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保ち合いに出現する「コンティニュエーションフォーメーション」
FXチャートのフォーメーションは、「リバーサルフォーメーション」と「コンティニュエーションフォーメーション」の2種類のパターンに大別されます。そのうち、フォーメーションの完成後に、相場が出現前の方向へトレンドを継続させていく可能性が高いのが、「コンティニュエーションフォーメーション」です。
コンティニュエーションフォーメーションは、トレンドの中段の保ち合い(もちあい)で出現することが多いと考えられています。保ち合いとは、相場がほとんど動かないか、非常に小さな動きにとどまっている、酒田五法の三法に通ずるような状態です。相場には「横ばい」と呼ばれるトレンドもあり、保ち合いと横ばいが同じ意味で使われることもありますが、横ばいは相場のトレンドが見定めづらく、上下に小幅な値動きを繰り返しているボックス相場やレンジ相場を指すのが一般的です。
コンティニュエーションフォーメーションにもいくつかの形状がありますが、その中でも代表的なものとして知られているのが、「トライアングルフォーメーション」「ペナント」「フラッグ」「ウェッジ」です。
トライアングルフォーメーション
「トライアングルフォーメーション」は、保ち合いの中で値動きが徐々に小さくなっていき、サポートラインとレジスタンスラインを延長した先が重なって三角形(トライアングル)を形成するとみられる形状です。「三角保ち合い」とも呼ばれ、コンティニュエーションフォーメーションの中でも重要度が高いと考えられています。
トライアングルフォーメーションにはいくつかの形状がありますが、その中でも代表的なのが、「アセンディングトライアングル」「ディセンディングトライアングル」「シンメトリカルトライアングル」の3つのパターンです。いずれも反転ポイントは山と谷を合わせて通常は6つ、最低でも4つが必要となり、三角形の頂点へ達するまでに、価格がトライアングルをブレイクするものが当てはまると定義されています。
アセンディングトライアングル
「アセンディングトライアングル」は、レジスタンスラインがほぼ水平で、サポートラインが切り上がることで、2つのラインが最終的に三角形を形成すると予測されるパターンです。「上昇三角形」や「上昇トライアングル」とも呼ばれます。
次第に下値が切り上がる、市場参加者の買い意欲が増してきていることを確認できる強気のパターンで、こうした保ち合いは一般的に「強保合い」と称されます。上昇トレンドの中段に出現することが多く、上方向へトライアングルをブレイクする可能性が高い形状です。ブレイク前の最後の反転ポイントは、サポートラインに到達しないことが多いともいわれています。
ディセンディングトライアングル
「ディセンディングトライアングル」は、 サポートラインがほぼ水平で、レジスタンスラインが切り下がることで、2つのラインが最終的に三角形を形成すると予測されるパターンです。「下降三角形」や「下降トライアングル」とも呼ばれます。
次第に上値が切り下がる、市場参加者の売り意欲が増してきていることを確認できる弱気のパターンで、こうした保ち合いは一般的に「弱保合い」と称されます。下降トレンドの中段に出現することが多く、下方向へトライアングルをブレイクする可能性が高い形状です。
シンメトリカルトライアングル
「シンメトリカルトライアングル」は、サポートラインが切り上がり、レジスタンスラインが切り下がりながら、2つのラインが最終的に三角形を形成すると予測されるパターンです。。「対照三角形」とも呼ばれます。
シンメトリカルトライアングルは、買い方と売り方の双方のバランスが拮抗しながら、次第に値動きの幅が小さくなっていくパターンのため、トライアングルの形状だけを見ると、将来的に相場がトライアングルの上下どちらへブレイクするのかを、判断しにくいパターンといえます。
もっとも、コンティニュエーションフォーメーションそのものが、フォーメーションが完成すると出現前と同じ方向へトレンドを継続させていくことが多いと考えられていることから、上昇トレンドの中段に出現した場合は上方向、下降トレンドの中段に出現した場合は下方向へブレイクする可能性が高いと捉えます。
なお、「アセンディングトライアングル」「ディセンディングトライアングル」「シンメトリカルトライアングル」に代表されるトライアングルフォーメーションは、比較的短期間で形成されていくパターンと認識されていて、同じような形状でも比較的時間をかけてゆっくりと形成されていくものは、「コイル」と呼ばれることもあります。
ペナント・フラッグ
「ペナント」と「フラッグ」は、トライアングルよりも短い期間で形成されることが多く、相場が急騰や急落をしたあとに出現しやすいコンティニュエーションフォーメーションのパターンです。形状がペナント(優勝旗などの細長い三角形の小旗)やフラッグ(旗)に似ていることから、このように呼ばれています。
上昇トレンドの中の保ち合いで出現するペナントは「上昇ペナント」、下降トレンドの中の保ち合いで出現するペナントは「下降ペナント」といいます。
上昇トレンドの中の保ち合いで出現するフラッグは「上昇フラッグ」、下降トレンドの中の保ち合いで出現するフラッグは「下降フラッグ」といいます。
いずれも急騰や急落した価格の部分を旗の持ち手(ポール)とみなし、持ち手の部分も含めた形状を指すのが原則で、値動きの幅が徐々に小さくなって三角形を形成するのがペナント、値動きの幅がほぼ一定の状態で平行四辺形に近い形を形成するのがフラッグに該当します。
ペナントはシンメトリカルトライアングルと同様の対照三角形、フラッグはフォーメーションが形成される前の相場のトレンドと逆方向へ形成されるのが一般的で、どちらもフォーメーションが完成すると、出現前と同じ方向へトレンドを継続させていく可能性が高いパターンです。
ウェッジ
「ウェッジ」は、形状としてはフラッグと同じですが、三角形の頂点が形成されるまでの期間がフラッグよりも長いものを指します。
相場が上昇してきたあと、高値と安値の両方が右肩下がりとなって出現するのが「上昇ウェッジ」、相場が下落してきたあと、高値と安値の両方が右肩上がりとなって出現するのが「下降ウェッジ」です。
ウェッジはトレンドの中段だけでなく、相場の高値圏や安値圏で出現することもあります。そして、高値圏や安値圏で出現した場合は、フォーメーションが形成される前のトレンドとは逆の方向へ新たなトレンドが形成される、リバーサルフォーメーションになる可能性が高いと言われているため、どのような状況で出現したかをしっかり見極める必要があります。
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