■ネガティブ要素多いが、株式市場は堅調
ここ1週間ほどの金融市場の動きを見てみると、特に、株式市場の堅調さが目につきます。
NYダウを中心に、しっかりした動きを続けており、日経平均も、足元では2万円をしっかり超えてきています。
(出所:Trading View)
(出所:Trading View)
この1週間で出てきた、日本経済関連の主だったニュースを取り上げてみると、倒産件数が急増してきており、それに加えて、老舗アパレル企業・レナウンなどの大型倒産も出始めています。
そして、今や日経平均の構成銘柄の中で重要な位置付けとなっているソフトバンクグループが、巨額の損失を計上。
【参考記事】
●ソフトバンクGによる円買いはインパクトあり。ハードブレグジット現実化? ポンドに下落リスク!(5月20日、志摩力男)
また、日本の1~3月期のGDP(国内総生産)は、年率換算で3%以上のマイナス。さらには、4~6月期の日本のGDPは、年率で20%以上のマイナスになるという予想です。
(詳しくはこちら → 経済指標/金利:各国GDP成長率の推移)
こうしたネガティブな情報ばかり目立ちますが、株式市場はびくともしません。
■市場の楽観ムードが下支えに
それは、どうしてでしょうか?
前回も話をしたとおり、金融システムが、現状、しっかりと機能しているからです。今後も、それが続くという確証はないものの、現状では、各金融機関の財務体質は、決して悪くはありません。
【参考記事】
●状況次第で米国でもマイナス金利導入か。ドル/円レンジは106~108円。逆張り継続!(5月14日、今井雅人)
そういう中でも、日銀は積極的に市場に資金を供給しており、政府も(決して十分とは言えないものの)財政出動をしています。
今井氏は各金融機関の財務体質が決して悪くなく、日銀が積極的に市場に資金を供給していることなどが、ネガティブな情報ばかり目立つなかで株式市場が堅調に推移している理由だと指摘。写真は日銀の黒田東彦総裁 (C)Bloomberg/Getty Images
さらに、各国が経済活動を再開させてきていること、新型コロナウイルスの感染拡大が、とりあえずピークを越えたように見えること、そして、予想以上のスピードでワクチンの開発が進む可能性が出てきたことなどが、市場に楽観ムードを広げる原因となっています。
為替相場では、久しぶりにリスクオンからの円安という動きが…
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