■リスクオンで円安になるという考えは短絡的
そこで、今後の動きについて考えてみたいと思います。
まず、私が一番考えていることは、「株高→円安」という動きに、少し単純に反応しすぎたのではないかという点です。
以前のコラムでもお話したとおり、「株高→円安」というかつての相関関係が、市場に戻ってきていました。
【参考記事】
●日経平均の上昇は、そろそろ9合目! 「株高・円安」の相関は戻りつつあるか(5月28日、今井雅人)
●コロナバブルが当面、弾けない理由とは? ドル/円・クロス円は反動狙ってエントリー(6月4日、今井雅人)
しかし、円だけでなく、どこの国も金利がゼロに近く、さらには、各国とも大規模な量的緩和を行っているのですから、リスクオンになったから円安になるというのは、ちょっと短絡的すぎます。
株式市場の方は、じゃぶじゃぶの資金が株式市場に流れ込んでいることを考えれば、今後も、大きく崩れる可能性は低いです。
しかし、円相場の場合は別です。イメージで、短期筋が円売りをしてきただけのことではなかったのかと考えています。
■ロングに転じていくチャンスを狙う局面に
そう仮定すると、現在は、その過剰反応に対する反動が出ているということでしょう。
チャートを見ても、ユーロ/円、英ポンド/円、豪ドル/円などが、かなり急激なスピードで上昇してきたのがわかります。その反動だとすれば、もう少し下げる可能性があるとは思います。
(出所:Trading View)
(出所:Trading View)
(出所:Trading View)
それを念頭に、今週(6月8日~)に入って、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)をショート(=売り)にしてきましたが、ここからは、買い戻しながら、さらにロング(=買い)に転じていくチャンスを狙う局面だと思います。
現在の市場は、ECB(欧州中央銀行)が金融緩和をするとユーロが上昇する一方で、FOMC(米連邦公開市場委員会)が金融緩和をすると米ドル安になるという、よく理解できない反応をしています。
そこがわかりにくいところですが、結局、そういう動きは修正されるということです。その局面を、うまくとらえていくことが大事です。
【参考記事】
●5~6月が景気後退局面の底か。リスク選好は続き、豪ドルが調整すれば買い場に(6月9日、バカラ村)
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