(「ザイFX!で2013年を振り返ろう!(1) 【相場編:前編】アベノミクスで円安!」からつづく)
■米ドル/円は、ついに三角保ち合いを上抜けて…
ところで、2013年の米ドル/円週足チャートを見ると、教科書的なほどキレイな「三角保ち合い」が描けることがわかります。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 週足)
このキレイな三角保ち合いを上抜けた(?) のは、2013年11月に入る頃です。5月に年初来高値をつけて以降、長らく続いた保ち合い相場がいよいよ終焉を迎え、上昇トレンド復活の兆しが見えはじめた様子…。
途中、スピード調整をしながらではありますが、12月13日(金)に米ドル/円は、5月22日(水)につけた年初来高値(103.70円台)を塗り替えて、103.90円あたりまで上昇しました。
■2013年最後のFOMCでついに米QE縮小決定!
その後マーケットでは、やや調整の動きが続いていましたが、12月18日(水)に迎えた2013年最後の米FOMCでは、ついに米QE縮小(テーパリング)開始が決定され、マーケットでは米ドルが急上昇! 米ドル/円も、年初来高値を塗り替えて104円台に乗せる展開となりました。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
この日、NYダウは前日比290ドル超の上げ幅を記録。株高の影響は、翌日19日(木)の日経平均にも波及するなど、クリスマス相場を前に、マーケットは大いに盛り上がりましたね。
■イタリア総選挙やキプロスショックもありました
ここまで2013年のマーケットを動かした主な材料をピックアップしてきましたが、みごとに米国(米ドル)と日本(円)の話題ばかりでした…。このほかの国や通貨の動きでも、いくつか注目したいことがありましたので、ざっと押さえておきたいと思います。
遠い昔のように思うかもしれませんが、2013年2月にはイタリア総選挙が行われました。連日、政局不安が取りざたされ、マーケットは一時リスクオフに傾きましたね。影響が長引くことはありませんでしたが、マーケットは大いに荒れました。
【参考記事】
●イタリア総選挙が大接戦で相場大荒れ!米ドル/円は一時、90円台まで急落!
もう1つ欧州の話題として記憶しているのは、3月のキプロスショック。2013年3月15日(金)~16日(土)に行われたユーロ圏財務相財政会合で、かねてより救済措置を求めていたキプロスに対する支援が決定され、一見、良いニュースじゃん! と思われましたが…中身を見てビックリ!
なんと支援とあわせて、キプロス国内の銀行預金者から一定の率で税金を徴収するという記述が…。キプロスではATMに預金者が殺到し、大変な混乱を呼びました。
ユーロは、3月18日(月)早朝、主要通貨に対して大きく窓を開けて取引をスタート。銀行預金に強制課税って…そりゃ、預金している人は焦りますよね…。
(出所:米国FXCM)
【参考記事】
●キプロスショックで早朝からユーロ急落!銀行預金に強制課税でATMに人が殺到!?
●キプロス問題早期収束を予想するワケは?そしてその後、上昇しやすい通貨ペアは?(3月22日、陳満咲杜)
●キプロス問題はEUにとってメリットも!?ユーロのリバウンドを予測する理由とは?(3月29日、陳満咲杜)
■11月ECB理事会で、まさかのドラギショック!
その後、マーケットの話題は米QE縮小に移っていましたが、11月に入り、ユーロ圏からサプライズが! こちらは、まだ記憶に新しいのではないかと思いますが、11月のECB(欧州中央銀行)理事会において0.25%の利下げが実施されたのです。いわゆる「ドラギショック」の勃発です。
(詳しくはこちら → 経済指標/金利:各国政策金利の推移)
これにより、ECB政策金利は0.5%から0.25%へと変更され、過去最低水準となりました。それまでも利下げがほのめかされている雰囲気はありましたが、まさかこのタイミングで! と、かなり予想外だった利下げにマーケットはビックリ! ユーロは急落する展開となりましたね。
【参考記事】
●「ドラギ・ショック」と「米GDPショック」で波乱の相場!ドル/円の上放れは先送り?(11月8日、陳満咲杜)
影響が長引くことはありませんでしたが、これも押さえておきたい話題の1つです。
■金が2営業日で約15%暴落! 商品相場は軟調か
また2013年は、金価格の暴落も話題になりました。4月には、わずか2営業日で15%ほど暴落するという衝撃の事態に…。
(出所:米国FXCM)
金価格暴落の背景には、くすぶり始めた米QE縮小観測や中国経済の減退などのほか、ここ10年ほど上昇を続けてきた金価格が「上がり過ぎだった」との見方も。
【参考記事】
●金が2営業日で約15%も暴落!その理由と金相場下落で利益を上げる投資法とは?
4月以降も金価格は下落を続け、いったん6月下旬に底値をつけた後、ちょっとだけ反発しましたが、再度下落に転じ、以降軟調な状況が続いています。
商品価格の下落は、特に9月あたりから目立っており、紹介した金のほか原油などにも表れていますよ。
(出所:米国FXCM)
2014年は、さらに下落する可能性があるのか…。為替動向とあわせてチェックしておきたいですね。
最後に、商品相場の動向をチェックしたうえで、もう1つ…
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