■「人民元安定化」報道が豪ドル反発を後押し
この豪ドルの反発を後押しした形になっているのが、「人民元の安定化」の報道。
2月19日(火)のNY市場では、トランプ政権が中国に対し、貿易交渉の一部として人民元相場の安定を維持するように求めていると関係者が語ったとの報道で、米ドルが広範に下落しました。
米国の狙いは、米国が課す関税の効力をなくそうと、中国が人民元を切り下げる手段を封じることにある模様。
ブルームバーグによれば、両国は最終合意の枠組みに人民元安定の保証を組み入れることで暫定合意しているとのこと。
この報道で一番影響力を受けたのが、豪ドルです。
中国経済の影響力が強い豪ドルは、上海総合指数の続伸で値を伸ばしていましたが、「人民元の安定保証の報道」により反発を再開。
2月21日(木)の東京市場では、豪ドル/円が一時79.81円、豪ドル/米ドルが0.7207ドルまで上昇しています。
(出所:Bloomberg、通常の通貨ペアは米ドル/中国人民元だが、逆転して表示させている)
本日(2月21日)も、豪州の大手銀行、ウェストパックが「RBAは8月と11月に利下げ予想」と発表したことで、一時豪ドルが反落しましたが、本稿執筆時点で、豪ドルの上昇トレンドは変わらず、底堅く推移しています。
■米ドル/円は110円台前半に巨額の買いのウワサも…
米ドル/円は、前回のコラムでご紹介させていただいたように、111円台前半のレジスタンスがきつく、一時110.26円まで反落。
【参考記事】
●NYダウ急騰を横目に、米ドル/円も上昇。米中貿易協議次第でNYダウは急反落も!?(2月14日、西原宏一)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)
ただ、110円台前半に本邦機関投資家が巨額の米ドル買い注文を出しているとのウワサもあり、底堅く推移しています。
前述のように、豪ドル/米ドルが反発を演じている中、米ドル/円が高値圏で膠着していることで、豪ドル/円も下値が限定的な展開となっています。
上海総合指数の堅調さに加え、「人民元の安定化」報道を背景に、反発を演じている豪ドル/米ドルの行方に注目です。
【ザイFX!編集部からのお知らせ】
ザイFX!で人気の西原宏一さんと、ザイFX!編集部がお届けする有料メルマガ、それが「トレード戦略指令!(月額:6600円・税込)」です。
「トレード戦略指令!」は10日間の無料体験期間がありますので、初心者にもわかりやすいタイムリーな為替予想をはじめ、実践的な売買アドバイスやチャートによる相場分析などを、ぜひ体験してください。
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)