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今井雅人の「どうする? どうなる? 日本経済、世界経済」

リスクオンからの円安、そろそろ息切れ…。
反動を期待した円買いが、おもしろそう!

2020年05月21日(木)15:35公開 (2020年05月21日(木)15:35更新)
今井雅人

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■ネガティブ要素多いが、株式市場は堅調

 ここ1週間ほどの金融市場の動きを見てみると、特に、株式市場の堅調さが目につきます

 NYダウを中心に、しっかりした動きを続けており、日経平均も、足元では2万円をしっかり超えてきています。

NYダウ 日足
NYダウ 日足チャート

(出所:Trading View

日経平均 日足
日経平均 日足チャート

(出所:Trading View

 この1週間で出てきた、日本経済関連の主だったニュースを取り上げてみると、倒産件数が急増してきており、それに加えて、老舗アパレル企業・レナウンなどの大型倒産も出始めています。

 そして、今や日経平均の構成銘柄の中で重要な位置付けとなっているソフトバンクグループが、巨額の損失を計上。

【参考記事】
ソフトバンクGによる円買いはインパクトあり。ハードブレグジット現実化? ポンドに下落リスク!(5月20日、志摩力男)

 また、日本の1~3月期のGDP(国内総生産)は、年率換算で3%以上のマイナス。さらには、4~6月期の日本のGDPは、年率で20%以上のマイナスになるという予想です。

日本のGDPの推移
日本のGDPの推移

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:各国GDP成長率の推移

 こうしたネガティブな情報ばかり目立ちますが、株式市場はびくともしません

■市場の楽観ムードが下支えに

 それは、どうしてでしょうか?

前回も話をしたとおり、金融システムが、現状、しっかりと機能しているからです。今後も、それが続くという確証はないものの、現状では、各金融機関の財務体質は、決して悪くはありません。

【参考記事】
状況次第で米国でもマイナス金利導入か。ドル/円レンジは106~108円。逆張り継続!(5月14日、今井雅人)

 そういう中でも、日銀は積極的に市場に資金を供給しており、政府も(決して十分とは言えないものの)財政出動をしています。

黒田日銀総裁

今井氏は各金融機関の財務体質が決して悪くなく、日銀が積極的に市場に資金を供給していることなどが、ネガティブな情報ばかり目立つなかで株式市場が堅調に推移している理由だと指摘。写真は日銀の黒田東彦総裁 (C)Bloomberg/Getty Images

 さらに、各国が経済活動を再開させてきていること、新型コロナウイルスの感染拡大が、とりあえずピークを越えたように見えること、そして、予想以上のスピードでワクチンの開発が進む可能性が出てきたことなどが、市場に楽観ムードを広げる原因となっています。

■久しぶりにみられた「リスクオンからの円安」

 為替相場では、久しぶりにリスクオンからの円安という動きが、この1週間、みられました。

世界の通貨VS円 4時間足
世界の通貨VS円 4時間足チャート

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 4時間

 最近、株式市場と円相場の相関関係が崩れていましたが、この1週間に限ってみると、そうした相関が戻ってきています。

 米ドル/円は、前回のコラムで予想した、106.00~108.00円のレンジの、ほぼ上限にまで上昇しました。

【参考記事】
状況次第で米国でもマイナス金利導入か。ドル/円レンジは106~108円。逆張り継続!(5月14日、今井雅人)

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:Trading View

 それ以上に、豪ドル/円、ユーロ/円、英ポンド/円を始めとして、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)での円安も進行しています。

■反動を期待した円買いがおもしろいか

 では、この円安の傾向は、今後も続くのでしょうか?

 結論からいうと、私はこの円安は、そろそろ息切れすると考えています。端的に言えば、これ以上、円安に向かっていく積極的な理由が見つからないからです。

 この先、円安が進むのであれば、もっとはっきりとした理由が必要です。世の中の先行きが依然として見通せないところで、ここからさらに円安を狙って、円売りをしていくのは、正直、危険だと思います。

 むしろ、ここは、行き過ぎ感からの反動を期待して、円買いポジションをとるほうがおもしろいです。

世界の通貨VS円 4時間足
世界の通貨VS円 4時間足チャート

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 4時間

■基本はレンジ。「もぐらたたき」戦法を継続!

 私も、ここ1~2日で、円買いポジションを作りました。

 ただ、これは今後、円高トレンドの相場になるということを期待しているわけではありません。あくまでも、これまでの1週間、円安が必要以上に進みすぎてしまったのではないかという認識からの反動狙いです。

【参考コンテンツ】
ザイFX! FXプレミアム配信 With今井雅人

 相場の全体観に関して、今はコロナ第3相場の中にあり、レンジ相場からは、まだまだ抜けられません。

 だから、「もぐらたたき」戦法を続けるべきという基本認識に従って、トレードをしているというだけのことです。上がったら売り、下がったら買いと、逆張り戦略は今後も続けていきます

【参考記事】
新型コロナは第2ステージ入り。ドル/円の105円台は買いだが、もぐらたたき戦法で!(5月8日、今井雅人)
足元の相場動向を総点検! 為替は逆張りが有効。米ドル/円は107~109円レンジを想定(4月23日、今井雅人)


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