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2019年06月28日(金)11:23公開 (2019年06月28日(金)11:23更新)
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■店頭CFDの取引期限はどうなっている?

 さて、東京金融取引所の今回の決定により、取引所CFDであるくりっく株365は最長で1年強の期限付き商品となり、ずっと持ちっぱなしはできず、取引期限が来れば、自動的に決済されることになります。

 一方、店頭CFDは取引期限がないものが多いです。また、店頭CFDにはくりっく株365の各銘柄と対象株価指数が同じと思われる銘柄があります

 つまり、本当は取引期限を気にせずくりっく株365を取引したいけれど、それができなくなるトレーダーの乗り換え先として店頭CFDが考えられる、というわけです。

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 有力な店頭CFD取引会社における、日経平均やNYダウ、DAX、FTSE100を対象とすると思われるCFDの取引期限が本当に無期限なのか、念のため確認しておきましょう。

 以下は有力な店頭CFD取引会社において、日経平均を対象とすると思われるCFDの取引期限と取引単位をまとめたものになります。

日経平均を対象とすると思われる店頭CFDの取引期限と取引単位
CFD
取引会社
原資産 銘柄 取引期限 取引単位
IG証券 日経平均 日本225種
株価指数
なし
GMOクリック
証券
日経225先物 日本225 なし
サクソバンク
証券
東京証券取引所
市場第一部に
上場する銘柄
のうち、市場を
代表する225銘柄を対象とした
株価指数
(修正平均株価)
日本株価
指数
なし
DMM.com
証券
不明 日本225種
株価指数
なし

 上表のとおり、IG証券DMM.com証券「日本225種株価指数」、GMOクリック証券の「日本225」、サクソバンク証券の「日本株価指数」に取引期限はありません。日経平均を対象とすると思われるCFDを取引期限を気にすることなく、取引することができます。

 また、取引単位は円で、くりっく株365の「日経225証拠金取引」と共通しています。

 それぞれのCFDの原資産を見てみると、IG証券の「日本225種株価指数」の原資産は「日経平均」ですが、サクソバンク証券の「日本株価指数」の原資産は「東京証券取引所市場第一部に上場する銘柄のうち、市場を代表する225銘柄を対象とした株価指数(修正平均株価)」という、名称が非常になが~いものとなっています。

 また、GMOクリック証券の「日本225」の原資産は米国のCME(シカゴ・マーカンタイル取引所)やシンガポールのSGX(シンガポール証券取引所)に上場されている「日経225先物」です。

GMOクリック証券の「日本225」のような原資産が「先物」のCFDには「価格調整額」というものが発生します。

 先物には必ず取引期限があり、同じ銘柄を永遠に取引し続けることはできません。

 そのため、CFDが参照している先物は新しい銘柄に切り替わるタイミングがあるのですが、古い銘柄と新しい銘柄に価格差がある場合は、その際、価格調整額が発生するのです。

【参考記事】
日経平均が死んでる10連休でも取引できる日経平均連動CFDのスペックを徹底調査!

価格調整額

 なお、GMOクリック証券の株価指数先物を原資産とするCFD銘柄では、価格調整額が発生する一方、くりっく株365の「金利調整額」に相当するようなコストがかかりませんが、CFD銘柄ではくりっく株365の「金利調整額」に相当するコスト(※)が日々発生することが多いです。そのため、長期でCFDを保有する際にはその点に注意が必要です。

(※「金利調整額」に相当するコストの名称は各CFD取引会社によって異なります)

■IG証券では円建てでNYダウのCFDを取引できる

 次に、有力な店頭CFD取引会社における、NYダウを対象とすると思われるCFDの取引期限と取引単位をまとめたものが以下になります。

NYダウを対象とすると思われる店頭CFDの取引期限と取引単位
CFD
取引会社
原資産 銘柄 取引期限 取引単位
IG証券 NYダウ ウォール街
株価指数
なし
IG証券 NYダウ ウォール街
株価指数
なし 米ドル
GMOクリック
証券
NYダウ先物 米国30 なし 米ドル
サクソバンク
証券
S&P ダウ・
ジョーンズ・
インデックス
社が選定する
米国経済を
代表する30
銘柄で構成
されており、
平均株価を
指数化した
もの
NYダウ
平均株価指数
なし 米ドル
DMM.com
証券
不明 ダウ工業株
30種平均
なし 米ドル

 上表のとおり、IG証券の「ウォール街株価指数」GMOクリック証券の「米国30」、サクソバンク証券の「NYダウ平均株価指数」、DMM.com証券の「ダウ工業株30種平均」といった銘柄がありますが、いずれにも取引期限はありません。

 ここで注目したいのがIG証券の「ウォール街株価指数」です。

IG証券の「ウォール街株価指数」には取引単位が米ドルの銘柄と取引単位が円の銘柄の両方があるのです。「ウォール街株価指数」について詳しくは以下の【参考記事】をご覧ください。

【参考記事】
CFDで最大5万円+1万円がもらえる! 「ウォール街株価指数」って何?

IG証券以外では、GMOクリック証券の「米国30」、サクソバンク証券の「NYダウ平均株価指数」、DMM.com証券の「ダウ工業株30種平均」の取引単位はいずれも米ドルとなっています。

 そして、それぞれの原資産はIG証券の「ウォール街株価指数」が「NYダウ」、GMOクリック証券の「米国30」が「NYダウ先物」、サクソバンク証券の「NYダウ平均株価指数」が「S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス社が選定する米国経済を代表する30銘柄で構成されており、平均株価を指数化したもの」となっています。

 ここまでをまとめるとIG証券の「ウォール街株価指数」には取引単位が円、原資産がNYダウというものがあり、これはくりっく株365の「NYダウ先物取引」と共通している、ということになります。

■IG証券では円建てでDAXのCFDを取引できる

 続いて、有力な店頭CFD取引会社における、DAXを対象とすると思われるCFDの取引期限と取引単位をまとめたものが以下になります。

DAXを対象とすると思われる店頭CFDの取引期限と取引単位
CFD
取引会社
原資産 銘柄 取引期限 取引単位
IG証券 DAX ドイツ30種
株価指数
なし
IG証券 DAX ドイツ30種
株価指数
なし ユーロ
GMOクリック
証券
DAX先物 ドイツ30 なし ユーロ
サクソバンク
証券
ドイツ証券
取引所
が運営する
フランクフルト
証券取引所の
上場銘柄の
内、ドイツ
企業の優良
30銘柄を
対象とした
浮動株調整
時価総額
加重型の
株価指数
ドイツ30種
株価指数
なし ユーロ

DMM.com証券にはDAXを対象とすると思われるCFD銘柄がありませんが、上表のとおり、IG証券サクソバンク証券には「ドイツ30種株価指数」、GMOクリック証券には「ドイツ30」というDAXを対象とすると思われるCFD銘柄があり、いずれも取引期限はありません。

 そして、取引単位は基本的にユーロとなっていますが、IG証券には取引単位がユーロだけでなく、円の銘柄もあります。その原資産はDAXですので、この銘柄はくりっく株365の「DAX証拠金取引」と共通しています。

 なお、GMOクリック証券の「ドイツ30」は原資産がDAXではなく、DAX先物となっています。

■IG証券では円建てでFTSE100のCFDを取引できる

 最後に、有力な店頭CFD取引会社において、FTSE100を対象とすると思われるCFDの取引期限と取引単位をまとめたものが以下になります。

FTSE100を対象とすると思われる店頭CFDの取引期限と取引単位
CFD
取引会社
原資産 銘柄 取引期限 取引単位
IG証券 FTSE100 英国FTSE
100種
株価指数
なし
IG証券 FTSE100 英国FTSE
100種
株価指数
なし 英ポンド
GMOクリック
証券
FTSE100先物 イギリス100 なし 英ポンド
サクソバンク
証券
ロンドン証券
取引所が
100%出資
するFTSEが
算出・公表
している
指数で、
ロンドン証券
取引所に
上場されている
時価総額が
最も⼤きい
100銘柄で
構成される
株価指数
イギリス100種
株価指数
なし 英ポンド

 こちらもDMM.com証券にはFTSE100を対象とすると思われるCFD銘柄がありませんが、上表のとおり、IG証券には「英国FTSE100種株価指数」、GMOクリック証券には「イギリス100」、サクソバンク証券には「イギリス100種株価指数」というFTSE100を対象とすると思われるCFD銘柄があります。いずれも取引期限はありません。

 取引単位は基本的に英ポンドとなっていますが、IG証券にはやはり取引単位が英ポンドだけでなく、円の銘柄もあります。その原資産はFTSE100ですので、この銘柄はくりっく株365の「DAX証拠金取引」と共通しています。

 なお、GMOクリック証券の「イギリス100」は原資産がFTSE100ではなく、FTSE100先物となっています。

 ここまでを総括すると、IG証券GMOクリック証券サクソバンク証券などではくりっく株365の各銘柄と対象株価指数が同じと思われるCFDがあり、それらは取引期限を気にせず、取引できるということになります。

 特に、IG証券には海外の株価指数についても取引単位が円の銘柄があり、対象株価指数もくりっく株365の各銘柄と共通しています。くりっく株365で取引していたのと同じ海外株価指数の銘柄を取引期限を気にせず取引したいという人は、乗り換え対象口座として、検討してみてもいいかもしれませんね。

(ザイFX!編集部・藤本康文&ザイFX!編集長・井口稔)

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