■日豪で異なる、通貨高に対する対応
そして、ギラード豪首相も、豪ドル高について言及しています。
ギラード首相は、歳入の落ち込みにより、政府予算は「重大な財政上のずれ」に直面していると強調。資源ブームで歳入がピークとなった02/03年度~07/08年度の水準に戻ることはないだろうとした。
同首相はまた「昨年のコモディティ価格の低迷と豪ドル高が、名目国内総生産(GDP)成長率が実質GDPを下回るという極めてまれな状況を作り出した」と指摘。
企業側は売上量ではなく売上高に基づいて納税するため、歳入を考える上では重要な点だとした。
(出所:NNA.ASIA)
オーストラリアの景気減速に対して通貨を下げたいという意図が見え隠れするのですが、オーストラリアの景気減速はつい最近のことであり、日本が長期に渡って円高で苦しんだことと比較すると、通貨高に対する対応の違いに驚きます。
オーストラリアは日米と違って、あまり通貨を下げると、今度はインフレが気になる国であると思うのですが。
■豪ドル/米ドルの当面のターゲットは0.95ドル!
ともあれ、前述のジョン・テイラー氏ではありませんが、豪ドル/米ドルの下落はまだ続きそうです。
今週(5月13日~)に入り、日本でも豪ドル/米ドルについて取り上げられることが増え、マーケットが一時的にショートに傾きつつあるため、今週(5月13日~)前半のような一方的な豪ドル/米ドルの急落は期待しづらいところですが、上記のことから豪ドル/米ドルの上値は限定的です。
先週のコラムでご紹介した、RBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])の「過去18カ月の豪ドル/米ドルが歴史的な高水準」とのコメントから読み取れば、豪ドル/米ドルの下落のめどは、0.95ドル近辺が当面のターゲット。
その次は0.900ドルではないでしょうか。
【参考記事】
●豪州利下げで金利は史上最低の2.75%に。ジョージ・ソロスが豪ドル売りという報道も(2013年5月9日、西原宏一)
(出所:MetaQuotes Software社のメタトレーダー)
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