■中期での資源国から欧州への資金移動は変わらず
目先の中国株の反発とは裏腹に、米中関係を懸念する声は後を絶ちません。
たとえば、中国アリババの共同創業者、ジャック・マー氏のコメント。
「100万人の雇用を米国で創出するとの約束については、前提となる両国の友好的協力関係が貿易摩擦で崩れており、実現できない」
こうしたコメントは中国株だけではなく、米国株にとっても、少なくともポジティブなものではありません。
結果、中期においての中国株、ひいては豪ドルの下落トレンドは変わらないものと思われます。
(出所:Bloomberg)
(出所:Bloomberg)
以下は、2018年8月20日(月)~9月20日(木)の対米ドル騰落率です。
(出所:BloombergのデータよりザイFX!編集部が作成)
これを見ると、先週(9月10日~)に引き続き、英ポンドやスイスフラン、そして、ユーロに資金が流れ、豪ドルやNZドルから資金が流出していることは変わらないようです。
つまり、資源国通貨から欧州通貨に資金が移行しているわけです。
【参考記事】
●FRB議長が利上げの終盤を印象づけた!? 新興国から流出した資金が向かう先は…?(8月27日、西原宏一&大橋ひろこ)
●トランプ政権が米ドル安に向けて動く!? 欧州通貨上昇。米ドル一人勝ち相場終焉か(8月30日、西原宏一)
そのため、ユーロ/豪ドルなど、対欧州通貨での豪ドルクロス(豪ドルと米ドル以外の通貨との通貨ペア)の押し目をうまく拾っていくのがいいでしょうか?
■英ポンド/豪ドルに買い妙味アリ
以下は、ユーロ/豪ドルの日足チャートですが、1.63豪ドル台まで高騰し、現在、調整局面に入っています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/豪ドル 日足)
もう1つは、ユーロ/英ポンドの日足チャートです。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/英ポンド 日足)
ユーロ/豪ドルが1.63豪ドル台まで急騰している局面でさえ、ユーロ/英ポンドは、じり安の展開。つまり、豪ドルに対しては、英ポンドが極めて強い状況が続いています。
結果、英ポンド/豪ドルも、この調整局面では、うまく拾っておきたいところです。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/豪ドル 4時間足)
某大手米系銀行では、英ポンド/豪ドルの目標レートを1.9000豪ドルにしているところもある模様。
ただし、英ポンドに関しては、現時点でBrexit(英国のEU離脱)に関するヘッドラインが入り乱れて、ボラティリティが極めて高いため、取引は慎重に行いたいところです。
デマークインディケーターが示すとおり、先週(9月10日~)後半から調整局面入している豪ドル。
ただ、米中貿易戦争の終わりが見えないことで、中期での豪ドルの軟調な展開は変わらず。調整局面での豪ドルの反発については、ユーロ/豪ドルや英ポンド/豪ドルの押し目をうまく拾いたいところです。
【お知らせ】来週9月27日の「ヘッジファンドの思惑」は休載にさせていただきます。何卒、よろしくお願いいたします。
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