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陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」

米ドル安が終えんに向かうとの見方、
このあたりで「君子豹変」すべきか?

2009年10月23日(金)18:44公開 (2009年10月23日(金)18:44更新)
陳満咲杜

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 ご存知のように、米ドル安を加速させたのは、10月6日(火)の豪州の利上げだった。

 つまり、各国の金融政策の見通しが、当面のマーケットを左右する要素としては重要だろう。実際、豪州が来月にも再び利上げし、ニュージーランドが追随するといった観測が根強く、足元の豪ドル高とNZドル高を支えている。
豪ドル/米ドル 週足
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル vs 米ドル 週足

 対照的に、米国の利上げは当面先だという観測が広がっており、これが現在の米ドル安の最大の要因となっている。

 だが、やや我田引水ではあるが、円の軟調も同じところに起因していると思う。なぜなら、日本の利上げを予測する声が皆無であり、米国の利上げよりも遅れるといった見方さえ多くあるためだ。

■ユーロとポンドは、利上げ再開が過剰に織り込まれた!?

 しかし、ユーロ圏と英国の話になると、ややこしくなる。

 ユーロ圏の利上げに確信を持てるだけの材料がなく、展望もない。英国に関しては、利上げどころか、量的緩和の再拡大さえあり得る。

 それにもかかわらず、ユーロだけでなく、英ポンドさえも、対米ドルで大幅に切り返している。
英ポンド/米ドル 週足(クリックで拡大)

 つまり、金融政策についての見通しと解釈が、足元の相場にかなり織り込まれていて、むしろ、行き過ぎているほどにも思える。英ポンドは、特にそうだ。

 これまでも指摘してきたように、英ポンドは、米ドル全体のパフォーマンスを測るもっともよいパラメーターだ。最近の英ポンドの大幅な切り返しは、明らかにマーケットの過剰反応のように見える「円高=藤井財務相による「人災」説に疑問。米ドル/円の安値追いには賛成できない!」参照)

■英ポンドの上昇は、米ドル安に対する恐怖の裏返し?

 英国の中央銀行であるイングランド銀行のキング総裁は、金融政策の正常化に言及した。これを受け、足元の英ポンドは上昇を加速させているが、同時に、タッカー副総裁が量的緩和策拡大の可能性を示唆していることを考慮すると、英中銀の政策はかなり不確実に思える。

 ところが、米ドル安のコンセンサスが強い最近のマーケットでは、米ドル安の材料にしか反応しない。米ドル高につながるような、つまり、英ポンドのマイナス材料は無視されている。

 もっとも、最近の英ポンドの上昇は、ショートカバーに起因するテクニカル的な要素が強い「浮上した2つの『異変』は何を示唆する?米ドル安トレンドの終えんは、やはり近い!」参照)

 だが、それでも行き過ぎの感は否めない。少なくとも、想定されているような時期に、英国が利上げする可能性はかなり低く、過度に先取りしようとするマーケットの反応は、米ドル安に対する恐怖の裏返しであろう

 従って、筆者は、行き過ぎた米ドル安は修正されるとの見方を変えない

 だが、自分自身の論調も「諸刃の剣」であるように、利上げの可能性がかなり不確実な英ポンドが上昇し続ければ、米ドル安トレンドが終えんするどころか、加速していく絶好の材料にもなり得る。

 筆者は、このような論調を年初から一貫して指摘してきたことは、もちろん承知している。結論から言えば、筆者の「君子豹変」も近くあり得るかもしれないが、現時点では、これまでの見方を堅持したい。

 君子になっていなければ、次回は、テクニカル面から分析してみたい。

(2009年10月23日 東京時間13:00記述)
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