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陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」

米ドル/円は、上昇ウェッジを形成して反落か。為替
市場にわずかな「異変」が発生。今晩の米雇用統計は
結果がどうであれ、米ドル売りの材料になりやすい

2023年07月07日(金)18:58公開 (2023年07月07日(金)18:58更新)
陳満咲杜

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為替市場に生じている、わずかな異変とは? 

 株式市場では、「ソシオショック」云々とバカげた解釈がなされたように、今は調整ムードにある。しかし、日経平均は3月安値を起点とした全上昇幅から23.6%反落した位置にさえ届いておらず、厳密に言えば、調整とさえ言い難い状態だ。

日経平均 日足
日経平均 日足チャート

(出所:TradingView

 だからこそ、「ソシオショック」などはバカげた言い分であり、「ショックなどではないよ」と喝破したい。

 ところで、為替市場には、わずかな「異変」が生じている

 昨晩(7月6日)の米ADP雇用統計は、想定より大幅な増加となり、米利上げ継続、また利上げ余地の再拡大といった思惑で、長短金利はさらに上昇した。米10年物国債利回りは、再び4%の大台に乗せている。

米10年物国債利回り 日足
米10年物国債利回り 日足チャート

(出所:TradingView

 米金利の動向と連動する形で、米ドル/円は上値打診、また高値更新を果たしたほうが「理屈どおり」の値動きと理解されるが、昨日(7月6日)は反落して陰線で大引けした

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

 日米金利差とか、米利上げ余地とかを持ち出して、米ドル/円の上値余地が大きいという主張が多く、また米ドル高とみる向きが多い中、「兆し」として見逃せないかと思う。

 米ドル/円の日足を観察すればわかるように、145円大台の打診があったものの、やはり上に定着せず、昨日(7月6日)の反落もあって、目先は、もはや下のチャートに示されているとおり、「上昇ウェッジ」を形成。反落してくる可能性が暗示されている。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:ゴールデンウェイ・ジャパン

 なぜ反落かというと、このフォーメーションは反落の可能性を示すものであるからだ…もちろん、成立した場合の話である。

 今晩(7月7日)の米雇用統計次第で、また相場が波乱してくるだろうし、同フォーメーションが成立するかどうかが決定するだろう。上放れする場合は、同フォーメーションの可能性自体が「ダマシ」となり、米ドル/円は大きく上昇し、巷でささやかれたり、一部の専門家が言ったりしているように、150円の大台打診の道筋をつけてもおかしくなかろう。

 反面、同フォーメーションが成立する場合は、やはり145円前後にて米ドルの頭の重さが確認される形となり、筆者の主張のように、米ドルの上昇余地が制限されることになる。日銀の介入なしでも、だ。

今晩の米雇用統計後も米ドルの頭は重いと予想する! なぜなら…

 今晩(7月7日)の米雇用次第だから、今言っても仕方がないといった意見に反論はしないが、敢えて言うなら、今晩の米雇用統計次第ではなく、実はすでに、ある程度の決着がついているのではないかと指摘しておきたい。

 結論から申し上げると、今晩の米雇用統計後でも、米ドルの頭は重いと思う。

 なぜなら、昨晩(7月6日)のADP雇用統計の数字は非常によかったから、今晩の米雇用統計に関する予測も上方修正され、また相場に織り込まれつつあり、その結果が目先の相場であるからだ。

 仮に想定どおりの良い結果になっても、今の基調を修正できるかどうかは不透明であり、米ドル買いにつながるかどうか不明な上、数字が上方修正された予測に届かない場合(この可能性が小さくはない)、むしろ失望的な米ドル売りを招く公算が大きい。

米ドル/円は4時間足チャートで頭打ちのサインが見られる

 プライスアクションの視点では、ADP雇用統計リリース後の4時間足における「スパイクハイ」のサイン(矢印)の形成に注意してほしい。

米ドル/円 4時間足
米ドル/円 4時間足チャート

(出所:ゴールデンウェイ・ジャパン

 それは日本のローソク足のパターンで言うと「上ひげ」で、上値ゾーンにおける圧力と解釈される。

 数字が良かった、米金利も上昇した、そして相場における高名な大先生も巷にいる庶民トレーダーも米ドル高を予測している中で、米ドルは頭打ちのサインを点灯したから、やはり何らかの示唆として見るべきであろう。

 筆者は、それは他ならぬ米ドルの頭の重さと感じ、またその可能性により注目している。

ユーロ/米ドルチャートはサポートゾーンを再確認した形に

 米ドル全体の話なので、ユーロ/米ドルを見なければならない。

 ユーロ/米ドルは昨日(7月6日)、切り返しを果たした。米金利上昇がユーロ売りの材料になれず、むしろサポートゾーンの再確認という形になり、ユーロの上昇をもたらした側面の方が大きいとみる。

ユーロ/米ドル 日足
ユーロ/米ドル 日足チャート

(出所:ゴールデンウェイ・ジャパン

 6月に入ってからユーロの上昇は、いったん6月22日(木)から整理パターンを形成してきたが、「直角三角形」に近い形のフォーメーションとして、すでに完成した疑いがある。

 今晩(7月7日)の米雇用統計次第ではなく、米雇用統計通過後の上昇が想定される…やや性急で、また大胆な推測となるが、その可能性に注目したい。

 ユーロ/米ドルの4時間足を観察すればわかるように、昨晩、ADP雇用統計リリース後に形成されたローソク足は、典型的な「スパイクロー」であり、下値サポートゾーンを再確認したと思われる。

ユーロ/米ドル 4時間足
ユーロ/米ドル 4時間足チャート

(出所:ゴールデンウェイ・ジャパン

 ここからはメインレジスタンスラインを完全に上放れし、強気変動へ復帰できるだろう。ゆえに、今晩(7月7日)の米雇用統計は1つのきかっけとなりやすく、中身はどうであれ、米ドル売りの材料になりやすいと思う。

 だいぶ性急かつ大胆な予測を書いたので、本日はここまでにしたい。間違ったら来週言い訳を言うのではなく、きちんと謝る(笑)。市況はいかに。

14:30執筆

セントラル短資FX「FXダイレクトプラス」

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