■10月23日に起こった株価急落と円高の原因は?
その一方、短期的には少し動きが出てきています。昨日10月23日(水)の金融市場では、これまでの流れが一転して主要国の株が急落し、為替市場でも円高が進みました。ただし、米ドル安の傾向はそのままです。
このきっかけとなったのが、中国の短期金利の動向です。
中国では、先日発表された7-9月期のGDPが年率で7.8%と予想を上回ったことやインフレ傾向が続いていることを踏まえて、金融政策をやや引き締め方向に向けることを金融当局が示唆しています。
こうした意向を受けて10月23日(水)の中国市場では、代表的な短期金利である7日物のレポレートが0.47%上昇し、4.05%となりました。4%という金利水準を考えれば1日で0.5%近く上昇するというのは、かなりの変動であったため、これを嫌気して株が下落。その結果、連鎖反応的に円高になった、という動きでした。
(出所:株マップ.com)
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■中国短期金利動向は落ち着いて、当面はレンジ相場に
かなりの変動幅であったとはいえ、中国の短期金利の動きでこれだけ、世界の金融市場に影響が出てしまうというのは、もちろん中国への関心が高いということもあるとは思いますが、それまで、株高が進んでいたこともあって、ややポジション調整の理由付けに使われた、という面が否めません。
基本的に金融市場そのものが方向感を見出せていないことの証左でしょう。中国の短期金利の動向も落ち着いてくる公算が高く、今後のトレンドを形成するような材料ではありません。
やはり当面は、レンジ相場が続くという見方を維持しておいたほうが良さそうです。
先週(10月14日~)から、日本では臨時国会が開会しています。安倍総理はこの国会を成長戦略国会と位置づけていますが、法案の内容を見ると、抽象的な内容となっているものが多く、一段の株高を誘発するような内容は見受けられません。その評価は、2014年に持ち越されることになりそうです。
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