかまさかの、「トランプ・ラリー」と称された、急激な米ドル高・米長期金利上昇、米株高の、三拍子そろった超リスクオン相場が到来!

 米ドル/円はトランプ氏の当選からわずか1カ月ほどの間に、101円台から118円台まで上昇するという、異常なほどの上げっぷりを披露することとなりました。

【参考記事】
ザイFX!で2016年を振り返ろう!(2) トランプ氏当選でまさかのリスクオン到来!

 そんな感じで2016年が幕を閉じ、いざ、2017年へ。今年もまずは、トランプ・ラリーがどこまで続くのかを見極めることになるのか?と思いきや……。

 なんと、2017年の米ドル/円は、1月の第1週目が今年の高値となってしまい、1月中旬ごろからは、107円台~115円付近を中心とした、方向感に欠けるレンジ相場が続く結果に。

米ドル/円 週足
米ドル/円 週足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 週足

 上の週足チャートではわかりませんが、厳密に言うと、米ドル/円が今年の高値118.66円をつけたのは1月3日(火)でした。日本の金融機関がお休みだったため東京市場は休場でしたが、世界的には元日の振替休日明けとなったこの日から取引が始まっていて、まさに、2017年の取引初日に、米ドル/円は今年の高値をつけたのです(※)。

(※本記事公開時点で、まだ2017年は終わっていないため、記事中の通貨ペアの高値・安値を含む2017年の動きは、12月14日(木)までの値動きを基に執筆。以下同)

 つまり、1月20日(金)の就任式を経て、トランプ氏が正式に米大統領に就任するのを待たず、トランプ・ラリーはどこへやら?という感じに米ドル/円はなってしまったのです。

 さらに、米ドルの全体的な強さを見る上で参考になるドルインデックスは、9月に一時91.01と、2015年1月以来の水準まで低下

ドルインデックス 週足
ドルインデックス 週足

(出所:Bloomberg)

 米ドル/円はこの時期に、今年の安値となる107円台まで下落しました。

 トランプ大統領は就任するやいなや、イスラム教徒が大多数を占める7カ国からの渡航者入国を一時禁止、メキシコと米国の国境に壁を建設、オバマケア(医療保険制度改革)の見直し、TPP(環太平洋連携協定)からの正式離脱など、反発必至な数多くの大統領令へ、矢継ぎ早に署名しました。

トランプ大統領は就任直後から、多くの大統領令へ矢継ぎ早に署名。2017年もトランプ大統領の言動に振り回される展開は続いた…… (C)Pool/Getty Images

 日米については、2度の首脳会談とゴルフ外交(2月・11月)、幾度も行われた電話会談などで堅い信頼関係が構築されたようですが、トランプ大統領の言動が他国との緊張を高め、米国の貿易に良くない影響を与えると思われたことも、米ドル安とまったく無関係とは言えなかったようです。

 ドルインデックスを見てもわかるとおり、2017年は米ドル高が加速せず、むしろ、米ドル安が進んだということですね。

【参考記事】
第45代米大統領にトランプ氏が就任! 新政権発表の最重要課題6項目とは?(1月23日、安田佐和子)
日米首脳会談は100%成功!日本は輸出脳から脱却すべし!? 為替はどのみちドル高に(2月14日、広瀬隆雄)
トランプ大統領の議会演説、税制改革に具体性なし。だが、それが相場にはいい!?(3月1日、広瀬隆雄)

■変動幅は11円ちょっと。2000年以降では5番目の狭さ

 結局、米ドル/円の高値は年初の118円台半ば、安値は9月の107円台前半となり、年間の変動幅は11円強、変動幅は9.56%ほどの動きに留まりました。

 日銀のマイナス金利導入、Brexit(英国のEU離脱)、トランプ米大統領の誕生など、サプライズだらけだった2016年の米ドル/円は、年初からザックリ22円以上も下落し、年末にはおよそ1カ月で一気に17円近く上昇するという、荒い動きでした。

【参考記事】
ザイFX!で2016年を振り返ろう!(1) 英国がEU離脱! 英ポンドは二度死ぬ!?

 その2016年と比較すると、今年の米ドル/円は、なんとも緩慢で退屈な値動きだったようにも感じます。

2000年以降の年間変動幅をザッと眺めてみると、2017年の米ドル/円の変動幅は5番目の狭さ。2015年の10.00円がもっとも狭く、10円台の値幅だった年が、ほかにも3回ありました。

※EBS(電子仲介システム)のデータを基にザイFX!が集計
※2017年の年間変動幅は、12月14(木)時点。

 今年の米ドル/円の変動幅が、歴史的にめちゃくちゃ狭く、ボラティリティが超低かったとは言いきれませんが、それほど動かなかったのも確かですね。

 米ドル/円は、そんな感じの動きとなりましたが、トランプ・ラリーを…

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