■トランプ政権にとって、2020年の株高維持は不可欠
こうした中、「米大統領選挙は、経済だけが重要ではない」という意見も台頭しています。
米大統領選、経済だけで有権者は動かず
ビル・クリントン氏に勝利をもたらした1992年の米大統領選挙キャンペーンで中心的役割を果たしたジェームズ・カービル氏は、選挙戦の最も重要な争点について関係者らの頭の中に、ある単純なメッセージをたたき込んだ。それは「大事なのは経済だ、バカ者」というものだった。
しかし2020年の大統領選挙に向けたメッセージは「大事なのは経済ではない、バカ者」というものだ。少なくとも「経済だけではない」ということだ。
出所:ウォールストリート・ジャーナル
2016年の米大統領選挙が、トランプ氏の大勝利というサプライズの結果になったことが証明しているように、選挙結果は、共和党と民主党の支持者が拮抗する州、いわゆる「スイングステート」での勝敗に左右される極めて不透明なもの。
【参考記事】
●米大統領選挙は予想外のトランプ氏勝利! リスクオフで米ドル/円急落も意外な動き…(2016年11月9日公開)
上の【参考記事】にあるように、米大統領選挙は経済だけ、シンプルに言えば、株価の動向だけに左右されるわけではありません。
ただ、選挙が、そうした不透明なものであるゆえに、トランプ陣営は選挙に勝利するため、少なくも株価を安定させようとすると思われます。
今週(1月20日~)、ダボス会議に参加しているトランプ大統領は、中間層向け減税を発表するとしています。
FRB利上げは「大きな過ち」、中間層向け減税発表へ=米大統領
出所:ロイター
こうした流れは、米国株にとってポジティブな要因が加わることになります。
過去数カ月、総じて米国株は大きな調整もなく上昇しているため、急騰はしませんが、じり高に推移。
米国株が堅調に推移するのであればリスクオンで、クロス円も総じて堅調に推移すると想定されます。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 日足)
■米国株とクロス円の調整は、押し目買いの好機
今週(1月20日~)は、BOE(イングランド銀行[英国の中央銀行])の利下げ予測もある英ポンドが軟調な展開となり、クロス円が調整する局面だとするマーケット参加者が多かったのですが、そうした予想とは裏腹に、本稿執筆時点での英ポンド/円は、144円台を回復。堅調に推移しています。
(出所:Trading View)
前回のコラムで取り上げた豪ドル/円も、中国の「新型コロナウイルス感染拡大」の報道で幾分、値を下げていますが、底堅い動きを維持。
【参考記事】
●森林火災危惧も、豪州株は最高値更新。豪ドルは底堅い! 対円は80円へ反発開始(1月16日、西原宏一)
(出所:Trading View)
仮に、旧正月を控え、米国株とクロス円が調整するならば、押し目買いの好機となるのではないでしょうか?
【参考記事】
●米国株を「買わない理由」はない!? 株高追い風に豪ドル/円は押し目買い!(1月20日、西原宏一&大橋ひろこ)
豪ドル/円、英ポンド/円を筆頭としたクロス円の動向に注目です。
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